「拠点劇場」
今回は内容を変更して拠点フェイズとなります。
時期的には一刀達が反董卓連合から帰ってからの桃花村の様子になります。
拠点:愛紗 『一刀に捧げる料理』
それはある日のこと
もくもくっ
黒い煙が調理場の方から流れていた。
その原因は…
愛紗「よしっ!できたぞ! 」
愛紗が料理を作っていたからだ。
愛紗が作ったのは炒飯であり見た目は美味しそうなのだが
愛紗「では味見だ! 」
ぱくっ!
愛紗が炒飯を口に入れた瞬間
ボカンッ!! シュ〜ッ
愛紗の頭が爆発し、口から黒い煙が出ていた。
愛紗の料理は見た目は美味しそうなのだが味は最悪だった。
愛紗「くそっ!また失敗か!これで9回連続失敗ではないか! 」
何故愛紗がこんなに必死になっているのかというと
つい先日のこと
伽留「ほら一刀、料理できたよ 」
紫苑「一刀さん、お昼まだでしたらいかかですか? 」
桔梗「儂の料理を食うてみなされ 」
とまぁこんな風に最近一刀に料理をもってくる人が多いのであった。
それに対抗して愛紗も一刀に料理を持っていこうと考えたのだが
ガチャーンッ!
結果は最悪であった。
愛紗「(私だっておいしい料理を一刀殿に差し上げたいと言うのに何故うまくいかないんだ!) 」
ちなみに愛紗が大きく失敗してしまう原因は二つある。
一つは余計な手を加えてしまったり
二つ目は調理中に
一刀「愛紗、愛紗の料理はおいしいよ♪ 」
愛紗「一刀殿/// 」
と余計な妄想をしていて
ドババッ!!
自分でも知らないうちに調味料を多く入れすぎたことが原因である。
愛紗「くっ!そもそも私が料理なんて始めたのがそもそも間違いだったのだ! 」
バサッ!!
愛紗は前掛け(エプロン)を投げ捨てた!
そしてその前掛けは
バフッ!
一刀「うわっ!? 」
たまたま調理場にやって来た一刀に当たってしまった。
愛紗「か…一刀殿!? 」
一刀「やあ愛紗、調理場から愛紗の声が聞こえてきたから何をしているのかと思ってね 」
そして一刀が辺りを見ると
一刀「おっ!炒飯作ってたのか、どれどれ… 」
ぱくっ!
愛紗「あっ!? 」
一刀は近くに置いてあった炒飯を食べる。
愛紗「(どうせまた頭が爆発するんでしょう) 」
作った愛紗ですらもそう思っていると
一刀「おいしい! 」
愛紗「ほら、おいしいと…えっ!? 」
愛紗は一瞬自分の耳を疑ってしまった。
愛紗「あ…あのぅ一刀殿、慰めなら結構ですから正直に答えてください 」
愛紗は一刀が優しいからわざと気を使っているんだろうと思って聞いてみると
一刀「お世辞なんかじゃないよ!ホントにおいしいんだよ! 」
確かに今の一刀の表情はお世辞なんかでできるような顔ではなかった。
愛紗「(そうか、私の料理は完成していたのか!) 」
ぱくっ!
そう思って愛紗は一刀が食べていた炒飯を一口食べてみると
ボカンッ!! シュ〜ッ…
愛紗の頭が爆発し、煙が出てきた!
愛紗「(やはりマズイではないか!?) 」
バタリッ!
一刀「愛紗!? 」
自分の料理を食べて倒れる愛紗
何故こうなったのかというと
料理にとって大事なものが愛情という言葉があるように一刀のことを思いながら作った愛紗の炒飯は一刀への愛情がたっぷり入り込み、一刀にとっては美味しく感じ、他の人には不味く感じるのであった。
その後
一刀「お腹空いたな。愛紗、何か作ってくれ! 」
愛紗「はいっ!わかりました! 」
何はともあれ一刀がおいしいと言ったのは事実なので喜ぶ愛紗であった。
そして愛紗の料理の味を知っている鈴々は
鈴々「(愛紗の料理を食べたがるなんてお兄ちゃんの舌がおかしくなっているのだ!?) 」
と感じていた。
拠点:朱里 『離れても家族』
ある日のこと
朱里「・・・ 」
朱里は手紙を読んでいた。
この手紙は朱里の姉妹達から時々送られてくるもので前は水鏡塾に届けられていたが現在は桃花村に届けられている。
朱里「『それでは風邪をひかないよう気を付けてください 姉より』『お姉ちゃんしっかりね! 妹より』二人とも元気で何よりですね 」
スッ! ガラッ!
そして朱里は手紙を机の引き出しに仕舞うと
朱里「それじゃあ私も返事を書かなくては 」
スラッ!
そしていざ返事を書こうと筆をとる朱里だが
ピタリっ!
