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プロローグ




 カンパネラはこれから運命の出逢いをするが、その出逢いが人生を幸福にしたかは彼女自身甚だ疑問だ。



 今にして思えば、彼との出逢いが人生のケチのつけ始めだった気がする。あるいは、あの男爵令嬢との出来事から人生が下り坂だったかもしれないが。




 カンパネラは妾の子で、現王の叔父、つまり大公とどこの馬の骨とも知れぬ女の間で生まれた。

 生まれてまもなく修道院に送られ、子供の頃を過ごす。その後、父に引き取られ宮廷で暮らしている。

 本来、彼女は社交界に通えないような身分だが、一令嬢として父のアウストリアン公爵の姓を名乗ることが出来るのは、彼女の努力の賜物だろう。

 彼女は庶子として、これから税金での悠々自適な暮らしが約束されていた。

 だが、カンパネラは自身の美貌である琥珀色の目に、新雪の様な綺麗な白髪、整った顔立ち、目つきが鋭いことは除く。それらと優れた頭脳を最大限に生かし、成り上がって社交界などの公の場に参加できるようになった。商人の男や貴族たちをパトロンとし、言葉巧みに彼らを操った。成り上がった彼女の噂には尾ひれがついた。それも耳が痛いものばかりだ。

 中でも一番目立った噂は彼女がある男爵令嬢を虐めているというものだ。

 カンパネラがある事件を宮廷で起こし、それを目にしていた者たちの話題は、最近そればかりだ。

 元々あまりよくなかった立場がその事件を気にさらに悪化してしまった。


 彼女の醜聞は、彼女を悪役と呼ぶのに相応しいものだった。







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