第4話 株やFXで儲けられない人の特徴
1 感情をコントロールできない人は儲けられない。
困った事態になるとすぐに慌てたり立ち往生してしまう人、すぐにいい気になる人、感情の起伏が激しい人、自分の思い通りにいかないと我慢できない人、すぐに怒鳴ったりする人、人をバカにする人、などは儲けられない可能性が高いと思います。
年収何十億円を上げていたトレーダーが首になるのは何故か
今は株やFXのプロの世界ではAIが膨大な売買注文を出しています。
囲碁も将棋もAIはトッププロ並みの成績を上げるようになっていますが。あれは株と比べればしょせんは趣味の世界です。
1年間で何兆円何千兆円を動かす投資のプロの世界は趣味ではありません。開発費用と開発に集まってくる人間のレベルと数は、囲碁や将棋のソフトとは正に桁違いです。
投資のプロの世界では人間のトレーダーの影は日増しに小さくなっています。何年も前からリストラの嵐が吹き荒れているのがプロのトレーダーの世界です。年収何十億円を上げていたトレーダーがAIに負けて次々とリストラされています。
それは何故でしょうか。
AIがビッグデーターを取り込んで、優れたアルゴリズムによって相場の先を読んでいる。などという事はもちろんありますが。
もう一つ大きいのはAIは「儲けて良い気になったり、損して慌てたり落ち込んだりしない。リスクを過大に見て躊躇したり、過少に見て突っ込んだりしない。欲をかかない、恐怖に固まったりしない。」などという利点があるからだと思います。
人間でこれが出来れば、それだけで株投資偏差値はかなり高いと言えます。
株やFXをやっていると必ず次のようなことを経験します。
今まで300万円の含み益があったので安心してチャートを見ていたら、あれよあれよという間に値が下がり含み益が消えた。しかもさらにどんどん値下がりしている。どうしたんだと原因を調べている間に含み損が100万円になり、原因や材料がわからず、どうしようかと思っている間にさらにどんどん値下がりして損失が300万円になってしまった。
さすがにまずいと思っていると今度は急に上がりだし、損失が100万円にまで縮小し値動きが落ち着いた。急落場面はこれで落ち着いたかと思っているとまた下がりだし、また損失が300万円に、そしてそこで止まらずに1分間に10万~50万円というペースで下落、ついに損失が500万円になってしまい、それでもさらに値下がり続けている。
さて、アナタならこんな時に冷静に対処できるでしょうか。AIなら冷静に対処できます。なにせAIには恐怖や怖れといった感情がありません。でも、人間はそうはいきません。急な下落に怯えやってはいけないことをしてしまいます。だからプロのトレーダーは駆逐されているのです。
ここで冷静に対処し、少額の損失で、あるいは大幅な利益を出して取引を終えられるか、慌てて決済をして大幅な損失を出して取引を終えることになるのか、その結果で株投資偏差値が判断できます。株は上がって儲け、下げても儲けるものです。ですので、こんな場面でこそ儲けるものなのですが、実際にはこの株を買っていた多くの人はここで損失を出して取引を終えることになります。もちろん私にもこんな場面で大きな損失を出した経験があります。
さて、ここで大幅な損失を出した人の次の行動は大まかにいえば2つあります。「株は怖いからもうやめよう」あるいは「敗戦の原因を分析し、きちんと気持ちを立て直し、勉強し直してから再挑戦しよう」と思う人と、「次の取引でこの損失は取り戻してやる」と思う人です。
「なろう」では「ざまあ」が流行っていますが「次の取引でこの損失は取り戻してやる」というのはめざせ「ざまあ」で、「なろう」的には胸躍る所ですが、株やFXで「ざまあ」や復讐を考える人は、さらに損失を膨らませることになります。
この人は冷静に対処できなかったから損をしたのです。そんな人が取り戻してやると思って取引をしてもそこには冷静さは影も形もないので、さらに最悪の判断をすることになり、買ってはいけないところで買いを入れ、売ってはいけないところで売りを入れ、結局はすっからかんになって株の世界から退場することになります。
自分の思い通りにならないのが投資の世界でもごく普通、当たり前の事です。
ですので、感情をコントロールすることこそ投資に一番必要なことです。
