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「旅立ちの餞」

桔梗が治める村


ガヤガヤ


一刀「小さな村なのに賑わっているな!? 」


桔梗「そりゃまぁ、この村では他にはないことをしておるからのぅ 」


愛紗「何をしているのですか? 」


桔梗「それは後で話してやる。今はそれより… 」


会話をしている間にいつの間にか桔梗の屋敷にたどり着いた。


桔梗の屋敷・地下


焔耶「桔梗様!?私が悪かったです!もう逃げませんからお許しください!? 」


桔梗「ダメじゃ!お前は何度言ってもわからんから体で教えてやるわい! 」


ぎゅっ!


桔梗は焔耶を縛り上げる


桃香「あのぅ、何をする気なんですか!? 」


桔梗「決まっておろう、こいつに罰を与えるのじゃ 」


朱里「はわわ!?拷問ですか!? 」


雛里「あわわ!?怖いです!? 」


二人が驚くなか、焔耶への罰が執行される。


桔梗「食らうがよい! 」


ブォンッ!!


焔耶「ひっ!? 」


桔梗が繰り出したのは


こちょこちょっ


焔耶「ひゃははっ!? 」


桔梗「ほれほれ〜♪ 」


羽箒(はねぼうき)であった。


羽箒で焔耶をくすぐりまくる桔梗


一刀「罰ってくすぐりだったのね!? 」


罰の内容に驚く一刀達


だが約一名


タンポポ「(うずうず) 」


タンポポがうずうずしていた。


そして


タンポポ「ねぇ厳顔(桔梗の名前)さん、タンポポにもそれやらせて♪ 」


タンポポは我慢できずに桔梗に言うと


桔梗「お主は被害者じゃったのう、よしやるがよい! 」


スッ!


桔梗はタンポポに羽箒を渡すと


タンポポ「にひひっ!それーっ! 」


こちょこちょっ!


羽箒で焔耶の脇や足の裏をくすぐりまくるタンポポ


焔耶「ぶひゃはっ!?やめろ! 」


タンポポ「団子のうらみは重いんだよ♪ 」


こちょこちょっ!


桔梗「お主らも被害者だろう、やりたい者はいるか? 」


鈴々「じゃあ鈴々が… 」


愛紗「結構です! 」


桃香「私達は別に!? 」


断ろうとする愛紗達を尻目に


一刀「だったら俺が! 」


ハァハァ…


鼻の下を伸ばしながら興奮する一刀


そんな一刀に


ゴツンッ!!☆ミ


愛紗「何かいいましたか?♯ 」


一刀「すみません!? 」


久々に愛紗の拳骨が炸裂するのだった。


桔梗「さて、罰はもうこれぐらいにして村を見せるからついてくるがよい 」


桔梗に村を案内される一刀達


そして最初に向かった場所は


鈴々「競馬場? 」


桔梗「ここでは金をかけて馬の順位を当てるものじゃ、この村くらいしかないから一度やってみるがよい 」


愛紗「はぁ… 」


こんなことしている場合じゃないのにと言いたい愛紗であった。


しばらくして


わぁーっ!!わぁーっ!!


桔梗「くっ!何で黒雲号(一番人気の馬)が負けるんじゃ! 」


どうやら負けたらしい


桃香「競馬って難しいんだね!? 」


愛紗「厳顔殿、もう帰るとしましょう 」


桔梗「金がないから仕方がないか 」


スッ!


競馬場から去ろうとするみんなだが


朱里「あれっ?一刀さん、そっちは出口じゃありませんよ 」


一刀だけは何故かみんなと違う方に行こうとする


一刀「ちょっと俺、換金してくるからさ 」


雛里「換金って一刀さん勝ったんですか!? 」


一刀「まぁ一応1位の馬に賭けたけどね 」


桔梗「なんじゃと!? 」


一刀は昔からギャンブルに強かった。


しかし儲けたとはいえみんなが失った分(ほとんどが桔梗の負け分)を取り返しただけなのであまり儲けはない


鈴々「お兄ちゃんはホントに運が強いのだ!? 」


一刀「たまたまだよ 」


タンポポ「あ〜ぁ、タンポポも競馬に出たかったな 」


桃香「白蓮ちゃんならきっと白馬で出るって言いたそうだよね 」


朱里「翠さんも出てたかもしれませんね 」


話しをしながら歩く一行


桔梗「それでは腹も減ったし次は飯にするとするか 」


そして一行はラーメン屋に向かった


桔梗「店主、いつものやつを9人前で頼む! 」


店主「了解! 」


そして出されたものは


店主「へいっ!ヤサイマシマシニンニクカラメアブラ9人前お待ち! 」


ドサッ!


