「南蛮の地にて」
カッ!
ここは南の方にある土地・南蛮
太陽がキラリと輝くこの地の小屋で
?「すぴ〜っ!すぴ〜っ! 」
黄緑の髪をした猫耳ちびっこがお昼寝をしていた。
?「ZZZ〜 」
そしてその近くには豚の貯金箱くらいの大きさのピンク色の小さな象も寝ていた。
?「むにゃむにゃ〜 」
ごろりっ
猫耳少女は寝ぼけて象の方に転がっていく
?「おぉっ!これは見事なごちそうなのにゃ♪美以も食べるのにゃ♪ 」
アーンッ!
寝ぼけた猫耳少女・猛獲(真名は美以)は口を開けながら象の尻尾の方に近づいていき
ガブッ!
おもいっきり噛んだ。
その瞬間!
象「パオーッ!? 」
尻尾を噛まれた象は悲鳴をあげて叫ぶ
美以「う〜ん…何なのにゃパオパオ?美以は眠たいから静かにするのにゃ 」
美以がピンク色の象・パオパオに言うと
パオパオ「パパオパオッ!♯ 」
パオパオは言いまくる!
美以「にゃんだって!?美以がパオパオの尻尾を噛んだだと、美以はそんなことしないのにゃ!言いがかりをつけるにゃ!♯ 」
パオパオ「パパオパオッ!♯ 」
美以の言葉に抗議するパオパオ
美以「へんな言いがかりをつけるパオパオなんて嫌いなのにゃ!出ていくのにゃ!♯ 」
ビシッ!
美以がパオパオにビシッと言うと
パオパオ「パオッ!?パオーッ!! 」
ダッ!
パオパオはまるで『美以のバカーっ!!』とでも言ってるかのように小屋から飛び出していった。
美以「さてと、美以は再びお昼寝するのにゃ♪ 」
ゴロリッ!
パオパオを追いかけずに再び寝転ぶ美以
そしてその頃、一刀達はというと
鈴々「キャッホーイ♪ 」
バシャンッ!
愛紗「こら鈴々!いきなり飛び込むでない!♯ 」
鈴々「にゃはは〜♪ 」
一刀達は南蛮にたどり着き、近くの川で水遊びをしていた。
もちろん裸でである。
朱里「でも一刀さんに言われて村から水を用意してよかったね 」
雛里「一刀さんったら『生水には細菌があるから飲み水を用意しよう』っていうから用意したけど飲んだら腹痛を起こすって何度も言ってたしね 」
タンポポ「タンポポ、腹痛はやだから助かったよ 」
桃香「さすが一刀さん、意外と物知りだよね♪ 」
みんなが一刀を褒め称えているが
愛紗「だそうですよ一刀殿 」
一刀は川の中にはいなく
バンッ!
一刀「そうですか 」
愛紗達のいる場所から少し離れた木の裏に目隠しをされて縛られていた。
焔耶「こうでもしないとスケベな貴様はすぐ覗こうとするからな 」
愛紗「一刀殿、わかってると思いますがもし覗いたら殺しかねないので注意してください 」
一刀「はい… 」
残念がる一刀であった。
タンポポ「ところでさ、前から気になっていたんだけど聞いていい? 」
朱里「何ですか? 」
タンポポが質問すると
タンポポ「象ってどんな生き物なの? 」
バンッ!
タンポポが最大の謎について聞いてきた。
何故ならばこの時代、象は南蛮くらいにしかいないため誰も姿を見たものがいないのだ。
朱里「はわわ!?そういえば知りませんでしたね!? 」
一刀達の目的は南蛮象のへそのゴマの入手だというのに象がどんな生き物なのかわからなくては意味がない
鈴々「お兄ちゃんは象を知っているのかなのだ? 」
だが幸運なことに一刀はこの中で唯一象がどんな生き物なのかを知っていた。
一刀「象ってのは… 」
この時、一刀にイタズラ心が芽生えた。
一刀「背丈は山より大きく、体の一部がものすごく長く、牙が長く、おまけに耳で空も飛べて、鈴々くらいの背丈ならば軽くひと飲みできるほど大きな口を持つ怪物だ! 」
どこの世界にそんな象がいる!
普通ならば突っ込むところなのだが
鈴々「すごい化け物なのだ!? 」
雛里「あわわ!?怖いです〜!? 」
誰も象を知らないため一刀の言葉を信用するしかなかった。
そして会話をしている間、一刀は
シュルリッ!
一刀「(よしっ!ほどけたぜ!) 」
みんなにバレないよう縄をほどいていた。
愛紗「そういえば一刀殿、一ついい忘れていましたがむやみに縄をほどいたりすると… 」
愛紗が最後まで言おうとしたその時!
ドッシーン!!☆ミ
一刀「がはっ!? 」
バタリッ!
愛紗「上から丸太が落ちてきますので注意してください 」
一足遅かったようである。
丸太に当たった一刀は気絶してしまった。
そのすぐ後
ガサガサッ!
鈴々「何なのだ? 」
茂みから何か出てくるのに気付いた鈴々が見てみると
バサッ!
パオパオ「パオーッ!? 」
茂みからパオパオが現れた。
ポサッ!