私はこの点の偏差値が低いと自覚したため、あらかじめそのことを織り込んだ投資戦略をとりました。その為この年はFXを含めても2億円しか儲けられませんでしたが、私がこの点の偏差値が高かったら10億円以上は儲けられたと思います。
以前に、東大卒のキャリア官僚で、証券会社などを含む民間企業などに天下った人が、株では儲けられなかったという話をしましたが、この人はすぐにキレたり他人を馬鹿にしたりするという、感情のコントロールができない人でした。人の能力や才能の種類は何百万とあります。受験偏差値などはそのうちの一つにすぎないのに、あたかも自分は「上級国民」であるかのように錯覚し他人を見下すような人はもちろん、一般的に感情のコントロールができない人は、たとえ受験偏差値が高くても株で儲けることは難しいでしょう。
2 リスクに鈍感な人は儲けられない
交差点を通るときに左右確認をしない人いますよね。右や左から自動車や自転車・人が来るかもしれないのに、それとぶつかるというリスク全くを考えていないのか、交差点を通るときに左右確認をしない。ぶつかりそうになって初めてブレーキを掛けたり慌てている人を見かけます。
投資はリスクをどうとるかというゲームです。交差点を通るときに左右確認をしないなど、日常的にリスクに鈍感な生活を送っている人が、投資をする時だけはリスクをきちんと把握するなどということができるはずはありません。交差点を通るときに左右確認をしないような人は株で儲けることは難しいでしょう。もちろん「石橋をたたいても渡らない」など、リスクを過大評価することもいけません。リスクとリターンを正しく評価できる人が投資偏差値が高い人と言えます。
3 計算ができない人は儲けられない
ガン保険等に入っている人いますよね。そうした人には、例えば、50年分の保険料支払額と、その間に普通の人はどのくらい病気になって、50年間にどのくらい保険が返ってくるのかを計算したことがあるかを聞いてみたくなります。
自動車保険なら、人を死亡させたときなどでは、個人ではとても賠償できないので、万一に備えて加入することは当たり前だと思いますが。それに比べてガン保険や医療保険で保障される金額は桁が2つ以上少ないので、貯金でまかなった方がはるかに安上りです。
それはわかっているが、中々貯金ができないんだよ、という人がいますが、前にも言いましたがお金に関する人の才能・タイプには、お金を貯める才能がある人とお金を使う才能がある人の2つがあり、その才能を2つとも持っている人は少ないと思います。「中々貯金できない人」とは「お金を使う才能がある人」ですので、お金を貯める才能はないと思います。
生命保険に入っている人や銀行の外貨預金をやっている人なども同じです。そうした人は株などで儲ける才能は低いと思います。生命保険は「保証が有利な新商品」とやらに定期的に乗り換えさせること(高い解約手数料を取ること)で利益を出すという邪道な商品です。外貨預金は金利よりも高い両替手数料を取ってそれで銀行が儲けるという邪道な商品です。そうした仕組みを分からない、計算できない人は株では儲けられないと思います。
4 宝くじを大量に買う人、競馬・パチンコなどのギャンブルをする人は儲けられない
これをやる人は、ガン保険と同じで計算ができない人です。これらは胴元のピンハネ率が高くて、とても儲けられるものではありません。こうしたギャンブルをやってしまう人、ギャンブル依存症の人は皆「お金を使う才能がある人」と言えます。
ギャンブルにハマルのは依存症ですが、ほかにもタバコや酒などを止められない人も立派な依存症です。そうしたどう考えても不利なこと、体に悪いことなどをあえてやるというのはアホ過ぎて私などには理解できません。また、これらの依存症になりやすい人は、脳の構造そのものが依存症になりやすいタイプだそうで、しかもそうした人は長期的な計算・思考の偏差値は一般の人よりも低いそうです。そうした人がどうしても株をやりたいなら、中長期の投資ではなくデイトレードやスキャルピングなどの短期・超短期の投資の方が向いていると思います。ただし儲けられるかは分かりませんが。
