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サポートキャラに悪役令嬢の魅了は効かない(その後の小話集)  作者: 宇和マチカ
狙われた希少スキル

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31.慶事のオンパレードって事かしら

お読み頂き有難う御座います。

ブライトニアがやってきましたね。

「ねえ、ブライトニア……そもそもどうして知っているの?まさかまた……先触れ無しに王城に入り込んだの?」


 ……基本、ブライトニアはアポ無し訪問だからなあ。……悪役令嬢だからしょうがないのかしら。それにしても他国の皇太子なのにフットワークが軽いったら無いな……。


「レルミッドに用事が有ったから来てやってよ。シアン、元気なようね」

「むえまあー」


 え、ブライトニアがレルミッド様に!?め、珍しいな。……魔術習いに行ったとかかしら。何気に師弟関係……とは違うでしょうけれど、そういう感じの交流関係よね……。出来ればフォーナ関係で訪ねて行ったとか……なら良かったけど無さそうだなあ。そしてどの道アポ無しなのね……。


「そ、そうなの……。何かあったの?」

「あたくしとオルガニックの輝かしい歴史の為なら仕方なくてよ」

「そ、そう。歴史って……末長く暮らしたいみたいな意味?……それで、フォーナは?」

「駄姉?さあ、レルミッドは普通だったからしぶとく生きてるんじゃなくて?あんなのどうでも良くてよ」


 あ、相変わらず酷いな……。でも、レルミッド様が普通ならフォーナは無事ってことよね。近々お邪魔しよう。その方が良いわね……。話も進まないし。


「……ま、まあ元気なら良いわ。それで、ルディ様はレルミッド様の元……徴呪章院だったかしら。そちらへご報告にいらしたの?」

「そうよ。全く、レルミッドに本を探させていたから邪魔だったわ」

「……そ、そう。レルミッド様は真摯にブライトニアの用事にお付き合い頂いていたのね……」


 あの方も口はお悪いけど、本当にマトモで良い方よね……。アポ無し訪問に嫌がられながらもちゃんとお相手してくださってるお姿が思い浮かぶな。……ブライトニアの無茶振りでブチギレてらっしゃらないと良いんだけど。


「それでついでだから聞いてやったの。ミーリヤに子供が出来た話を。レルミッドが叫んでいて喧しかったわ」

「……叫ばれ……そりゃ驚かれたでしょうしね……」

「もあー」


 ……いいなあ、滅茶苦茶その場に居たかったなあ。どうも私って、そういうイベントをモブらしく外すわよね……。いや呼ばれてもいない場にノコノコ出ていくのもおかしいのだけれど。それにシアンディーヌ連れで王城行くのもおかしいわよね。


「ルディも耳を押さえていてよ。アイツらつるんでいる割に面倒な関係ね」

「いや、仕方ないじゃないの。とっても驚かれたのよ。それで、ミーリヤ様のご様子はどうなのかしら」

「さあ。イルカに判断させたとかどうとか言ってたわね。何でもあたくしの真似をさせたらしいわ」

「……ブライトニアの真似を?ああ、超音波振動……成程。コレッデモンにはイルカの獣人さんがおられるのね」


 ……流石、情報がお早いし実現させる所が凄いな。そして獣人さんの層が厚そう。凄いなあ、コレッデモン。


「まあ、本当はあたくしに頼まれたけど断ったの。面倒だし」

「そ、そうなのね……。やり方とか……お教えしたの?偉いわねブライトニア」

「そうよ、あたくしは偉大だから偉業を譲ってやったの」


 ……この感じでは教えてないな……って気もするけれど……。ま、まあそのイルカ獣人の方がミーリヤ様の診察に成功してる訳だし……い、良いのかしら。


「それで、話が長くなりそうだからアロンに知らせに来てやったの。有り難く思いなさい」

「そ、そう。有り難う」

「んにゃもー」


 それは有り難いけれど……。あ、シアンディーヌが仰け反って膝から落ちそう。ヤバイヤバイ。


「ルディ様の御子様……お、王子様になられるの?それとも王女様?王子様の御子様ってどういう立ち位置なのかしらね。

 ご、ご結婚の話は未だよね?」


 流石にその辺は……義兄さまは教えてくれなさそうね……。うう、出たいなあ。呼ばれないかしら。


「この前会った時はミーリヤが息巻いていたわね。

 それにしても、あたくしの前に結婚出産だなんて生意気ね」

「ね、年功序列的な順序……は古いかしら。

 そもそも恋愛結婚は……お互いの気持ちが重なって結ばれるものだと思うのよ。だから、誰かと先を競うものでは無いでしょう?」

「ディマが言うには、先に子供が出来たのは世間的に良くないらしくてよ」

「うっ、まあ……そうだけれど」


 て言うか陛下もブライトニアを宥めてくださっていたのね……。……も、申し訳無いわ……。国政を担う尊き身の上な上、ご自身がジーア様とのご関係に大変なのに……。


「王子のルディが良いなら皇太子のあたくしも先に子供を作るべきではなくて?」


 あー!やっぱり!やはり、そう来たわよね!?うん、そんな気はしてたけど、聞きたくなかった!!

 うっ、そんな純粋な美しい目で見ないで欲しいわ!!本当に綺麗な紫の瞳ね!!どうしよう!!


