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サポートキャラに悪役令嬢の魅了は効かない(その後の小話集)  作者: 宇和マチカ
狙われた希少スキル

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30.何時も通りと急展開

お読み頂き有り難う御座います。

何時も通り家に居るアローディエンヌでお送り致します。

 アレから家に帰って……ドートリッシュがルーロ君に滅茶苦茶怒られていたのよね。

 後、何故か家に案山子が置いてある事が分かってしまった。

 何故案山子……。

 ……もしかして、庭のどっかで家庭菜園でもしてたのかしら。そう言えばハーブのプランターとか植木鉢っぽいのは有った気がする。

 しかし、どんなに思い出しても案山子は見たことがない……。

 自分の家なのに本当に何が有るか未だに把握出来ないわね。

 ……いやもう探すのも徒労でしょうし、案山子だから害もないだろうし良いけどさ。

 自宅の筈なのにこのミステリーハウスは何なのかしらね。流石悪役令嬢の家よね。今更だけど謎が多すぎる。長年住んでる筈なのに把握しきれないわ。


 それよりも他に考えるべき事が有るし。

 陛下のご結婚は……思ってもみない結果になってしまったけど……。オマケに誘拐まで起きてしまうし。

 ルディ様とミーリヤ様のご結婚の見届けは本当に良かったなあ。サポートキャラやってて良かった!全くヒロインのお陰で、サポートキャラしてる期間が腹立つ思い出ばかりだったものね!!


 あ、ヒロイン……と言えば、フォーナは結局どうなってしまったのかしら。元に戻れたの!?あああ、アルヴィエ侯爵家にお手紙を……いやお忙しいからそれ所じゃ無かったり……。

 でも、きっと元に戻ってルディ様の結婚式にレルミッド様と出席しなきゃ!

 何時になるのかしら……。出来れば私も呼んでくださらないかなあ……。


「ご結婚……」

「アローディエンヌう?また僕と結婚したいのお?大歓迎だよお!」

「したいのではなく、ご招待くださるか不安で……!?って、何ですのよ義兄さま!!」


 急に滅茶苦茶綺麗な顔を寄せてこないで!!慣れてる筈なのに挙動不審になるじゃないの!!

 て言うかまた結婚って何なのよ!?

 もう結婚式は御免だから!!……いかんいかん。落ち着かなきゃ。


「結婚式はもう人生二回分位しましたから結構ですわ」


 そもそも性別を変えて結婚式するなんて、何処の世界でも非常識よ!!多分!

 ……あああああ思い出すだけでも恥ずかしい居たたまれない……。……ソーレミタイナでの、素敵なドレスを着せて貰えて、素敵な義兄さまとの一度で良かったのに!そりゃあ、義姉さまとの結婚式も素敵だったけど……!!


「えー?後二十回位出来そうな気がしなあい?色々調べてみたら楽しそうなの一杯有るよお?水中とか、崖の上から飛び降りるのとか」

「しません!!って、はあ!?水中は兎も角、崖!?心中ですか!?」

「ううん、風魔術利用して飛び降りるの。て言うか心中するのに崖はないでしょお」


 普通は崖から飛び降りたら死ぬでしょうが!!……いやまあ、夢と魔法とファンタジーな世界だから飛び降りても死ななさそうな人が……目の前に居るわね。


「誤解もしますわよ!大体過激すぎやしません!?

 て言うか私も義兄さまも、風魔術使えませんでしょう!」


 そこの前提からして間違ってるわよ!!そういう問題でも無い気もするわ!


「えー?そおだなー。

 似たような感じでえ、火で爆発起こしてその衝撃で飛んでえ、それから移動魔術かなあ」

「はあ!?ば、爆発!?」


 結婚式に何でそんな爆発する必要があんのよ!?特撮映画じゃ無いんだから!!

 しかも似たような感じって、何を参考にしてるのよ!?何処の誰がそんな変なことを義兄さまに吹き込んだの!?


「危ないから普通に止めてください!!」

「ええー?じゃあ水の上を歩くとか」

「水の上を歩くう!?」


 急に忍者みたいな話になってきたけど、そんなの出来るの!?