急に筆をもつ手が止まった。
朱里「やはり手紙だけでは心配ですね。姉はそそっかしいし、妹は結構おっちょこちょいだし 」
自分だって人のことをいえない
朱里「もしかしたら楽しいのは手紙だけで今頃つらい日々を送っているのかも!? 」
朱里の心配がどんどんマイナスなイメージへと変換していったその時!
一刀「朱里、何をしてるんだ? 」
朱里「はわわ!?一刀さん!? 」
一刀が朱里の部屋に入ってきた。
朱里「もうっ!いきなり部屋に入らないでください! 」
一刀「一応ノックしたんだけど!? 」
朱里は考え中で聞こえなかったようだ。
朱里「そういえば一刀さんには妹がいたんですよね 」
一刀「確かにいるけどそれがどうかしたの? 」
朱里「ちょっと相談にのってほしいんです! 」
そして一刀は朱里の相談にのることにした。
朱里「姉妹が離れて暮らしていると心配になりませんか? 」
朱里が一刀に聞くと
一刀「まぁ確かに従姉妹とはいえタンポポが翠に内緒で出ていった時は心配してたよな。俺の場合は逆に妹の方が心配しまくってて俺が剣道の合宿で長い間留守にしてても頻り(しきり)に連絡しまくってたからな 」
朱里「一刀さんは妹のことが心配ではなかったんですか? 」
一刀「別に、俺が妹のことを心配すると妹を認めてないって思っちゃうからね、それにどれだけ離れていても家族は家族なんだから心配しちゃダメなんだよ。朱里が妹を心配する気持ちはわかるけどいつかは必ず会えると信じてたら心配する必要ないだろ 」
ポンッ!
朱里の頭に手をのせる一刀
朱里「一刀さん…そうですよね!私が心配するほど妹は弱くないから大丈夫です! 」
一刀「その意気だ朱里! 」
朱里「はいっ! 」
そして朱里は姉と妹に手紙を書いた。
『私は桃花村で皆さんと楽しく仲良く暮らしています。なので心配は無用ですから安心してください 諸葛亮』
拠点:翠 『勇気のある告白』
ある日の夜
翠「まぁその…なんだ…。一刀には母さんのことで感謝してるし強くて優しいってのはわかっている。だから、あ…あたしと付き合ってくれ!/// 」
ビシッ!!
翠は勢いよく言い放った!
一刀「・・・ 」
ぽつんっ
枕に巻かれた紙に書かれた一刀に対してだが
翠「よしっ!気合いバッチリだぜ!最近一刀の周りに様々な女が集まってきている。ボヤボヤしてると一刀を取られちまうからな!同じ村にいるあたしが有利だぜ! 」
この時、すでに一刀を好む者は同じ桃花村の愛紗、桃香等だけでなく華琳、蓮華、月等ライバルが多かった。
そして次の日、いつもは奥手な翠が一刀に告白すべく向かったのだが
翠「おはよう一刀! 」
翠がおはようの挨拶をすると
一刀「おはよう翠 」
ニコッ♪
朝っぱらから一刀スマイルを翠は見てしまい
翠「(ボンッ!!///) 」
翠の顔は茹で蛸のように赤くなった。
翠「(いきなりあんな笑顔なんて反則じゃねえか!///) 」
一刀「どうしたんだ翠? 」
翠「な…何でもないよ!?(ええいっ!こうなったらさっさと告白してやる!) 」
スゥ…
そして翠は息を吸い込むと
翠「か…一刀!/// 」
一刀「なにっ!? 」
いきなり叫ぶ翠に驚く一刀
翠「か…一刀には母さんのことで感謝してるし強くて優しいってのはわかっている。だ…だから///(それいけっ!) 」
そして翠は勇気を出した!
翠「あ…あたしと付き合ってくれ!///(言えたーっ!!) 」
見事に一刀に言うことができた翠。そして一刀の返事は…
一刀「そんなにしたかったのか、わかった。いくらでもしてやるよ 」
どうやらOKのようだ!
翠「(やったー!勇気を出したかいがあったぜ!) 」
今の翠は翼があったら喜んで空を飛ぶくらいの勢いであった。
そして一刀は
一刀「ほら、さっさと槍を持ってきなよ 」
翠「えっ!? 」
一刀の言葉に驚く翠
翠「何言ってるんだ? 」
翠が一刀に聞いてみると
一刀「だって俺と突き合いたいんだろ 」
どうやらニブチンな一刀は付き合う(恋人同士)ではなく、突き合う(鍛練)だと感じていたようだ。
それに気づいた翠は
翠「(ぷるぷる…) 」
体を小刻みに震わしながら
翠「この鈍感野郎ーっ!!/// 」
ドカンッ!!☆ミ
一刀「何でーっ!? 」
一刀をおもいっきり殴ったのだった。
翠「(まったくあのニブチンめ!でもいつかあのニブチンでもわかるように告白してやるぜ!) 」
めげない翠であった。
次回は100話ということでまた拠点を考えています。