蜜柑の食べ方
「馬っ鹿じゃない? 何でそんなにちまちまと面倒臭いことをしているの」
コタツで蜜柑を食べていると、隣で見ていた彼女がそう言った。
彼女の言い分はよく分かる。だがしかし、あえて言おう!
「蜜柑の白い筋をとって何が悪いんだ! たとえ味に影響が殆ど無かろうと、気になるもんは気になるんだよ!
大体、どんな食べ方をするかなんて個人の自由だろ。放っておいてくれよ」
それでも彼女の呆れた目線は変わらない。そして、俺の剥いたまだ筋の残った蜜柑の房を一つ摘まんだ。
「だ・か・ら、馬っ鹿じゃないの?」
彼女はそう言って蜜柑の内皮を剥き、俺の前で見せるように中身を食べた。
馬っ鹿だ俺!