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私立白川大学付属高等学校生徒会・短編シリーズ

逆ハーレム生徒会の日常 3

作者: 楠木 翡翠

 10月31日はなんの日でしょう?


 みなさんご存知のハロウィーンですね。


 私達が通う私立白川大学付属高等学校では毎年ハロウィーンの前後に2日間学校祭を開催しています。


 学校祭まであと1週間。

 各クラスでは準備が少しずつ進んでいます。


 私達は生徒会役員は自分のクラスの準備と並行に生徒会のイベントの準備をしなければならないので、意外とハードです。



 *



 私は自分のクラスの準備を切り上げ、先生に怒られない範囲で廊下を走って生徒会室へ向かいます。

 なんか、いつもならばその近くは静かなのに対し、今日はいつもより声が聞こえてきますね。

 むしろ、騒がしいです……。


「今年の学校祭は運よくハロウィーンだぞ!」

「仮装だ! コスプレだ!」

「前夜祭は我が白川大学付属高等学校のヒーローとヒロインを決めるミスター・ミス白川決定戦!」

「そして、後夜祭は仮装パーティーだ!」

「女子のコスプレと仮装が楽しみだね!」

「女子のために頑張るぞ!」

「おう!」


 この声を聞いた時点でお分かりだと思いますが、私が通う高校の生徒会は私以外は全員男子生徒。

 よって、逆ハーレム生徒会なのです。

 うぅ……どうしよう。いつもより入りにくいよぉ……。



 *



 私は勇気を振り絞ってそこのドアノブを握り、ドアを開けました。

 そこにいたのは4人の男子生徒。


「おっ、鈴菜くん!」

「やぁ、鈴菜ちゃん! 入っておいでよ!」

「やぁ!」

「どうも!」

「いや、帰ります……。家ではなく、教室に……」

「お疲れ様です。あれ、鈴菜先輩?」

吉川(きっかわ)くん!? いつからいたんですか!?」

「さっきからですが……鈴菜先輩が入らないので、ずっと待ってたんですよ?」

「ほら、修クンも待たされてるんだし、鈴菜クンも入ってくれ」


 もう! 先輩役員はもちろん、後輩役員である吉川くんまで……。

 私は仕方なく、後ろにいる彼は普通に生徒会室に入りました。



 *



「今日は後夜祭のハロウィーンパーティーについて! 前夜祭はすでに決まってるからな」

「ハイ、会長」

「ん? どうした、修クン?」

「今、思ったんですが、なぜ、この高校は学校祭とハロウィーンは同じ日にやるんですか?」


 吉川くんがスッと手を上げ、会長に問いかけます。


「俺達が1年の頃から学校祭とハロウィーンは一緒で同じ日だったぞ。渡貫(わたぬき)先生が言うにはかつては11月中旬だったらしいが」

「まぁ、前は後夜祭がなかったって話があるからね」


 会長と書記の木沢先輩が彼の問いに答えました。


「なるほど……」

「私もはじめて聞きました」

「俺も……」

「そっか。そういえば1、2年生には言ってなかったもんね」


 吉川くんをはじめ、私や木崎くんのそのことを聞いて驚きました。

 まさか、先輩達の代から学校祭とハロウィーンが同じ日だっただなんて……。


「まぁ、話は逸れたからそろそろ本題に入らないか?」

「あと少しで学校も閉まっちゃうしな」


 会長と達也先輩が壁時計を見て言いました。

 あれからいろいろと話し合って、今年はダンスパーティーとゲーム大会に決まりました。



 *



「ところで、鈴菜ちゃんはなんの仮装をするの?」

「俺も知りたい!」

「僕も知りたいです」


 やっぱり言われると思いました。

 あわわわ……。まだ決まってませんし……。


「ほらほら、動揺してるよ。当日までの楽しみにすればじゃないか?」


 さすが、達也先輩です。

 常識人(?)って感じですね。


「じゃあ、当日までのお楽しみにするか!」

「そうだね」

「ハイ」

「ええ」

「そうですね」



