とりあえずチュートリアル
初めまして。黒猫の宵風です。
これから毎週日曜日を目安に週一のペースで投稿していこうと思います。
まだまだ若輩者なので文章も稚拙だと思いますが、御意見・御感想の方お待ちしております。
「ここはどこだ!?」
青木忍は森の中で一人叫ぶ。
「落ち着け、落ち着くんだ俺。とりあえず一つ一つ思い出そう」
確か昨日は学校に行って退屈な授業を受けて、家に帰ってじいちゃんと稽古して、寝る前にゲームして寝たはずだ・・・
「こんなところに来る要素がない。ということはこれは夢か⁉︎」
(夢ではありませんよ)
「うわ⁉︎な、何だ⁉︎」
あたりを見渡しても自分以外には誰もいない。それなのに突然声が聞こえてきたのだ。
(私は神です)
「か、神?」
(はい、そうです。今は貴方の頭に直接語りかけています。私の権限を使い貴方の【異世界に行きたい】という夢を叶えました)
「俺そんなこと願ったっけ?」
(はい、昨日私が近たまたま近くを通りかかったときに「あぁ俺もこういう異世界に行って冒険とかしてみてぇなぁ」と言っていましたので面白そうだなと思いました)
確かに昨日ゲームをやっているときにそんなことを言った気がする。
「・・・どうやったら元の世界に戻れる?」
(え?戻りたいんですか?申し訳ないのですが私の権限では無理ですね)
「お前神だろ⁉︎」
(私は貴方が居た地球の神ではなく、このリユガシカの神です。こちらに連れてくることはできますがあちらに送り返すにはあちらの神の許可がないと無理です)
「じゃあ地球の神様に許可を取ることは?」
(もろもろの事情がありあと500年は連絡が取れませんね)
ということはもう地球には戻れず、この世界で生きていかないといけないということだ。もう観念するしかない。
(大丈夫ですか?ではこれからチュートリアルを始めます。)
「・・・わかった」
神からこの世界の常識を教えてもらったところ地球とは全然違う世界ということがわかった。
この世界に科学は発展していない。その代わり魔法があり、生活にも深く浸透していること。この世界には人間だけでなく亜人や魔物がいることなど、耳を疑うようなものばかりだった。
(では次は実際に魔物と戦ってみましょう)
「普通に殴れば良いのか?」
神から呆れたような雰囲気が伝わってくるように感じる。あくまで感じるだけだ。
(・・・貴方は【魔銃】というスキルを持っています。手を前に出して「顕現」と唱えてください)
「顕現」
言われた通りやってみると手に銃が現れる。
オートマチックに似ているが俺が知っているものより大型になっている。これならそのまま鈍器としても使えそうだ。
(ではそのまま真っ直ぐ100mほど進んで下さい)
言われた通りに進んでみると少し離れたところに、緑色の人っぽい何かがいる。よく見るとゲームに出てくるゴブリンみたいなやつだとわかる。
(あれはゴブリンです。冒険者になりたてでも倒せる魔物です。まずはあれを撃ってみましょう)
ここから撃っても当たらないとえ思うがなんとなく頭を狙って撃ってみる。するとパシュという音がなり狙った通り頭に小さい穴が空く。あれ?俺才能ある?
(スキルによって補正されていますので、ある程度狙いをつければ当たります)
どうや才能があったわけではないようだ。
(今撃ったのはバレットという殺傷能力の低いものです。これからレベルが上がっていけば他の種類も撃てるようになります。最後に「送還」と唱えてください。)
「送還」
すると、手に持っている銃は光の粒子になって消えてしまった。
(このように使わないときは送還しておくことができます。以上でチュートリアルは終わりになります。また自分のステータスを知りたい場合はステータスと念じれば知ることができます。それではお疲れ様でした。異世界ライフを満喫してください)
するともう神の声は聞こえなくなってしまった。周りに何もない草原の真ん中に俺一人を残して・・・
「ヤベェ、どこ行けばいいかわかんねぇ。どうしよう・・・」
こうして青木忍の異世界ライフは幕を開ける。
「だれか〜!!助けて〜!!」