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〇〇しないと出れない部屋(会話オンリー)

作者: 冬空
掲載日:2026/08/05

「………これって、あれだよな。いわゆる男女がベットの上で※※※(チョメチョメ)しないといけない、ってやつだよな」

 

「だいたいはそうだな。お誂え向きにベットがあるし」

 

「いやまぁ、それは良いんだよ。女の子とムフフなことをするのは願ったり叶ったりだ。だけどさ―――俺たち男だぞ?」

 

「だな」

 

「ホモをしろと?」

 

「向こうの狙いがそれならな」

 

「お前、相変わらず達観してるなぁ。命の危機だぞ。男としての」

 

「―――もしくは、どちらかが女になれば良いだろう。部屋のど真ん中にデカデカと書かれた『TS薬』なんて飲み物があるし」

 

「おまっ?! 俺があえて気づかないフリしてたのに言うなよ!!」


「男とヤるのが嫌だって言うからな」


「なにヤレヤレと首を振ってんだよ! ふつう嫌だろ!! 同性とヤるなんてさあ!!」

 

「好きなヤツもいる」

 

「それを特殊性癖って言うんだよ!!」

 

「互いに愛があれば無問題だ」

 

「なにそれっぽいこと言ってんだよ! いや、否定しないけどさ! 俺たちの間にそんな性的な愛はないだろ!?」

 

「えっ、ないのか?」

 

「えっ、あるの?」

 

「いや、ないが」

 

「じゃあ言うなよ!! 余計ややこしくなるだろ!!」

 

「そう熱くなるな。ちょっとしたジョークだ。それより、喉渇いていないか? 飲み物あるぞ」

 

「お、おぅ……調子狂うな、急に優しくしてくるなんて。でも、まっ、貰う」

 

「とっても美味しいやつだ。グビッと飲むのをオススメするぞ」

 

「へぇ、そうなのか。でも、よく誘拐されたのに持ってこれたよな」

 

「部屋にあったからな」

 

「ん゙ぐ!?」


「どうだ、薬のお味とやらは?」

 

「ゲホっゲホっ。お、おばぇええええ!! やりやがったな!!」

 

「なんのことだか」

 

「くそっ! 俺の信用を裏切りやがって!! 親友だと信じてたのに!!」

 

「まっ、冗談だが」

 

「…………はい?」

 

「ほら、これが本当の『TS薬』だ」

 

「じゃあ、俺がいま飲んだのは……」


「ポケットに入ってたやつだな」

 

「はっ――――ははははははははははははははは!! その顔面殴らせろ!!」

 

「というか、飲まれたら困っていたところだ」

 

「くそっ! 簡単に受け止めやが――――今なんて?」

 

「飲まれていたら困っていた」

 

「えっと、それはどういった意味で?」

 

「むろん、性的な意味に決まってる」

 

「じゃあ、さっき言ってた性的に好きとかって、もしかして本当だったりする?」

 

「ああ、嫌そうな顔をされてとっさに冗談だということにしたんだ」

 

「てことはナニ、同性愛者だったってこと?」

 

「? 私は異性愛者だ」

 

「???」

 

「………あぁ、そういえば言ってなかったな。私は女性だ」

 

『「ゑ(え)?」』

 

「今だから言うが、出会った頃から好きだ。私と結婚しよう」

 

「ちょチャ! いつぁあああああァああ嗚呼ああゝ嗚あ!」

 

「おっちょこちょいだな。そんなに慌てる必要もないだろ」

 

「は、は、はあああああ!? 慌てるだろ! 同性と思ってた相手が女性で、惚れてるとか、どう受け止めろって言うんだよ!?」

 

「ふむ。では、これは先に言っておこう。私は着痩せするタイプだ。さらにはサラシまで巻いている」


「ゴクリ」

 

「170と高身長ではあるが、安産型だ」

 

「な、んだと……!」

 

「さあ、選べ―――飲むか、ヤるか」

猛獣の檻に閉じこめられた小動物の図。

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