〇〇しないと出れない部屋(会話オンリー)
「………これって、あれだよな。いわゆる男女がベットの上で※※※しないといけない、ってやつだよな」
「だいたいはそうだな。お誂え向きにベットがあるし」
「いやまぁ、それは良いんだよ。女の子とムフフなことをするのは願ったり叶ったりだ。だけどさ―――俺たち男だぞ?」
「だな」
「ホモをしろと?」
「向こうの狙いがそれならな」
「お前、相変わらず達観してるなぁ。命の危機だぞ。男としての」
「―――もしくは、どちらかが女になれば良いだろう。部屋のど真ん中にデカデカと書かれた『TS薬』なんて飲み物があるし」
「おまっ?! 俺があえて気づかないフリしてたのに言うなよ!!」
「男とヤるのが嫌だって言うからな」
「なにヤレヤレと首を振ってんだよ! ふつう嫌だろ!! 同性とヤるなんてさあ!!」
「好きなヤツもいる」
「それを特殊性癖って言うんだよ!!」
「互いに愛があれば無問題だ」
「なにそれっぽいこと言ってんだよ! いや、否定しないけどさ! 俺たちの間にそんな性的な愛はないだろ!?」
「えっ、ないのか?」
「えっ、あるの?」
「いや、ないが」
「じゃあ言うなよ!! 余計ややこしくなるだろ!!」
「そう熱くなるな。ちょっとしたジョークだ。それより、喉渇いていないか? 飲み物あるぞ」
「お、おぅ……調子狂うな、急に優しくしてくるなんて。でも、まっ、貰う」
「とっても美味しいやつだ。グビッと飲むのをオススメするぞ」
「へぇ、そうなのか。でも、よく誘拐されたのに持ってこれたよな」
「部屋にあったからな」
「ん゙ぐ!?」
「どうだ、薬のお味とやらは?」
「ゲホっゲホっ。お、おばぇええええ!! やりやがったな!!」
「なんのことだか」
「くそっ! 俺の信用を裏切りやがって!! 親友だと信じてたのに!!」
「まっ、冗談だが」
「…………はい?」
「ほら、これが本当の『TS薬』だ」
「じゃあ、俺がいま飲んだのは……」
「ポケットに入ってたやつだな」
「はっ――――ははははははははははははははは!! その顔面殴らせろ!!」
「というか、飲まれたら困っていたところだ」
「くそっ! 簡単に受け止めやが――――今なんて?」
「飲まれていたら困っていた」
「えっと、それはどういった意味で?」
「むろん、性的な意味に決まってる」
「じゃあ、さっき言ってた性的に好きとかって、もしかして本当だったりする?」
「ああ、嫌そうな顔をされてとっさに冗談だということにしたんだ」
「てことはナニ、同性愛者だったってこと?」
「? 私は異性愛者だ」
「???」
「………あぁ、そういえば言ってなかったな。私は女性だ」
『「ゑ?」』
「今だから言うが、出会った頃から好きだ。私と結婚しよう」
「ちょチャ! いつぁあああああァああ嗚呼ああゝ嗚あ!」
「おっちょこちょいだな。そんなに慌てる必要もないだろ」
「は、は、はあああああ!? 慌てるだろ! 同性と思ってた相手が女性で、惚れてるとか、どう受け止めろって言うんだよ!?」
「ふむ。では、これは先に言っておこう。私は着痩せするタイプだ。さらにはサラシまで巻いている」
「ゴクリ」
「170と高身長ではあるが、安産型だ」
「な、んだと……!」
「さあ、選べ―――飲むか、ヤるか」
猛獣の檻に閉じこめられた小動物の図。




