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愛情と友情

隆は慎也のバイクの後ろに乗り、仕事帰りの道を走っている


慎也は隆の元気がないことを、ものすごく心配している。


慎也はバイクを運転しながら、ちょっと横を向き、大きな声で、隆に話しかけた。


「隆さ〜ん、大丈夫ですか〜!なんかあったんですか?」


「・・・」


「あっ、そういえば、ハルさんから電話来てませんか〜?」


「・・・」


「隆さんの電話番号教えましたけど〜掛かって来てません?」


「・・・」


「隆さ〜ん?」


「・・・」


隆は美貴のことで、頭が一杯で、何の話も耳に入らない状態だった、そればかりか、たまに思

い出し笑いをする始末・・


隆の頭の中・・・


真っ黒い髪の毛を後ろでまとめ、まっ白い肌で、目がぱっちりとして、きれいな鎖骨、店のエプロンをしていてもわかるぐらいの、胸のふくらみ、目があった時の照れ笑い、めちゃくちゃ可愛い、どことなく、丁寧な言葉使いで俺のことを、怖がらずに話しかけて来てくれる、こんな子初めてだ、

ヤバイ、メチャクチャ好きだ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!


慎也の家・・・


「おい、どうしたんだ?このだらしない顔は」


ハルが隆を指差しながら、慎也に聞いた


「もう、仕事が終わってからこの調子で・・何しゃべりかけても、応答なしなんです」


ハルは隆に歩み寄って、耳元でささやいた


「隆、俺、実は、お前の妹とやっちまった」


隆は正気になった


隆はハルの襟首を掴み


「あ〜〜なに〜もう一回言ってみろ!!」


そう、隆は妹をすごく大切にしている、大の妹好きなのである


「嘘だよ、う・そ」


隆はハルを掴んでいた手を緩め、安心した顔つきで

「あ〜よかった、悪い冗談やめろよな〜」


隆は周りを見渡した


するとそこには、ハル、慎也、横井がいた、ハルと慎也はちょっと安心した顔をしていた、横井はなぜか緊張した面持ちだ


横井の事が気になった隆は


「おい、どうした」

横井に話しかける


するとハルが

「こいつ、うちのチームに入りたいんだと」


「お願いします、俺を毘沙門天に入れてください」毘沙門天=族の名前

横井は土下座しながら言った


すると、隆は


「うん、いいよ」


あっさりOKを出した


「え!」

ハルと慎也が声を揃えて言った


「おいおい、そんなに簡単に入れちまっていいのか?」

ハルが心配そうに言った


「ああ、こいつはもう俺たちの家族だ、大丈夫だ」

隆が笑顔で言った


「まぁ、お前が言うなら、間違いないか」

ハルが呆れながら言った


「やったー!!」

横井が飛んで喜んでいる


「まぁ、そんなことより、ハルがここに来るの珍しいな〜、何かあったのか?」

隆が不思議そうに言った


「ず〜〜〜〜〜〜〜っと、電話していたんだぞ、なんで出ない?」


隆はにやけながら

「仕事中は、電話に出れないから、ごめんなぁ〜、ローターにしてたローターに、」


慎也が笑いながら

「隆さん、それを言うなら、バイブでしょ」


「おお、そうそう、そうとも言うな!」

隆が自信満々に言った


「でも、そんな機能よく使えましたねぇ〜」

慎也が聞いた


隆はもっとにやけて

「美貴さんが、「仕事中は電話したり、メールしたり、したらダメなんですよ、心配なんでバイブにしてください!」って言ってバイブにしてくれた」


その場にいる全員がびっくりして


「おまえ、さっきから、もしかして?」

ハルがビックリしながら言った


「えっ、美貴って、誰ですか?」

慎也がビックリしながら言った


「隆さんの新しい彼女すか〜」

横井は普通に言った


急に隆は真面目な顔になり

「俺は、初めて、女に恋をした!」


ハルが動揺しながら

「お前、愛とかどうすんだ?」


すると、慎也が暗い表情で

「隆さん、今日全員切ったんですよ」


横井が横から

「え〜もったいない!」


慎也が怒りながら

「横井!てめぇは黙ってろ!」


ハルが落ち着いた表情で

「おい、慎也、どうした?」


「すいません、ちょっと出てきます」

と慎也は部屋から出て行った


「俺なんか、マズイ事言いました?」

横井がとぼけた顔をしながら言った


すると隆は申し訳なさそうな顔で口を開いた

「あいつ、愛のことを好きなんだ、」


「やっぱり!そうなんだ〜」

横井が言った


「お前は、ちょっと黙っててくれ、」

隆は低いトーンで横井に言った


ハルは隆の方に向き直おり、真剣な顔で言った

「なんだかよくわからんが、慎也の気持もわかるな・・・多分複雑だと思うよ、いつもの慎也なら、一番最初に手を叩いて喜ぶはずだし、だけど愛のことを考えれば素直に喜ぶ事もできなかったんだろ、」


