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owarino sobade
owarino sobade
気付けなかったのは、見落としてたから。
精一杯な気持ちで、ただ信じてたから。
あまり会えなくても、好きだったから。
距離なんか少しも、無かったから。
忙しいあなたが、夜中にくれる電話。
起きてた?から始まる会話が、いつも嬉しかった。
頑張っていつも、起きてたの。
あなたの声が聞きたくて、携帯電話握ってた。
バイト終わりに、かけてみた。
ねえ、今日は月が綺麗だよ、なんて。
電話が切れないのは、
終わってしまうのが寂しかったから。
電話が切れないのは、
声だけでもずっと聞いてたかったから。
いつもあなただけが、私のしあわせで。
何でもないことが、たまらなくうれしくて。
ふたりの記念日が、少しずつ増えていって。
私の気持ちも、大きくなっていって。
もう自分じゃ止められなかったの。
もうどうやったって、止まれなかったの。
気付けなかったのは、信じてたから。
あなたも同じ気持ちだと、疑わなかったから。