パオパオはそのまま鈴々に掴まる
朱里「どうしたんですか鈴々ちゃん? 」
鈴々「この生き物、何かに怯えているようなのだ 」
ガサガサッ!
そしてその後、パオパオが出てきた茂みから
バサッ!
一匹の虎が現れた!
桃香「きゃあっ!? 」
虎「ガルルーッ!! 」
虎は愛紗達に襲いかかろうと構える!
愛紗「(くっ!?武器を取ろうにも遠くに置いてあるから取れない!?取りに行けばその瞬間襲われてしまう!?) 」
迂闊に動けない愛紗達
すると
鈴々「ガルルーッ!! 」
ギリリッ!!
鈴々が鋭い目付きで虎を睨み付ける
虎「ガルルーッ!! 」
虎も負けじと鈴々を睨み付ける。
その頃、一刀は
一刀「いたた〜!?まさか丸太が落ちてくるなんてな!? 」
一刀が気絶から目を覚ました。
目を覚ました一刀は
一刀「んっ!この足跡は 」
妙な足跡を見つけ、それが愛紗達のいる方に続いていることに気付いた。
一刀「あの足跡はたぶん虎だ!?待ってろみんな! 」
ササッ!
危険を感じて愛紗達のいる方に音をたてないよういく一刀
だがこの時
ゴォーッ!!
本人も知らないうちに覇気を出していた。
その頃、
鈴々「ガルルーッ!! 」
虎「ガルルーッ!! 」
鈴々と虎によるにらみ合いはまだ続いていた。
その時!
ゴォーッ!!
虎「!? 」
一刀から流れ出る覇気に虎がビビり
虎「キャインキャイン! 」
ダッ!
虎は逃げていった。
鈴々「やったのだ!鈴々の迫力にびびって逃げたのだ♪ 」
喜ぶ鈴々だが
朱里「あのぅ鈴々ちゃん、喜ぶのはいいんですけど顔を元に戻してください 」
バンッ!
鈴々の顔は睨み付けたまま固まっていた。
鈴々「忘れてたのだ♪ 」
ゴキッ!
何とか無理矢理顔を元に戻す鈴々
だが安心するのはまだ早かった。
ゴォーッ!!
焔耶「まだ何か出てくるぞ!? 」
雛里「あわわ!? 」
タンポポ「今度は何が出てくるの!? 」
茂みから流れ出る覇気に恐れるみんな
バサッ!
そして茂みから出てきたのは
一刀「大丈夫かみんな!? 」
一刀であった。
一刀「あれっ?虎はどこいった? 」
きょろきょろっ
まさか自分の覇気に虎が逃げ出したことを知らない一刀が回りを見ると
ぷるんっ♪
そこには裸の愛紗達がいた。
一刀「ここは女体の宝石箱や〜♪ 」
いいものを見れて喜ぶ一刀だが
ゴゴゴッ…!!♯
愛紗「一刀殿、覚悟はよろしいですか?♯ 」
愛紗が一刀に対して怒りをむき出しにする!
一刀「えっ!?これはみんなを助けるためであって!?っていうか愛紗、色々見えちゃってるけど… 」
一刀が言うと
愛紗「別に見られても構いません。すぐに忘れてもらいますからね!!♯ 」
ドガガーッ!!☆ミ
一刀「ギャーッ!? 」
この後、一刀は記憶を消されるくらい愛紗に殴られたという
鈴々「ところでこいつは何なのだ? 」
パオパオ「パオ? 」
パオパオを見つめる鈴々
そしてその頃、美以の小屋
美以「ん〜!気持ちよく寝れたのにゃ♪ 」
美以が昼寝から目を覚ました。
美以「パオパオ、出掛けるから頭の上に乗るのにゃ 」
美以はパオパオを呼ぶが
しーんっ…
美以「そうだったのにゃ、パオパオは出ていったのにゃ、ひどい奴なのにゃ!美以は噛んでないと言ったのに美以のせいにするだなんて!♯ 」
出ていった原因が自分にあることを知らない美以
その時!
バッ!
美以の後ろから三人の猫耳少女が現れた。
ミケ「だいおー、大変なのにゃ! 」
トラ「大変なのにゃー! 」
シャム「なのにゃ〜 」
美以「お前達どうしたのにゃ? 」
美以が聞くと
ミケ「この地に侵入者なのにゃ! 」
美以「にゃんだって!?侵入者は美以が許さないのにゃ!いくじょお前達! 」
美以が先にいこうとすると
トラ「そういえばパオパオも侵入者と一緒にいたのにゃ 」
シャム「たぶんだいおーが追い出したのにゃ 」
美以「美以は悪くにゃいのにゃ!悪いのはパオパオなのにゃ!美以は噛んでないと言ったのに美以が噛んだっていうから… 」
美以が言うと
ミケ「でも前にだいおーは寝ぼけてミケの頭を噛んだのにゃ 」
トラ「トラは腕にゃ 」
シャム「シャムはお尻なのにゃ 」
三人『でもってだいおーが噛んだって言ってもだいおーはやってないっていったのにゃ 』
ズキズキンッ!
美以「うっ!? 」
三人の言葉に傷つく美以
美以「と…ともかく侵入者を懲らしめにいくのにゃ! 」
美以はごまかすため向かうのだった。