「俺、慎也さん、探してきます」

横井が、急に立ち上がり、部屋から出て行った


「まぁ、良かったじゃねえか、やっとだけど、そんなに愛せる女ができて、俺は普通に嬉しいよ、でも、一番嬉しいのは慎也だと思うよ。」


ハルが言った


隆がうつむきながら、うなずいた


そのころ慎也は、近所の公園のブランコに揺られながら、煙草を吸っている


慎也の頭の中・・・


あ〜あ、隆さん怒らせちゃったかな?愛さん、今頃泣いているのかな?でも隆さんのあんな顔初めて見た、本当に嬉しそうだったなぁ〜、くそ!帰りずらいなぁ〜あそこ俺の家なんだけどなぁ〜


慎也はブランコの揺れを止め、膝に肘を付き、手のひらに顔を乗せ、まだ考えている、そこに


「あっ、こんな所にいた」


横井だ


「なんだ、お前か」


横井は慎也のそばに行き


「すいませんね、俺で!」

横井がふくれながら言った


すると慎也が

「さっきはすまなかったな、怒鳴ったりして」


「いえ、・・・俺も慎也さんに謝りたい事があるんです

横井が突然膝をつきながら言った


「俺、隆さんに、慎也さんが愛さんの家に居たこと、言いました!、慎也さんが俺の事信用し

て、言ってくれたにもかかわらず、本当に申し訳なかったです!!」


慎也が何一つ表情を変えずに遠くを見ながら口を開いた

「知ってたよ、隆さんが急に、「女を切る!」って言った時に気づいたよ」


横井の目に涙が浮かんできた


「じゃ、なんで俺を責めなかったんですか?俺は約束を破ったんですよ!慎也さんより隆さんを選んだんですよ、知ってて何で・・・・・・」


横井は泣きじゃくって、最後の方は何を言っているかわからなかった


慎也はやさしい表情で


「俺は、お前を信じてるし、お前の事が大好きだから、それにね、おまえに負けないくらい隆さんのこと好きだから、俺より隆さんを取っても悔しくないんだよ、それにもう済んだことだし」


横井は自分の顔を、手で拭い、真面目な顔になり


「すいませんでした!俺、隆さんと、慎也さんにず〜〜〜と、ついて行きます、これからも一杯よろしくお願いします」


慎也は笑みを浮かべながら

「ああ、よろしく」


「じゃ、そろそろ、かえりましょ!」

横井が言った


「隆さんに会いづらいなぁ」

慎也がうつむきながら言った


横井が両手を、一杯に広げて言った

「慎也さんは、隆さんの事、こ〜〜〜〜〜〜んなに好きなんだから!自分に正直になって!」


慎也が少し笑いながら

「ああ、わかったよ!」


「じゃ行きましょ!」


慎也と横井は帰り道に向かった


5分後・・・


ガチャ!慎也の部屋が空いた


慎也が帰ってきた


すると隆はすぐさま立ち上がり、真面目な顔で、慎也に頭を下げた

「悪かった!ごめん!お前の事を考えず浮かれ上がっちまって」


すると慎也は、あわてて隆のそばに行き


「やめてくださいよ、隆さん何も悪くないですよ、俺が勝手に気分悪くして、出て行ってしまって、悪いのは、俺の方ですから、もっと隆さんの事わかっていれば・・・隆さんの、あんな嬉しそうな顔、俺初めて見ました、本当に俺も嬉しかったです、ただ・・・」


慎也は覚悟決め


「俺、みんなの前で正直に言います、愛さんの事が大好きです、俺本気で狙います!隆さん、もう俺に気を使うのやめてください、余計辛いです、俺は俺の魅力で愛さんを落とします!」


ハルが安心した顔で


「な!隆、言ったろ、慎也はこういう男だ、お前が変な気を使って、愛と別れたりしたって、

全然慎也のためにはならないんだよ、わかった!?」


「ああ、わかった、ありがとう」

隆は言った


「じゃ、今から、隆さんの初恋パーティーしましょうよ!」

横井がおどけって言った


「お!いいねぇ!じゃ横井、酒買ってこいよ」

ハルが言った


「わかりました〜!」

横井が言った


「じゃ、俺ケーキ買ってきますよ!」

慎也が言った


「ケーキはいらんだろ!っていうか、こんな時間に売ってないだろ」

隆が笑みを浮かべながら言った


「隆さんの為ならケーキの一つや二つ、まかして下さい!」

慎也がガッツポーズをとりながら言った


「ははは、わかったよ、何でもいいから、はしゃごうか!?」

隆が笑いながら言った


「俺、お前のそういう所、好きだぜ、慎也」

ハルも笑いながら言った


「よっしゃー、パーとやりましょ、パーっと

横井も笑いながら言った


隆の初恋パーティーは、夜明けまで続いた


その日の隆は安心と同時に、嬉しくてしょうがなかった


仲間の大切さ、人を愛する喜び、


生きている幸せを初めて感じる夜だった。













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