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うるさい

作者: ふりの にき

「意味が分かると怖い話」風ですので、

謎を解き明かしてください。

普通に読めば、ただの日常ですけど。


※あとがきに解説があります。

あぁ……もう、最悪。

106号室の人、騒音って知らないのかな?



ずっちゃずっちゃずっちゃ



クラブで流れるようなリズムが、雑音となって私の部屋に流れてくる。

もう夜中の2時すぎだっていうのに。

マンションだから、多少わかるでしょ……。

もう、うるさいうるさいうるさい!


意を決して私は壁をノックしてみた。


ドンドン!


「……」

お、静かになった。

良かったぁ!これでよく眠れ



ずっちゃ……ずっちゃ



へ?

まだやるかー……しぶといなぁ。

もー、こーなったら直接クレームいれるか?


だけどその音は、少ししてから収まった。

そのすぐ後。


ピーンポーン


私の家のインターホンが鳴った。

謝りにきたのかな?

そーいえば隣に住んでる大学生の子、イケメンだったし……。

ちゃんと謝ったら、許してやるか!

「はーい」

扉を開けると、やっぱりそこにはイケメンがいた。

「どーしたの?」

平静を装った上で喋りかけたけど、まさに美青年だなぁ。

もう顔も整いすぎだし。

成人してるけど、お酒もタバコもしないし、ベジタリアンらしい。

そんな酔いしれている私にお構いなく、イケメンくんが

[「音……聞こえてましたか?」

彼は申し訳ないような、戸惑っているような表情を浮かべながら言いました。

なので、

「うん。もう夜中の2時すぎたよ?近所迷惑とかちゃんと考えてね?」と、

少しお説教をしました。

すると、

「すいません……うるさかったですよね…」

と言いながら、血の気が引いていく彼はすごく疲れているように見えました。

目の下のクマがより目立っていたし。


「まぁいいよ」

そう言った直後です。

こんなことになってしまったのは。]


横に並んで座っていた人がスっとお辞儀をする。

つられて、私も軽く会釈をした。



今ではもう聞こえない。

私の耳に、あの隣人の音は聞こえない。




静かだ。

ども、にきです(´∀`)

どうでした?謎は解けましたか?

あとがきを見ているということは解けたんですね

まぁ、ヒントも沢山ありましたし……(煽り)


解説に移ります。

主人公は騒音に悩まされています。

その音は

ずっちゃずっちゃ

と表記されていました。

単刀直入に言うと、これは肉を切る音です。

彼はベジタリアンなのに……。


また、隣人は随分と疲れている様子でした。

それに、「音を聞かれた」ということに対して、「血の気をひいている」んです。

察しの良い方ならもう分かっていると思いますが

彼が切っていた肉は

ー人肉です。

何があったとはわかりませんが、いざこざ等があったんでしょうね。

また、途中から[]があったことに気がついたでしょうか。

さらに、その中ではイケメンが「彼」とよばれ敬語になっています。

これは横に並んでる人物、警察官に向けた手記なのです。

なぜ手記なのか。

それは、最後の二文

今ではもう聞こえない

私の耳に、あの隣人の音はきこえない。

とあります。

その通り、主人公は耳が聞こえなくなりました。

おおかた、彼に神経を傷つけられ聞こえなくなったのでしょう。

[]の後に、「」による会話がないのはわざとです。だって聞こえないんですもの。


なので、主人公は今入院しており

部屋じゃないから隣人の音は聞こえない

耳が使えないから音は聞こえない

という意味なのです。


まぁ、殺されなかっただけマシじゃないですか?

先客だっていましたし♡


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