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第15話

「次は1番です!……次は15番!」


 会場の令息令嬢たちが夢中で数字を読み上げ、次々とカードに書かれた数字を消していく。

 そして、ついに――


「ビンゴ! 数字が揃いました!」


 一人の令息が歓声を上げて前に出てきた。


「おめでとうございます。」晶子は微笑んで彼に向き直る。

「一番のあなたには記念として、お好きな景品をお選びください。」


 彼はわくわくと景品を眺め、最後に一本の高級ワインを選んだ。


「これにします」


「なぜそれを?」


 晶子が問いかけると、令息は少し照れ臭そうに微笑んだ。


「慕っている人にプレゼントを……」


 その言葉に、会場は温かい拍手に包まれる。


「素敵なお話をありがとうございます」


 晶子は優雅に微笑んで、彼を壇上から見送った。


「では皆さま、続いてまいります……次は4番です」


 ビンゴの言葉が響くたび、景品が人々の手に渡り、笑顔が広がっていく。

 最初は「捨てられた令嬢ティエナ」を見に来た者たちも、今ではまるで子供のようにはしゃいでゲームを楽しんでいる。


「私は欲しかった茶葉が手に入ったわ」

「俺は香水が当たった。どんな香りだろう?」

「このバラ砂糖、素敵。これが当たって良かった」


 口々に手に入った品々を見せ合い、会場は一層活気づいていく。


「では、最後の方、どうぞ」


 最後まで数字が揃わなかった令嬢が、少し照れくさそうに前に出てきた。

 会場の他の令嬢たちがクスクスと笑うが、晶子は一切気にせず、彼女を壇上に引き寄せた。


「最後までお付き合いをありがとう! そんなあなたには特別なものを」


 それは、貴重な真珠のネックレスだった。令嬢が驚いてティエナを見つめる。


「残り物には幸運(ふく)があるって言うでしょ?」

 晶子は軽くウインクをして、笑顔を浮かべた。


「え、あ、ありがとうございます……ティエナ様」


 笑いものにされると思っていた令嬢は、その言葉にほっと息をつき、緊張がほぐれたように控えめな笑顔を浮かべた。


「どうぞ、素敵な笑顔で」晶子は優しく微笑み、令嬢を見送る。


 彼女は皆に羨ましがられる中、喜んで壇上を降り、会場はさらに賑やかになった。


 晶子は優雅にお辞儀をし、広間を見渡しながら声を上げた。


「ビンゴゲーム、いかがでしたか? 楽しんでいただけたなら、何よりです」


 その言葉に、自然と拍手が沸き起こる。

 歓声と拍手が心地よく響き渡り、晶子はその瞬間を静かに、そして誇らしげに受け止めていた。




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