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迷殺  作者: アキラ
7/13

第7死 仲間③

年末年始 3本目は謎殺 最新話です!!

申し訳ありません。一日遅れてしまいました!!

それから約1時間、俺たち3人は自分の犯した罪を話して、

今の自分の順位を明かしていった。

現時点で完全に信用しているわけではなかったものの、

信頼を得るためにはこうして負の部分を露見した方が

早く済むということを今までの人生で知っていた。

そのことを提案すると、2人は快く了承してくれたのだった。


「それにしても、いっくんは災難だったんだね~!!

そんな刑務所に入れられるようなことじゃないと思うのに、

入れられて~。そのうえ、こんなおかしいゲームに参加しなきゃいけないなんて、

完全に不幸だぁ」

「いやいや、それを言うなら竜二も同じだと思うけどな。

刑務所に入るような罪なんかじゃない」


竜二が犯した罪も俺と同じく窃盗罪だった。

ただ俺と大きく異なる点はその行為に彼の意識がなかったことだろう。

彼はいつも通りコンビニで、お昼ご飯を買いに行っていたのだったが、

その際に自分のポケットの中に電子プリペイドカードを

第3者に入れられていたようで、コンビニから出た際のブザーで

店員に気付かれ、そのまま店長室へ。

普通であれば、厳重注意で済むはずだったようだが、

その店が近所では有名なカモ店であったため、

見せしめの意も兼ねて、警察に突き出された。

それに加えて、彼の態度も悪かったのだろう。

出会いから薄々感じていたが、やはり竜二は軽すぎる。

というか少し気だるげだ。

俺も初対面の時点でこいつとはやっていけないだとか、

人間が違うと思っていたくらいだ。

しかし、話してみると、案外普通だった。


警察に突き出されたときも普通に話していれば、

彼はここにはいなかったのかもしれないと思う他なかった。

というか、今この場にいる人の中できっちりと犯罪行為を犯していたのは、

意外にもさっき仲間になったばかりの雨宮美穂だった。

美穂は、年齢とかは無粋なので聞かなかったが、20歳は超えている。

この時点で年齢関連の詐欺行為をしてもバレることはないだろう。

というか年齢詐称が一番彼女がここに入れられた理由なのだと、

話し始めてから思ってしまった。


しかし、彼女の犯した罪はそんなことではなく・・・


ハッキングを行ったようだ。

どこに行ったのかとかは教えてはくれなかったが、

あの口ぶりからしておそらく大企業にだろう。

ただ、彼女はそのパソコンの技術には長けているのだとは思うが、

この刑務所内にはそういった電子機器は支給されていないこともあって、

彼女の力が発揮されることはなく、ただの少女、

いやただの女性としかならないのだ。


そうこうしながら、自分と2人の間で情報の共有を行っていると、

突然部屋の外でバタバタと人が走ってくる音がした

なんなんだ、いったい!?と訝しげに思ったが、

こんなおかしなゲームが始まった今、傍観しているわけにもいかず、

俺たち3人もその走っている人々の後を追う形で、

彼らの向かう方向へ向け、走り出した。



その異常事態の原因はすぐに分かった。

ちょうど、食堂に面した廊下で、それは見つかった。

最初に見つけた女性は廊下の端で今も小刻みに震えて、

膝を抱えてすすり泣いている。


俺たちはそれをきっちり見るために、

人込みをかき分けて前へ進んでいった。

「なんなんだ!?これは・・・」

俺の視線上にあったのは、なんと5人分の臓器だったのだ。

それも誰の臓器か判別ができるように近くに置かれたメモには

名前と罪状が書かれていて、抜き出したであろう臓器の名称まで書かれていた。

いったい、なぜこんなことを。とまず最初に思った俺だったが、

よくよく考えてみるともう一つ思ってしまうことがあった。

(いったい、誰がこんなことを?)と。

それと同時にさっきまでのことを回想して、

この犯人は1人ではなく5人であることにも気づいてしまった。

というのも、さっき見せしめであったように人を殺害してから

次の人を殺害するまでには一定のインターバルを置く必要があり、

同時に2人以上殺すと、運営に殺害されてしまう。

この場合は殺されたのが5人。

ということは単純に考えると5人が人を殺したということ。

それに加えて、これだけ手口が一緒であるということは仲間である可能性が高い。

(この刑務所の中にそんな危険な奴が、5人もいるのか・・・)

その考えに至った瞬間、鳥肌が立ち、

胸の奥が冷たくなっていくのが分かった。



そんな異常な光景を見てしまった俺たちが部屋へと戻る道を歩いていると、

近くにあった部屋から何やら呻き声が聞こえてきた。

その呻き声はまさに人が死ぬときのような声ではあったが、

もう既に精神的に瀕死状態だったために、その人物のことを見捨てることにした。



次の日、部屋番117号室の囚人が殺されているのが発見された。


4本目は未知少女 最新話です!!

こちらのほうも読んでいただけると嬉しいです♪

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