バケツサイズの丼にいろいろとトッピングされた巨大なラーメンであった。


鈴々「美味しそうなのだ♪ 」


桔梗「がっはっはっ!たんと食べるがよい! 」


腹に自信のある二人は平気そうだが


桃香「(こんなの食べたら絶対太る!?) 」


愛紗「(先程団子を食べたからもう無理だな!?) 」


他の人はなかなか食べることができず結局お腹の空いていた鈴々と桔梗に食べてもらうことにした。


桔梗「満腹じゃ♪よし次の店にいくぞ! 」


朱里「あんなの食べたのにどうして太らないんでしょう? 」


タンポポ「全部胸に流れてるんじゃない? 」


そして一行が次に向かった店は


武器屋


桔梗「ほぅ、なかなかいい武器があるではないか 」


ジャンッ!


桔梗は壁にかけられた巨大な武器を見つめる。


店主「お目が高いですね。その武器は李典という職人が作った豪天砲という武器でございます 」


桔梗「そうか、ならばこの武器をもらうぞ! 」


スッ!


桔梗は金を払って豪天砲を手に入れた。


そして


桔梗「一刀殿、少し話があるがよいかな? 」


一刀「俺に話ですか? 」


桔梗「そうじゃ。焔耶よ、他の者の観光を頼んだぞ! 」


焔耶「えっ!?ちょっと桔梗様…!? 」


焔耶が何かを言おうとする間に


ビュンッ!!


桔梗は一刀を連れ去っていった。


愛紗「厳顔殿は一刀殿に何の用なのだ? 」


愛紗が聞くと


焔耶「桔梗様は大変な戦闘狂いでな、私があいつ(一刀)に負けたので戦いにいったのだろう 」


焔耶が言うと


鈴々「お兄ちゃんの戦いが見たいから見てくるのだ! 」


愛紗「待て鈴々!? 」


朱里「はわわ!?待ってください!? 」


雛里「あわわ!?私もいきます!? 」


タンポポ「タンポポもそっちの方が面白そうだから行こっと♪ 」


焔耶「勝手にいくでない!? 」


ぽつんっ


そして残されたのは焔耶と桃香だけになった。


焔耶「劉備殿は行かないのですか? 」


桃香「私は一刀さんが勝つって信じてますし、もっとこの村を見てみたいですから 」


桃香が言うと


焔耶「(仕方がない、劉備殿だけでも案内するか)では劉備殿、行きますよ 」


スッ!


そして焔耶が桃香から少し離れた瞬間


桃香「きゃあっ!? 」


焔耶「劉備殿!? 」


くるっ!


焔耶が桃香の方を見てみると


アニキ「へへへっ! 」


チビ「動くとこの娘の命がないぜ! 」


デク「ンだな! 」


桃香「んーんーっ!! 」


桃香が三人の賊の人質になっていた。


その少し前


一刀「厳顔さん、俺をこんなとこにつれてきて何する気ですか? 」


桔梗は一刀を広場につれてきた。


桔梗「簡単なことじゃ、聞けば一刀殿は我が弟子焔耶を倒すほどの実力者、ならば戦いたいと思うのが武人というものなのじゃよ! 」


ジャキンッ!!


桔梗は新しく買った豪天砲を構える。


愛紗「(厳顔殿のあの武器はどういう風に使うのだろう?) 」


鈴々「お兄ちゃん、絶対勝つのだ! 」


やって来た愛紗達が一刀を応援するなか


一刀「あんまり戦うのは気が進まないけど戦わなければ帰してくれそうにありませんよね 」


スッ!


一刀は聖魔閻龍神刀を構える。


桔梗「さすがに見事な構えじゃのぅ、だが… 」


スッ! カチャッ!


桔梗は一刀に狙いを定めると


桔梗「構えだけで勝てるほど甘くはないぞ! 」


ドッカーンッ!!


桔梗はいきなり豪天砲の引き金を引いてきた。


一刀「あぶねっ!? 」


サッ!


だが攻撃を何とか避けた一刀であった。


桔梗「ほれほれどんどんいくぞ! 」


ドッカーンッ!!ドッカーンッ!!


桔梗は豪天砲を乱射しまくる。


一刀「(このまま避け続けたら不利だ!)仕方がない! 」


スッ!


一刀は構えをとる。


桔梗「さて、どうするか見物じゃわい! 」


ドッカーンッ!!


桔梗は一刀めがけて豪天砲を発射する。


そして一刀は


一刀「『俄龍魂絶撃』! 」


ドカンッ!!