株やFXもはっきり言ってギャンブルですが、現在では「取引手数料」というピンハネの率が低く、やりようによっては儲けられる可能性が高いギャンブルです。特に株は趨勢としては上昇していますので、買いで入れば特に利益を得やすいギャンブルだと思います。「お金を貯める才能がある人」にとってはほとんど唯一儲けられるギャンブルであると思います。仮想通貨などもとても面白いと思いますが、10年単位で見て趨勢として上昇し続けるかというと誕生して間もない物なので、まだ分からないですよね。
5 欲が強い人、自分の利益にこだわる人は儲けられない
株やFXは利益と損失のバランスの世界です。自分だけ儲けたいなどという人が棲息できるほど甘い世界ではありません。
欲とは執着です。お金以外でも何かに執着する人、恋人を独占したい人あるいは「ストーカー」や「収集家」「コンプリート中」なども同様です。先ほど欲とは執着であるといいましたが、愛もまた執着であり、欲です。子供を愛するとは自分の遺伝子を持つものいわば自分のコピーを幸せにしたい豊かにしたいという欲であり、反対側から見れば子供への愛です。そのように愛情が「異常に」強い人イコール執着の強い人イコール欲の深い人はあまり儲けられないでしょう。
金銭欲などの強い欲求は「この先株がどう動くかを知りたい」という知識欲に変換すれば欲が弱まると思います。株に投資しないと決めてしまえば株の動きは読みやすくなります。それは「株で儲けたい」「株で損をしたくない」という欲がなくなるためです。碁や将棋なども対戦している人よりも観戦している人の方が戦況がわかる、先が読めるというのと同じことです。「勝ちたい」「負けたくない」という欲がなくなれば局面を冷静に見ることができるようになるのです。
結婚したら働かずに専業主婦として楽な生活をしたいと考える女性も似たようなものかなと感じます。専業主婦は大変だなどと嘘を言う人がいますが、そんなウソを共稼ぎをしている女性に言えるかアナタはと言いたい。共稼ぎをしている女性は専業主婦がやっていることをやりながら、その他に通勤時間等を入れれば10時間もの労働をこなしているのです。その追加で10時間の労働をこなしている女性と比べて専業主婦は大変なんですか。専業主婦になりたい人は、その追加の10時間の労働をサボって楽をしたいのであって、余裕のある子育てをしたい等々の言い訳は本当にみっともない。はっきりと、男に働かせて自分は楽をしたい、と言いなさいと言いたい。
6 人任せ、他人のふんどしで相撲を取ろうとする人は儲けられない
人にやってもらうのが好き、自分で調べようとせずに、なんでも簡単に教えてもらおうとする人 「年利8%保障の投資」などのありもしない話に乗ってしまう人 投資指南業者のセミナーに行って儲かる株の銘柄を教えてもらおうと入会してしまう人 こうした正しい判断ができない人は儲けられないと思います。こうした人は先ほどの「5」でも書きましたが、自分は楽をしたい、自分だけ得をしたいというように「欲が突っ張らかっていている」のです。自分の強欲に正直すぎる人は自分を制御できません。状況に応じた正しい判断ができないので、儲けられないと思います。
投資指南業者の「私は100連勝した」などのホラ話を信じる人ははっきり言ってアホですが、投資指南業者の投資の指示を逆手にとって儲けるために入会するのは、邪道ですが戦略としては間違ってはいないとは思います。もちろん私はやりませんでしたが。
7 頑固一徹、こだわりが強い人、仕事上での新しいアイデア、新しいやり方に忌避感を持ってしまうタイプの人、前例・慣習が大好きな人は儲けられない
投資の世界は「朝令暮改」「朝令朝改」こそが正しいのです。「欲」のところでも書きましたが、ここに例示したような客観的にはどうでもいいことにこだわる人、自分の考えに固執する人、新しいことを受け入れられない人は儲けられないと思います。相場は常に動いています。そしてほとんどの場合、自分の想定した動きとは違った動きをします。投資は「朝令暮改」の連続です。想定外の動きにもあわてず騒がず冷静に判断して「朝令暮改」をし続ける。それが投資です。
いかがだったでしょうか。もしもあなたが「儲けられない8割の側」の人だったらお金を失う可能性が高いので投資はあまりお勧めできません。でも、あなたがそちら側ではないようでしたら株などをやってみるのもいいかもしれません。
次話は投資に関する閑話集になります
「オシドリ夫婦は浮気夫婦 巣に卵が3つあれば2つは他のオスの卵、哀れなオスは他のオスの雛のために餌を運ぶ」というエッセイも書いています。
良かったらお読みください。