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サポートキャラに悪役令嬢の魅了は効かない(その後の小話集)  作者: 宇和マチカ
狙われた希少スキル

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19.室内にどうやって運び込むの!?

お読み頂き有り難う御座います。誤字報告、ご評価、ブクマ、誠に有り難う御座います。

とうとうフォーナとの再会です。

 あの後……気まずいながらも、よ。

 小首を傾げられるルディ様にご事情をお話しして、ブライトニアを着替えさせて……地味にこれが慌てたわね。ブライトニアったら、服にお部屋まで貸して頂いたのに堂々としてるんだもの!!

 綺麗な濃い紫のワンピが黒髪でも似合うわね……。綺麗な紫の瞳と合ってるわ。この子、ホントにカラチェンしても美少女よねえ……。

 陛下の御前で欠伸さえなけりゃなあ。


「そうか、王妃殿下はジーア叔母上だったのか。通りでティムと顔が似ているとは思っていたぞ」


 ルディ様……全く動じられてないわ。納得のご表情ね……。元々怪しんでらっしゃったのかしら。頭の良い方のお考えは……分からないなあ。


「あの、それでですわね。その、ジーア様は今の状況を宜しく思っていらっしゃらないようで」

「だろうな。心底嫌だろう仕方有るまい」

「本人の目の前で言うか、ショーン……」


 う、うわ!陛下のご表情が!!目茶苦茶ドンドンお顔の色が……土気色レベルでお悪くなってしまったわよ!!


「まあ、僕が居ても仕方有るまいな。何の役にも立つまい。本人同士と周りの大人で何とかしてくれ」


 え、ええー?ド、ドライだわ……。何かちょっと、こう、先程のジーア様を彷彿と……いえ、まあ……ご血縁だから似てるんでしょうけれど……。


「それで、薄着の皇女。お前の姉が見つかったぞ」

「ああそう?棄て置いて構わなくてよ」

「何でよ!!あのルディ様、フォーナのお見舞いに伺っても?」

「まあ、構わんが……」

「あ、オレもお供します」


 ……た、確かにこの場に残られるのはお嫌よね、サジュ様も。し、しかし……この状況下で良いのかなあ。いや、残った所で私如きが何とも出来ないのだけれど!!


「確かに、友人に、姉君にお会いした方が良いですよね。新婚数日で離婚危機に瀕したオッサンは放っておいて行って来てください」

「デインーーーーー!!」

「おお、血圧上がったか?乱高下は体に良くないが、凹んでないで打つ手を考えるぞ」

「ふむ、陛下の血行が良くなって何よりだ。では行くぞ」

「へ、陛下……どうぞご自愛の程を……。御前失礼致しますわ……」

「ご、御前失礼致します」


 ……い、良いのかなあ。チェネレ団長様は目茶苦茶無表情ながらも手を振ってくださったけれど……。し、心配だわ……。

 しかもサジュ様と私しか挨拶してないし……。王族は自由よね……。


「ついさっき結婚したばかりなのにフラれるなんて、どんなに業が深いのかしら」

「ジーア叔母上に限らんが、王家は嫌われてるんだぞ。後、陛下自体には特に興味が無いからではないか?」


 しかも、コメントに困る会話は廊下でしないで欲しいんだけれど!!

 ビミョーな気分になったのは私とサジュ様だけみたいだし!!


「コレ、諌めるべきか?義妹殿」

「ご、ご夫婦の間柄は色々複雑ですものね……」

「アロンは馬鹿兄貴と別れたらあたくしが守ってやってもよくってよ」

「そ、そんな事にならないよう話し合いを怠らないようにするわね」

「いっその事、陛下の後妻に入るか?」

「ルディ様も、お戯れはおよし下さい!」


 何でウチの別れ話になるのよ!!一応上手く行ってる筈だってば!!ええ、多分!!


 ……そう言えば義兄さま、何処行ったのかしら。

 まさかレルミッド様とフォーナに付き添いを!?

 め、目茶苦茶あり得ないなあ。……茶々を入れて馬鹿にしてる!?……有りそうね。



「着いたぞ」


 け、結構歩いたわね……。続き部屋、みたいな所かしら。義兄さまの執務室へ行く……のも何か謎の瞬間移動させられるし、王城の土地勘が全く無いから何処なのかサッパリよ。


「はう、はう……本当に申し訳ありません。私が軽率な行動をしたから、皆さんに多大なご迷惑を……。オマケにこんな姿では、もうレルミッドさんに顔向け出来ません」

「ハァ?顔向け出来ねーって、さっきツラ付き合わせただろーが。運んだのも俺だぞ」

「そ、そういう問題じゃ有りませえええん!!その節は有り難う御座いますうううう!!」

「はあ、煩い」


 い、一体何が起こっているの……。この、扉の向こう側に、一体……。

 て言うか物凄くおふたりとも声大きくない?いいの?何か修羅場みたいだけれど……。あ、何か義兄さまの声も聞こえるわね。良かった。レルミッド様と争って無いみたい……。

 って、嫌だわ……。争ってないだけで何でこんなに安堵しなきゃならんのかしら。


「もう、もう……この身を以てお詫びするしか……。レルミッドさん、私、ソーレミタイナから貴方のお幸せを生涯祈ってますからあああ」

「アァン?だからどーやって帰んだよ。俺みたいに転移魔術使えるヤツに心当たりあんのか?」

「そ、其処は……ええと、ええとおおお!!あっ、お父さんにお願いします!!」

「だからどーやって連絡すんだよ!!お前は悪くねーんだからいい加減泣き止めウゼエ!」

「ウザくてすみませええええんんん!!」

「ああ、煩いなあ。くだらない。別れるなら勝手に別れろよ。さっさと砕石場へ持っていけ」


 あ、あああフォーナの泣き声が……!!

