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サポートキャラに悪役令嬢の魅了は効かない(その後の小話集)  作者: 宇和マチカ
悪役令嬢は旅行希望

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王子様達に囲まれちゃう!?(ニック視点)

お読み頂き有り難う御座います。

前回出てこなかったメンツがメインですね。

「僕がコレッデモンにいる間にそんなことになっているとは、腹立たしいんだぞ」


 はわわ、王子さまがご立腹ぅ!!

 キラキラの薄茶の瞳が怒りに満ちてキラキラで……ぴえん麗しいオーラ撒き散らかされてるよう! なのに、ガチ! 超! キョワイヨオオオー!!


「しかし、レルミッドの部下は暴走が多いな。曲者が揃ってしまったのか。そんなにレルミッドが魅力的なのか」

「はわわ……! そんな、禁断のロマンスが!?」

「ソンナキンダンノロマンスとは何だ」


 はうっ、ロマンスもダメなの!? 判定厳しくね!? 浪漫はイケた気がするのに!!

 でも、浪漫とロマンスは違うから……! ちょいニュアンス違うから! はううん! 日本語難すぃいい!


「ええと、レルミッドさんに良からぬ思いを抱いちゃった部下さんが居るのかとおー」

「あのレルミッドが、遅れを取ると思うか?」


 そ、そりゃレルミッドさんに物理的な意味で勝てる人限られてやんすけどぉ……。

 失礼ながら、あんな線の細い見た目なのにね……。滅茶苦茶性格男の子だよ。話してるの聞いてると、中身サジュ君と変わらんよね……。

見かけによらんでやんすの代表格。ゲームの敬語キャラの彼はなんじゃラホイ。イミフ。でも、今のレルミッドさんな方がボクは好きだなー。


 ……じゃなくてだねぇ! はうん! ルディ様の瞳とご機嫌がひんやり下降中!?


「レルミッドさんが無茶苦茶お強いのは、知ってますけど……ふ、不意打ちとか有りますし? 体調不良な時に、とかあ……御座いますよね?」

「ふむ……まあそうだな。不届き者はしゃらくさい小細工を弄してくるものだ。ニック」

「ハヒョォン!?」


 こ、コワイコワイコワイ! おコワイ! そんな爽やかな煌めく笑顔で何か閃いたな?的口調止めて欲しいで候!


「変な道具を作っていたな。電撃で無力にさせるような物は無いのか?」

「スタンガンはちょっと……お取り扱い無いです……」

「すたんがんとは何だ」

「ええと……それは、武器ですかね……」


 武器と言うか、アレは防犯……いや武器かな。

 下手すりゃ死んじゃう過剰防衛系グッズは……カテゴライズ、ムズくない?

 そもそも此処に電気は無いでやんすよ。雷系の魔術使える人居たらワンチャン有るかもだけど。あんのかにゃ?

 いや、有っても作りたくないです!! 考えるだけでブルブルビリビリ!! 怖!


「ふむ、武器か。腕輪とか装身具が良いんだぞ」

「それ、すれ違った人にぶつかって……シビビビになりそうでしゅよ………」


 出力に拘ったらきっと丸焦げ? とはとても言えないでやんす。殺戮の未来は御免被るでよう!


「仕方有るまい。道は譲り合って歩くものだぞ」

「ヒエエ全うな御意見なのに、めっちゃ理不尽でゴワス……」


 ボク、ニック! アラサー独身オタク生活を満喫してたら、悪役令嬢に強襲されて新婚になってお城に住む羽目になったオタク!

 只今! アポ無し訪問でお出でになった超キラキラ系イケメン王子様と、急遽ティータイム開催中!

 キャッフーッ!


 いやあ、我がプロフィールながら……血迷いたくなるよ。ガチイミフ過ぎだね。

 特に悪役令嬢とお城がさあ……。

 お城に住む願望は全くナッシングでやんしたよ。そもそもバッドエンドで……アレ、今ボクバッドエンド爆走中? ぴえーっ!! やだー!


「アレキが旅行に行くらしいな。二度と帰ってこないよう結界を強めたいぞ」

「ヒエエ……お、お気をお鎮めくだちい……」


 結界とは……ドゥッカーノ王国最強の盾! 自国民以外の出入りを阻んじゃう超強力結界!!

 そんなのゲームに有ったァ!?

 ゲーム知識殆ど持ってるし、さいつよ! とイキッていたボクはエラヤッチャな目にお遭いしたヤツ!


 そう、何を隠そう、他国民だったボクは、見事スーパー結界阻まれてギャン泣きした過去持ち! 思い出すだけで涙が出ちゃう!