「……オルガニックさんとご相談した方が良い、と思うのだけれど。ブライトニアはどうして子供が欲しいの?」

「仔ウサギはオルガニックとの愛の結晶でしょう?あたくし、オルガニックとの仔ウサギが欲しいわ」

「わ、私も親になって短いけれど、愛の結晶ってだけじゃ我慢しきれないこともあると思うわよ」


 シアンディーヌには基本振り回されっぱなしだものね……。うーむ、仔ウサギ……しかもブライトニアの仔ウサギ……。滅茶苦茶元気そうよね。結構我が儘めなブライトニアの仔ウサギちゃんのお世話……は乳母さんとかがするのかしら?しない?でも子供なら関わるわよね。耐えられるのかしら。

 私なんて、今でもシアンディーヌを追いかけるの大変なのに蝶々になって飛んだりしたら……どうやったら良いのかしら。話が通じる歳で飛んでくれたら良いけれど。

 そもそも蛹状態はどうなるのかしら、とかさあ。……考えてもしょうがないのだけれど。


 それに……うーむ、仔ウサギちゃんが産まれたとしたら……オルガニックさんが振り回されて産後にグロッキーになる未来が見えそう……。いや!オルガニックさんは産まないんだけど!!逆に考えてどうするの!でも何故かしっくり来てしまう!!すみません!!だってブライトニアがマリッジでもマタニティーでもブルーになる未来が全く予想出来ないんだもの!!


「つまり、もう少しオルガニックとふたりだけの時間を楽しめってこと?」

「そ、そうね。その選択肢も有りよね」


 と言うかもうその方向に突っ走って貰えないかしら。オルガニックさんの憂いが無くなりそうな歳まで……。……何時って言われたら難しいでしょうけれど。せめて、ロリータノータッチから脱却する歳……位迄、かしら?


「まあ、授からない未来も有るものね」

「其処まで考えてるのね……」

「あたくし、本を読んでるもの!」


 威張る様子まで可愛いわね……。でも、常識的な事もちゃんと考えているのなら、感心だわ。


「まあ、未だ授からない仔ウサギちゃんの話も良いのだけれど、ルディ様とミーリヤ様の御子様にお祝いをしなきゃ……。結婚式も」


 どう頑張ってもその辺でお会い出来ない王子様にアポ取りってどうするのかなあ。そもそも、ご招待無しで王城に上がるってどうすりゃ良いのかしらね。ミーリヤ様にお手紙を書いた方が早いかなあ。


「ルディは式とか面倒だし、書類だけで良いんじゃないかって言っていてよ。レルミッドも同意してたわね」

「さ、流石に王族おふたりがそれは駄目なんじゃ……」


 そんな、もうロージアはいないと言うのに攻略対象が地味婚だなんてあんまりよ。夢が無さすぎるわ。と言うか私、もっと結婚式の背景とかガヤで参加したいのに!!


「ティムも挙げて無いから丁度良いって言ってたわね」

「……いや、ええ……?だ、だからって……」


 そういやティム様も地味婚だったな……。じ、事情が有ったとは言え……。ご結婚が派手だったのは、陛下だけよね。

 ……う、もしかして私下手したら……派手婚しそうな王族の方々よりも派手婚してるんじゃないかしら……。しかも二回も!!義兄さまのせいで!!

 ってそうじゃないわ!


「き、きっと華やかなお式にされるわよね」

「地味なのはミーリヤが喧しそう。ああ、レルミッドは書類だけにするんじゃなくて?駄姉にお似合いね」

「そ、そんな……それは、おふたりの問題、だけど……私、レルミッド様に愛されるフォーナの幸せな姿を見たいわ」

「駄姉は大体無駄にヘラヘラしていてよ。目障りだわ」

「いや目障りとか酷いわよ!!何時も笑顔で可愛らしいのは良いことじゃないの!!」

「そんなに結婚式に出たいなら、アロンの為にあたくしとオルガニックの結婚式を沢山執り行う事にしてやってよ」


 何 で や!!

 沢山!?結婚式を沢山やるってどういうことよ!?悪役令嬢の考え方って、似てないようで似るの!?

 その後……窘めるのが本当に、大変だったわ……。


 それにしても、ルディ様が地味婚狙い……レルミッド様もか。

 ……あのロージアとのゲームエンディングスチルを思い出すのも癪だけど、確かに御本人の意思じゃあ無さそうだったものね。特にルディ様。


 しかし、キラッキラな皆の憧れる王子様が地味婚ご希望……。

 コレッデモンで豪華に行われる可能性が有るから、ミーリヤ様にお手紙を差し上げよう。

 うーん、読んでくださるかしら。……でも、酷い悪阻で苦しんでらっしゃらないかしら。先ずは、マデル様の方が良いかしらね。


 とまあ、私知らなかったのよね。

 マデル様が、正式にバルトロイズ様とご結婚されるご予定を打ち明けて頂いたのを皮切り……いえ、前?

 レトナ様にお子様……どうやら仔犬ちゃんを授かられ、ルーニア様もご結婚を決められたとか。そして、ユディト王女様もご結婚間近。

 ……コレッデモンの四騎士様がたに……そして、ユディト王女様に、春と子宝が次々授かって居るだなんて。

 ……こ、こういう時のお祝いって何を差し上げたら良いのかしらと慌てふためいてたら、何とマデル様がいらしてくださった!!勿論先触れと丁寧なお手紙くださって!!

うう、淑女の鑑だわ。


重なる時は重なるみたいですね。

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登場人物紹介
矢鱈多くなって来たので、確認にどうぞ。
― 新着の感想 ―
[一言] オルガニックさんとの仔ウサギは二人の愛の結晶と言うより、フロプシーの本能と欲望の結晶の様な気がします。 しかも4〜5匹産み落として、子育てはオルガニックさんに丸投げの状況が目に浮かびます。 …
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