「……あ、興味有るうアローディエンヌ?」

「結婚式はやりませんが、どうやってそんな……」


 まさか、足の裏からジェット水流でも出す魔法……いや魔術でも有るのかしら。

 急に近未来……いや、ファンタジーね。全く出来る気がしない。

 そういやサジュ様、ソーレミタイナに行った時、水流……水の弾を放つ銃撃ってたものね……。凄いデッカイのを使いこなしておられたもの。

 でも、水の上を歩いてるのは見たこと無い……。見てない所でやって……いや、フツーにあの後海で船に乗っておられたわよね。歩けるなら乗られないわよね。

 凄い水属性の使い手とかなら……出来るのかしら。


「水の上って歩けるんですか?」

「普通は無理だから、領地の適当な川に硝子の橋を掛けようと思ってえ」

「無駄遣いは止めてください!橋なら流通の為になる普通に頑丈なのを掛けてください!!」


 結婚式の為に硝子の橋!?滅茶苦茶くだらないし邪魔!!


「大体割れたらどうしますのよ!私多分泳げませんし!!」

「んもお!僕がアローディエンヌを溺れさせる訳無いじゃなあい!領地で結婚式やってないでしょお!?」

「大体の人は私達の結婚を知ってるでしょうが!!言いたか有りませんけど、新聞に載りましたし!!」


 見たくもないのに図書室にその日の新聞が額に入れて飾られてんのよ!!滅茶苦茶場違いよ!!


「アローディエンヌと結婚したことを何時でも祝われたいのにい」

「結婚からシアンディーヌが産まれて迄、散々祝われ通しなので居たたまれませんわ」

「ええー?やだあ」

「やだあじゃありません!!大体、私はルディ様とミーリヤ様の結婚式にご招待されないかなあって思っただけです!!」

「え……ショーンの……?」


 途端に嫌そうな顔全開ね……。


「アローディエンヌが優しくて可愛い所は大好きだけど、何であんなのを祝いたいの?善行ならもう積まなくていいよ」

「いや意味が分からない。個人的にもお世話になってますし、我が国の王子殿下をお祝いしたい公的な気持ちも勿論有りますし」


 いや勿論ね、ミーハーな気持ちも有るけどね。きっとオルガニックさんなら分かってくださるわ。

 あのお二方だと、滅茶苦茶お美しいでしょうしねえ。

 きっと素敵な……お式でしょうねえ。妄想するだけで何かこう……幸せな気分になれるわ。ええ、此れがリアルな公式よ!


「どうせショーンがくだらないこと言って花咲か令嬢を激怒させてその場で破談になるんじゃないの。それなら見たいなあ」

「何て事おっしゃいますのよ!大体私達の時も祝って頂いたのに!!」

「適当にその場の賑やかし程度じゃなあい」

「義兄さま!」

「まあ、ショーンの事だから滅茶苦茶地味にやるかもね。アイツ、目立つの嫌とかくっだらない世迷い言言ってるし」

「そ、そうでしたわね……」


 そう言えばそうだったわ。ルディ様はひっそりとお暮らしになりたいんだものね。レルミッド様も。


「まあ、あんなのでも居ないとこっちに継承権回ってくるしね……。鳥番もサッサと適当に跡継ぎ作って王位を継ぎゃいいのに。陛下もシアンディーヌ連れてこいって未だ煩いし」

「無茶苦茶仰らないでくださいな義兄さま。

 大体フォーナは未だ婚約者で……そうですわ、フォーナ」

「ああ、泡だらけになってるって聞いたあ」

「はあ?泡だらけ?何かの比喩ですか?」

「ううん、ティミーの仕業」


 ……それ、全然安心できない方の仕業……。

 泡だらけ……何の、泡なの。それ、普通に洗い落とせるタイプの泡なの!?


「……フォーナは無事なんですわよね?」

「生きてはいるよ。鳥番が煩いから死なせはしないだろうねえ。ショーンも黙っちゃいないだろうし」

「……会えるようになったら、お見舞いに行きますわ」

「ええー?放っときなよお」

「ええーじゃありません!もう!」


 碌でもない事になってなきゃいいけれど!

