とりあえずゴブリン退治
次の話の目処が立ったので早めに投稿します。
草原の真ん中で神に見捨てられ、途方に暮れていたがとりあえずやれることをやろう。
ステータスと念じてみる。すると目の前に半透明なウィンドウが出てくる。
シノブ・アオキ Lv.1 人間
HP
120/120
MP
120/120
SP
100/100
筋力
80
体力
70
敏捷
70
魔力
80
スキル
魔銃▼
加護
創造神の加護
とりあえず数値はわかったけど、この世界の平均がわからないので強いか弱いかもわからない。スキルは神から聞いているが加護とはなんだろう?
【創造神の加護】
この世界を作ったと言われる創造神リディア・ローズレッドの加護。この世界の全てのステータスを見ることができ、自分のステータスを偽ることができる。
なんか便利な能力来た!これで相手のステータス見放題じゃん!自分のステータスを偽ることができるらしいけど、偽る必要があるのか?とりあえずそれは後回しでいいか。
スキルの横の▼はなんだろうと、意識を向けると隠れていた部分が出てくる。
魔銃▲
バレット
消費SP5
通常の魔弾を撃つ
頭部に当たると威力が上がる
なるほどそのスキルでできることが出てくるのか。さっきは20m位から撃ったけどレベルが上がればもっと遠くから打てるようだ。あといわゆるヘッドショットをすると威力が上がるらしい。何をするにしてもここにいたら何もできないからここから移動しよう。
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あてもなく歩いていると街道にぶつかったので、右か左かどっちに進むか真剣に考える。下手すると街に着くまでかなりの時間を使ってしまうかもしれない。
「さて、どっちに進もうか。いつもならとりあえず左を選ぶんだけど、今回は命がかかってるからなぁ・・・ん?」
そう考えていると街道の右のほうから馬車が物凄い速度で走ってくる。丁度良いから乗せてもらおうと思っていたが、どうにも様子がおかしい。
よく見ると馬車から少し遅れて十匹位のゴブリンが追いかけてきている。
「そこのあんた!すまんが逃げてくれー!」
御者の男がそう叫びながら目の前を通過していく。それをあっけにとられて見送ると、標的を変えたのかゴブリン達はシノブを囲み始める。
「ギギ、ギギギィ!」
「何言ってるかわからんけど、とりあえずピンチかなぁ?」
内心では焦りつつ、どこかのんびりした様子でつぶやきながら周りに指示らしきものを出しているゴブリンのステータスを見る。
ゴブリンサージェント Lv.5
HP
40/40
MP
0/0
SP
100/100
筋力
20
体力
16
敏捷
12
魔力
10
弱!!えっ⁉︎普通こんなもんなの⁉︎それともゴブリンが弱いだけか⁉︎HPとか俺の1/3しかないんだけど!これならなんとかなるかもしれない。
「顕現」
俺は銃を右手と左手に一丁ずつに顕現させる。
ゴブリンサージェントは俺が一人であることや囲んでいることで余裕があるのか嗜虐的な笑みを浮かべている。
「お前の顔むかつくからとりあえず死んどけよ」
そう言って眉間に狙いを定め引き金を引く。パシュっという気の抜けた音がなり、ゴブリンサージェントの眉間に穴が空きそのまま後ろに倒れる。他のゴブリン達は何が起きたのかわからずそれを見て固まっている。
頭の中でなんかファンファーレみたいな音が鳴るが、俺はゴブリン達の隙を逃さず一番近くにいるゴブリンに急速接近し頭を蹴り飛ばす。次にすぐ隣にいたゴブリンのこめかみに銃口を当て引き鉄を引く。ゴブリンサージェントがやられた混乱から立ち直ったゴブリンが手に持つ棍棒で殴りかかってくるが銃で受け止め、蹴り飛ばす。その後も蹴撃・銃撃を繰り返し10匹いたゴブリンの集団は全滅した。
「ふぅ〜、なんとかなるもんだな」