 って、何!?砕石場って!!どういう事!?


「駄姉の声が煩いわね」

「何て事言うのブライトニア!ルディ様……。あの、私、この場に居て宜しかったんでしょうか」

「つか、今更だけどオレもいーんすか?」

「まあ、あの場に居るよりはマシではないか?居たかったのなら戻るか?」

「いや、戻らなくていっすけど……。今でもまーまーゴチャってそーだし……」


 ……確かに意気消沈される陛下のお側に控えても……だけれも。と言うか安全が確保されたのに陛下のお部屋に居るのもご迷惑だしなあ。っと、いけない。ご許可を頂いた上に連れてきて頂いたんだから、今はフォーナの事よ。


 此処は……どうやら、陛下のお部屋よりも王城の中庭入り口付近に有るみたい、かしら。お庭が近いわ。色々グルグル回ってたようだから、もしかしたら違うのかもしれないけれど。

 どうやら此処に、フォーナが。固唾を飲んで……ノックしようとしたら、コンコンッて、後ろの方で音が鳴った。


「アレ?誰だ?」


 あら?このノックは、……私達の居る部屋側?

 サジュ様が怪訝な顔をされながらも、開けてくださったら……。あっ、流石騎士様。腰に有る剣から手は離されて無いわね。格好いいなあ……。


「は、はわわ……皆様お揃いで一体何が起こってるの……?」

「先を越されちゃいましたね、師匠」

「ほう、ニック?に、ティムか」


 え、何で……って呆気に取られていてら、横を凄い風が吹き去った……。じゃなくて、ああっ!!


「オルガニック!!ああ、歩けるようになったのね嬉しいわオルガニック!!」

「ぐわっほおうお!!」

「あっ、ブライトニア!!オルガニックさんに飛び付いちゃ駄目でしょ!!何してるの!!」

「あはは、相変わらず攻撃的な愛情ですね。フィオール・ブライトニア」


 いやそれよりも!!目茶苦茶吹っ飛ばれて無い!?オルガニックさん!!

 ああ、しかもブライトニアは縋り付いてフンフン頭を擦り付けてる!!何なの!?マーキング!?


「師匠、大丈夫ですか?」

「ブライトニア!何で突っ込むのよ!!」

「ふふん、怪我はさせて無くってよ」

「……狭いな。人数が多いんだぞ」

「風で勢い殺したのかー。でも腹に衝撃受けてねえ?大丈夫かニック」

「うぼえ……だ、ダイジョブ」


 て言うか、ティム様迄どうして此処に!?

 オルガニックさんの具合がお悪いのに引っ張ってらしたの!?何て方なの今更だけど!!


「あっ、アローディエンヌの声がするう!」


 バターン!と、音を立てて……閉ざされていた扉が開いて……ちょっと、開けて良かったの!?


 え、ええ?ええ!?


 え……何!?

 大きな岩……?いえ、……石柱……!?丁度、フォーナの身長位かしら。こう、日本庭園に有るような、でっかい石が……。岩?いえ、石と岩の違いはよく分からないけれど!!


 ……何で、室内に!?

 そもそも……フォーナは?何処なの?


「アロンさん……皆さあん!!」


 ……え?

 この私のように甲高くない可愛らしい声は……。え?石?石から……石からしてるの!?後ろに隠れてるとかじゃ無くて!?いや、石の後ろに隠れて喋るとか意味が分からないけれど!!


「い、石が喋った!?」

「フォーナの声するけどおおお!?」

「はわあ!!あ、アロンさん!ニック!?」

「……相変わらず意味が分からない生態してるわね、駄姉。弱すぎじゃなくて?」

「あっ、オールちゃんも!」

「ハァ?何でお前ら迄……!!」

「も、申し訳御座いません!!直ぐ閉めますわ!!」

「もおー、閉めても状況は変わらないよお。アローディエンヌったらあ。でも、夢見がちな君も可愛いよお?」

「いやそうですけれど!!何で其処でマトモな事を仰いますの義兄さま!!」


 挙動不審にもなるわよ!うう、恥ずかしい!

 でも、そのマトモさは他で発揮して欲しいわ!!しかも堂々と抱き付かないで!!あっ、何か……頬っぺたに押し付けられた服が目茶苦茶焦げ臭い!!朝はそうでもなかったのに、また何処かで破壊行動!?


「焦げ臭い!!また何処か燃やしましたの!?被害は!?弁償しますわよね!?」

「ええー?ボロっちい木屑と安価な紙屑を燃やしただけだよお」

「ふざけんなアレキちゃん!!」

「はわわ、そ、そっちって、何かボーンとか地鳴ってたアレ?……ひょわああああ」

「ああオルガニック、怯えているの!?あたくしから離れないで!」

「地鳴り!?義兄さま!!何をしましたの!?」

「地鳴り?ショーンじゃないのお?」

「人のせいにするな、アレキ」

「まあまあアローディエンヌにニック師匠。落ち着いてください。先ずはフォーナですよ」


 そ、そうなんだけど……。

 ドヤ顔でティム様に言われたかないわあ……。オルガニックさんとサジュ様も目茶苦茶顔に出てらっしゃるわね……。



160cm位で縦向けの、日本庭園に置かれている石をご想像頂けると幸いです。


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登場人物紹介
矢鱈多くなって来たので、確認にどうぞ。
― 新着の感想 ―
[一言] 更新ありがとうございます。 こんな所でフルメンバーが揃うとは、中々狭苦しそうです。 フロプシーが幸せそうでなによりです。すかさずマーキングしてますし。 フォーナさん、石ですか・・・。 まあ本…
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