 イキりたいもん、惰弱なんだモン!


「しかし、アレキを叩きのめせる絶好の機会なんだぞ」

「止めましょうよおおお!」

「今日は師匠、賑やかですね」


 ……いや、何で居るの。ナチュラルにどうしてこうして居んの。

 ティミーはピンで居ても嫌な予感しかしにゃーのに!

 シリーズ王子様お揃い踏みとか、碌でもないフラグビンビンじゃんよ! 拙者知ってる! この従兄弟! 仲悪そうに見えて! 滅茶苦茶見た目より拗れてるってよ!


「……なな何しに来たのティミー!?

 此処、コレッデモンだよ? ボクの健全な精神を痛め付ける前に、お家へ帰って!!」

「何をやらかした? 国外追放か?」

「あはは、酷いですね兄上様。僕も王子なので友好国へお使いに遣られたんですよ」

「……う、胡散臭ぁ……」

「事実人手不足ではあるからな。ティムは所詮、対外的には大した悪事も働いておらんし、仕方あるまい」


 そ、そんな馬鹿な……。

 懐が広々ワイド対応過ぎではルディ様ったら。ま、まさかお忘れ!? 他色々とご自分の奥方様ミニアさんが拐われた事実! ルディ様は他色々の方はあまり気にされそうに無いかにゃ!? そんなこと無いよね!? 無いよね!?


「……は、伯爵令嬢誘拐事件が大したこと無い悪事……ですか?

 あ、アロンたんも拐われてたし!! ティミーは悪ですよ!」

「人を指差しちゃ駄目ですよ、師匠。あはは、あの薄赤いクズ削除の件が効いたんでしょうね」

「お、おまゆう……」


 た、確かにピンクチンピラヒロインのロージアは……即ご退場願いたい地雷系ヒドインだったけどさあ。

 ……今ロージアは海の藻屑ルートなのか砂浜モードなのか……。この兄弟いや実は従兄弟コンビが手を下したんだろーなぁ。いや、アレッキオおにいたまが燃え落とした可能性も……。ヒエエエン!!


 いや、考えるの止そ! 何処でも誰でも下手につついてボクの轢死爆死干からび死ルートが拓かれては困るでやんす。拙者、マジで生き伸びたいで候!!


「しかし、ジーア叔母上はどうした? お前が王妃の傍を離れるとは思わなかったぞ」

「伯母上はシャロットに付かせています」

「あ、そだった。伯母さんの具合は平気なの?」


 ううーん、相関図がややこーい。

 ルディ様のおかーさまの異母妹で、ティミーのおかーさんの双子の姉なんだよね。ジーアさんって。

 あ、調停中だけど、ウォレム陛下のお妃でドゥッカーノ王妃か。


 ややっこーい……!! 高貴なるご家庭のご事情、とてもややこすぃー!!

 ……まー、悪ピンクの総本山、王女ローリラバーさんのせいなんだけどさ。でも、話に出すとピリつくからお口チャック! ひとつしかない命大事!


「記憶が曖昧で、直ぐに疲れてしまわれますね。娘の年齢を16と言ったり、6と取り乱したり」

「16……。本来の年齢は40過ぎだろうから妥当か。

 何故か見目は、僕らとそんなに歳が変わらんように見えるが」

「何処で僕の従姉妹である娘を産んだのかも、謎ですしね」

「ティムも、何処で産まれたか謎だろうと言われているぞ」

「まあそれはそれとして」


 言う気ナッシングの黒い微笑み、マジヤメロンだよ。

 何でこの子ラッコちゃんの獣人なのに、キバ剥く笑い方なの? 怖いよ。


「従姉妹の名前はミザアかミズハというらしいです」

「えっ、ミズハ!?」


 滅茶苦茶前世で聞いたこと有るお名前キター!?

 1の悪役令嬢、不破ミズハ!? この辺に無いお名前、間違いなさそう!?

 で、でででも待てよ……。他人の空似的なお名前……いや、偶然……?

 でも、1と2は現代だし、3と4はファンタジー。

 シリーズで繋がって……無いよね?

 ……繋がってたり、する?


 いやいやいや。

 め、女神像……位しか共通項無い……。いや、あんな濃い共通項無視出来ねーでやんす。無視するには……。

 で、でも。

 1の悪役令嬢のおかーさんがジーアさんとか、聞いてねっすよ!?ティミーとイトコ……いや、ルディ様とレルミッドさんもか! ええと、ティミーとは濃厚なイトコ……何やねん! な関係! 無視できない!?


