表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

さまざまな短編集

基本と、気をつけること

作者: にゃのです☆

 ここ最近、インフルが流行っている。友達もインフルになって熱が下がらずに三日間は寝て休んでいたけどしんどかったらしい。

 私はまだ今年、かかっていないから気をつけないといけない。まぁ、予防接種していても発症はすると考えて手洗いうがいはしっかりとしよう。

 

「じゃあ、お先に失礼します」


 そんなことを考えながら職場を退室する。すれ違う同僚や他のスタッフにお疲れさまでしたと声をかけながら足早に帰る。

 今日も外は雪がちらつくくらいに寒い。

 歩道はしっとりと濡れてはいるが、傘をさしている人もほとんどいないので、私も折り畳みの傘はカバンに入れたまま駅に向かって歩いた。

 ちょうど、帰宅時間ということもあり駅に向かう人も多く、電車もほぼ満員というのは想像に難くない。時間をずらして帰るということも考えたが、昨夜、録画していた深夜アニメを早く見たいから多少、込んでいても電車は逃すわけにはいかない。


「ちょうどいい時間だな」


 スマホで時刻表を見て駅のホームで待つ。海外番組では日本の鉄道は時間ぴったりだからと放映されたりしている。本当にピッタリなのかを見てみたいとの好奇心もあり今日だけ時刻表と時計を交互に見て待っている。

 駅のホームは私以外にも大勢が待っている。

 ここまでにもすれ違う時も人が多く肩や手がぶつかったりしている。帰ったら絶対に手洗いだな。そう思いながらも、さっき後ろにある喫煙所で一服してきた。

 電車は時刻表通りに来て乗客が一斉に乗り込んでいく。

 人の流れに押される形で私も乗り込んだ。

 ギュウギュウに詰め込まれた車内。つり革につかまるのも精一杯だ。


「ゴホッゴホ!」


 私の隣にいる男性は咳き込み手で塞いではいるもののあんまりいい気はしなかった。かと言って、何か言うことも私には根性とか勇気とかはない。

 そんな車内から解放されたのは二〇分ぐらい揺られた後。

 家に帰りつき、先に手を洗いに洗面台へ。泡タイプの石けんを使ってそれぞれの指、指の間と丁寧に洗い。最後にイソジンでうがいをする。

 ここまですれば完璧だろう。

 あとは夜食と共にビールを机に並べて録画しておいたアニメを一気見する。

 この日に寝たのは深夜の二時過ぎだった。


 翌朝、頭の痛さと体のだるさ、極めつけは節々の痛み。

 これは、完全にやらかした……。

 手洗いうがいは完璧だった。では何がいけなかったのだろう?


 そう考えてる間にも景色がゆがみ、うまく動けない。熱を測ると三九度もあった。

 会社に休みの連絡と病院に行くことに。


 検査の結果は疑いようもなくインフルだった。


 なにが、いけなかったんだ……。

 布団で熱にうなされながら自問自答の一日が始まった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