何と!?一刀は豪天砲の弾を打ち返した。


桔梗「ふっ!そうでなくては面白くないわい! 」


一刀「今ので驚いてないだなんてさすがですね!? 」


スッ!


二人は再び構え合う


その時!


桃香「誰か来て〜!! 」


ぴくんっ!


一刀の耳に小さいが桃香の悲鳴が聞こえてきた。


一刀「厳顔さん、悪いが勝負はまたあとだ! 」


シュンッ!


桔梗「おいっ!こらまて!? 」


一刀は桃香の悲鳴が聞こえたところに向かっていく!


一方その頃


焔耶「ぐはっ!? 」


ドサッ!


アニキ「にししっ!さっきまでの威勢はどうしたんだよ姉ちゃん? 」


チビ「案外弱い奴っすね! 」


焔耶が賊達にいたぶられていた。


普通に考えれば焔耶が賊に負けるなんてありえないのだが桃香を人質にされているため本気が出せないでいた。


デク「アニキ、こいつさっき叫んだけど大丈夫か? 」


アニキ「気にすんな!知らない奴を助けに来る奴なんているかよ!それよりさっさとこいつを殺すからチビ、取り押さえておけ! 」


チビ「了解っす! 」


ガシッ!


チビは焔耶が動けないように取り押さえると


アニキ「とっととくたばってもらうぜ! 」


ジャキンッ!


アニキは剣を取り出して


アニキ「くたばりやがれ! 」


ブォンッ!!


焔耶に降り下ろした。


焔耶「(くそっ!私はなんて弱いんだ!) 」


焔耶に危機が訪れたその時!


ちょんちょんっ!


アニキ「誰だようるせえな! 」


誰かにつつかれたアニキが振り向いた瞬間


ドグボッ!!☆ミ


アニキ「がはっ!? 」


アニキはぶっ飛ばされた。


そしてそこには


一刀「助っ人登場! 」


バンッ!


一刀がいた。


チビ「アニキ!?ちくしょう!こっちには人質がいるんだぞ! 」


デク「そうなんだな! 」


桃香を人質にしようとする賊だが


一刀「人質ってどこに? 」


チビ「どこって… 」


チビがデクの方を見てみると


パッ!


チビ・デク『あれっ!? 』


いつの間にか桃香の姿がなく


桃香「残念でした♪ 」


桃香は一刀の隣にいた。


実はさっきアニキを殴った時に一刀のスキルであるスリを使ってデクの知らない間に桃香を奪ったのだった。


一刀「さてとお前ら覚悟はいいよな?♯ 」


チビ・デク『ひ…ひぃっ!? 』


一刀「女の子を寄ってたかって殴る奴は成敗する!♯ 」


チビ・デク『ぎゃーっ!? 』


この後、この悲鳴を聞いて愛紗達が駆けつけた時にはすでに賊達はボロボロになっていたという


しばらくして


焔耶の部屋


焔耶「私は弱い… 」


体中に包帯を巻いた焔耶が落ち込んでいた。


焔耶「私が強くなるためにはやはりあれしかない! 」


そして一刀達が旅立つ次の日


桃香「ご苦労様でした 」


桔梗「いやいや、こちらこそ楽しかったぞ。一刀殿、また今度会ったら戦いの続きをしようではないか 」


一刀「遠慮しておきますよ。やはり女性を攻撃するなんて俺は苦手ですから 」


桔梗「フフッ!ますます気に入ったわい!ぜひこいっ! 」


迫力のある桔梗であった。


愛紗「それでは失礼しました 」


スッ!


そして一刀達が村を去ろうとしたその時!


?「待て待てーっ! 」


突然声が聞こえたかと思うと


ドドォーッ!! バッ!


焔耶「間に合ったようだな! 」


いきなり焔耶が現れた。


桔梗「いきなりなんじゃ焔耶? 」


桔梗が聞くと


焔耶「桔梗様、申し訳ありません!私はこの一行についていきます! 」


全員『えっ!? 』


焔耶「私は強くなりたいのです!そのためには旅に出たいのです! 」


焔耶が言うと


桔梗「なるほどのぅ、わかった行ってこい! 」


焔耶「ありがとうございます! 」


ダッ!


そして焔耶は出ていった。


桔梗「それと旅立ちの(はなむけ)にこれを持っていけ! 」


ブォンッ!! ドサッ!


焔耶「これは!? 」


桔梗は焔耶に以前自分が使っていた武器・鈍砕骨を渡した。


焔耶「(ありがとうございます桔梗様、私は強くなって帰ります!) 」


焔耶は桔梗に誓うのだった。


次回、猫好き隠密登場!

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