 気を揉んでても、結局向こうでバタバタしていたらしく……手紙のみのやりとりになってしまったの。

 それに……スティフ国のテロの余波で、王城に本格的なテコ入れが入ったらしいのよね。

 で、家から出られなくて……。ま、まあ出る必要も無かったけどね。私、何も出来ないしなあ。

 相変わらずモソモソなのに激しく動くシアンディーヌを追いかけて、半月ほど経ったかしら。流石にお腹の大きくなりつつあるドートリッシュに子守りをさせる訳にはいかないし。来てはくれるんだけと、動きたいらしくて……ルーロ君に怒られているからなあ。


 ……私は……例によって例の如く……特に何も出来ていないの。

『易しい魔術、基礎編5』迄を読んだくらいね……。何て言うか、実になった気はしないわ……。

 取り敢えず出血したら魔力が一緒に流れ出る……ってのは解ったけれど、その程度ね……。

 ……まあ、桶の水をグルグル回す程度の魔力が多少流れ出た所で何にもならんでしょうけど。


「もう直ぐ夏ね、シアンディーヌ……」

「もあーん」


 シアンディーヌの大きさは……大きくなったわね。でも、芋虫の姿は打ち止めかしら。最近子供の姿の方が大きく……いや、似たような大きさになってきたわね。何時まで芋虫なのかしら。


「情報が統制されてる気がするのよ。ルディ様の結婚式はどうなったのかしら」

「むもも……」


 最近忙しいのか、ブライトニアも来ないしなあ。

 そういやアレからお会いしなかったけど、難題を押し付けられたオルガニックさんは……。そしてブライトニアにこき使われていそうなレギ様も……。き、気になる。


「もあん!もああん!」

「何シアンディーヌ。何処か行きたいの?」

「ちゅ……つが!」

「ツガ……ああ、番……。レギ様の事?」

「もあ!ちゃが……えい!」

「……何言ってんのか、サッパリね……」

『ももももんずう……ぴゃあっ!」


 そもそも芋虫なのに何故鳴くの?から分からない。

 獣人に詳しいコレッデモンにでも行ってみようかしら。ご教授願えないかなあ。


 そして、この直ぐ後。

 ボケッとしてる私の元にブライトニアが現れて、衝撃の事実を告げてくれるのよね……。

 何てこった、よ!!


「ミーリヤに子供が出来たらしくてよ、アロン。どんな柄なのかしら。それは気になってよ」

「な、何ですって!?」


 早……いの!?じゅ……順序……だ、大丈夫なの!?いや、今、ブライトニアは聞き逃せない事を言ったわね!?


「って、どんな柄って何よ!?」

「また芋虫が産まれるんじゃなくて?」

「もあ?」

「いや知らないけれど……。ああそうか、『孤独に煌めくダイヤの蝶々』……!!」


 そうよ。あの方も蝶々だわ!!お子様が、シアンディーヌのように蝶々である可能性がある!!


「そんなのがいるの?変な虫ね」

「……いや、変かしら」


 うん、まあ、厨二病チックなのは否めないけれど。……あんまり外で言わない方が良さそうね。

 ……と言う事は、キラキラな芋虫なのかしら。想像が出来ない……。

 一体どんなお子様がお産まれに……いや、うん……。まあ、芋虫とは限らないものね。うん。


「ご結婚式はどうなったのかしら」

「その内ミーリヤが呑気にしてるルディの首根っこを捕まえに現れるんじゃなくて?」


 ……う、うわあ。

 急展開が過ぎて……ど、どうなるのかしら。



この後産まれる『彼』も結構に結構な性格ですね。

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登場人物紹介
矢鱈多くなって来たので、確認にどうぞ。
― 新着の感想 ―
[一言] シアンちゃん、本当にレギくんと結ばれるのかな? 周りの番達を見てると、力押しで押し切っている連中ばっかりなので やっぱり添い遂げちゃうのかなと。 なんせ父上が父上ですし。 あのヤンデレ具合を…
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