「どうしたニック。不倶戴天の虫の名前なのか?」

「はへっ!?ムシ……」


 え、何!? あ、ボク口からブチクサ漏らしてた!?


「師匠、何時から虫がお嫌いでした? 半狂乱になるのはレギですよね?」


 思考にインしてボーッとしてたら、何ちゅー事を漏らすのこのラッコ王子様!


「ほう。そうなのか」

「ティミー、居ない人の弱点晒すのよくねーザマスよ……」


 ま、まあルディ様はレギの事とかアウトオブ眼中ぽいけどね。滅茶苦茶興味が無さそうで候。

 でもソーレミタイナ皇帝のトップシークレットでは無いのん? ええのん?


「嫌だなあ。『巨大芋虫姫(シアンディーヌ)に求愛されて半狂乱事件』は有名じゃないですか」


 巨大言うなよん……。うう、シアンたんと読ませる、変なルビ振ってる気がするよ……。


「ふむ。巨大芋虫に縋り付かれて、楽しく正気を保てる変人も早々いないだろうな。僕は平気だが」

「僕も見る分には別に平気ですね。そもそもアレッキオが、シアンディーヌを抱かせてくれないでしょうから」

「……た、確かに」


 そもそも悲しいかな。ボクはシアンたんに近寄らせて頂ける身分ではないよね。

 おにいたまに嫌われてるし……。

 そしてルディ様とティミーも嫌われている……。

 ……推しの娘たんなのにいいいい!自業自得ですか!? 生きてるだけで!?

 ……アウルたんはお姿すらチラ見したこともない。ぴえええん! 推し活厳すぃよお!


「それにしてもティム、お前も妻と仲の良い事だな。意外なんだぞ」

「はい? ご存知の通り、正しく政略結婚ですよ。

 よく言って、部下のような関係は築けていますが」

「お前が生涯の大半を掛けて、悪事に手を染めて、漸く探し出したジーア叔母上を任せて、他国へ来てか?」


 推し活出来なくて凹んでたら……ラブコメの波動だ。何時の間に!

 よーく考えればそ、それもそーだにゃ。仲いーよね。暴力沙汰も起こしてないみたいだし、何よりよく一緒に居る……のかな。話をよく聞くよね。

 ……。あれ? ティミーの手が赤い。プルプルしてる。


「あ、あんなのは手下ですよ?

 邪険にしては国交にヒビが入って、悪魔の四騎士に殺されますからね。信頼を与えているフリです」

「その割には白くない関係のようだが」

「……え、そなの?オトコノコだもんね」


 ……あ、顔が真っ赤だ。珍し! この子の赤面、ゲームでも幻なのに!! やるじゃーんニヨニヨ!


「師匠、政略結婚ですからね! 僕達は愛し合ってなどおりません。この僕が子を持つなんて、有り得ないんですよ! 期待させて申し訳ありませんが、兄上様のディヴィットが次の王最有力でしょうね!

 御愁傷様です!! 失礼します!」


 ……で、出て行ってもーた。何しに来たのどーやって来たの、ティミーったら。

 ツンデレ開花したの? ヤダ面白そう!


「やっと帰ったか。ニック、痺れる腕輪の実用には何時まで掛かる?」

「……畏れながら出来ません……。それよりもルディ様、お聞きしても?」

「ふむ? 許す」

「何であの、ティミーのプライベート……。いえ、夫婦生活をご存知なんですか?」


 やっぱ対外的には兄弟王子で(本来は従兄弟だけど)、政敵なもんだから、見張りとかさせてらっしゃるのかな………。きょっわーい!


「ふむ? 廊下にいる使用人の死者が喋っていたんだぞ。ちょっと崩れていたが」


 ……待って。物理的に怖い話じゃなくてモノホンホラー!?


「ふええええ!! レルミッドさんに防犯グッズはちょっと……お渡ししにくいですよ。装身具ってのがちょっと」

「王城は危険に満ちているんだぞ。仕方あるまい、ニック。どの呪いが良い?」

「レルミッドさんの御身を守る装身具、鋭意製作頑張らせて頂きますうううう!!」



王子様ふたりの伴侶はコレッデモンのご令嬢ですので、サラッと王宮に入ってこれております。

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登場人物紹介
矢鱈多くなって来たので、確認にどうぞ。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 死者の言う事を聞けるだけでしたっけ、王子様。 死者を操れれば最凶の王になれそうですが。 [一言] サポートキャラのニックさんにも誰かとくっつくエンドが有ったのでしょうか? かなり予想外…
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