 *


 なんとか前夜祭を終え、ついに、学校祭の本番2日目を迎えました。

 その日は地域の住民や進学予定の中学生などなど、たくさんの人々が集結する一般公開日です。

 その後、後夜祭のハロウィーンパーティーです。

 まぁ、すでに一般生徒達は仮装している生徒もいますが。


 もちろん、私もコスプレとして今はメイド服ですが、ハロウィーンパーティーの服も別に用意しているんですよ? ええ。



 *



 無事に一般公開を終え、後夜祭の準備に移ります。

 各教室には特殊メイクの美容師さんをあらかじめに予約したので、希望者はそちらでメイクアップしたり、本格的なコスプレをしたりして準備をしています。

 体育館には仮装を終えた生徒達が集っています。

 私は生徒会役員はどこにいるんだろうと思い周囲を見回していると、吉川くんが私の方に向かって手を振ってくれていました。


「お待たせしてすみませんでした!」

「あっ、鈴菜先輩。可愛いですね!」

「鈴菜ちゃんはミニスカ魔女だ!」

「す、鈴菜クン……」

「意外とクオリティ高い……」

「ヤバい、あとで一緒に撮っていいか?」


 木崎くんはヤバいっていくらなんでも大袈裟すぎますよ?

 男子のクオリティの高さに私は負けました……。

 彼らにとっては私のクオリティの低さが目に見えていると思いましたが、そうでもなかったみたいです。

 まぁ、もともと彼らはイケメンなので、ね。


「さて、始めるか!」

「ハイ!」


 私達、生徒会主催のハロウィーンパーティーの始まりです!

 会長と私はステージに立つと一斉にワッと声が上がりました。


「えー……生徒のみなさん、こんばんは!」

「2日間の学校祭、お疲れ様でした!」

「「これからの時間は遊んで、お菓子をもらって、踊り狂って楽しんでください!」」


 ただ広い体育館には様々な仮装をした生徒達や先生達、私達生徒会役員もゆったりとしたワルツを踊ります。


「では、鈴菜先輩」


 吉川くんが手を差し出してきました。

 吉川くん、近い! 近いですよ!

 周りを見ると、


「今年のミスターとミス白川が踊ってる……」

「確か、男子は1年生で、女子は2年生だよね?」

「美男美女だよね……」

「あんなかっこいい男子と可愛い女子が生徒会役員はもったいないよな」


と口々に言っていますが、私は気にせずに踊りました。

 何曲か踊って、ダンスパーティーは終わりました。



 *



 そして、ゲーム大会。

 単なるゲームではないですよ。

 ○×クイズをやって上位20名にはお菓子の詰め合わせセットがもらえるという生き残りゲームです。

 あと、ビンゴもありましたよ

 みなさん、楽しんでいるみたいでほっとしました。



 *



 準備にいろいろ時間がかかり大変でしたが、時には生徒達と関われる時間がこの機会を通して取れたので、とてもよかったと思うのです。

 これからも学校行事はもちろんのこと、普段の学校生活の中で生徒と関わっていきたいと感じられる学校祭のお話でした。

今回のハロウィーンパーティーの衣装データはこちら!



生徒会会長

3年生 高橋(たかはし) 雄大(ゆうだい)


執事。


生徒会副会長

3年生 小笠原(おがさわら) 達也(たつや)


海賊。


生徒会副会長

2年生 小笠原(おがさわら) 鈴菜(すずな)


ミニスカ魔女。


生徒会会計

2年生 木崎(きさき) 政則(まさのり)


フランケンシュタイン。


生徒会書記

3年生 木沢(きざわ) (さとし)


吸血鬼。


生徒会庶務

1年生 吉川(きっかわ) (しゅう)


怪盗。(右目、片眼鏡)



凄くアバウトですみません。


最後まで読んでいただきありがとうございました!


2015/10/31 本投稿

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