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「頑張れ亞莎!」

呉の国・亞莎の部屋


今日も蓮華は亞莎と話をするため亞莎の部屋にやって来ていた。


蓮華が亞莎に自信を持つよう言って以来亞莎は段々と明るくなってきていたようだ。


そんなある日のこと


蓮華「あらっ 」


蓮華は机の上に一冊の本があるのを見つけた。


蓮華「これは亞莎の書物か? 」


亞莎「は…はいっ!?昼間は鍛練をしていますので夜に勉強しているのです 」


蓮華「夜にか、もしかして私は亞莎の勉強の邪魔をしているのか? 」


亞莎「い…いえ!?そんなことはありませんよ!?孫権様は私の話し相手になってくれますし私にとって幸せな人です!? 」


蓮華「それならよいが… 」


パラッ!


蓮華は亞莎の書物を見てみると


蓮華「!? 」


書物の内容を見て驚く蓮華


何故なら書物のほとんどが正解しているのだ。もちろん書物の問題が簡単すぎるというわけではない。


蓮華「(もしや亞莎は!?) 」


すると蓮華は


蓮華「亞莎、軍の試験を受けてみないか? 」


亞莎「えっ!?いきなり何でしょうか!? 」


亞莎が驚くのも無理もない


蓮華「あなたの頭脳は呉の役に立つ!私が問題を作るから試験をやってみないか? 」


亞莎「で…でも私なんかが!? 」


蓮華「全問正解しろだなんて言わない。ある程度できればそれでよい! 」


亞莎「で…でも 」


蓮華「亞莎、自分に自信を持て!自分がどれくらいまでできるのかを試すいい機会だ! 」


そこまで言われた亞莎は


亞莎「わかりました。やってみます! 」


試験を受けてみることにした。


そして次の日


亞莎「ハァッ! 」


バキンッ!!


兵「ま…参りました!? 」


亞莎はいつものように親衛隊の訓練をしていた。


兵「何だか呂蒙(亞莎の名前)のやつ変わったよな 」


兵「片眼鏡かけてからというもの、明るくなった気がするし強くなっている気がするな 」


周りの亞莎に対する評価も変わってきていた。


ぽんぽんっ


と亞莎の前に毬が転がってくる。


子供「あっ!? 」


慌てて子供が拾おうとするが


スッ!


亞莎「はいどうぞ 」


亞莎は笑顔で毬を子供に渡した。


子供「ありがとうお姉ちゃん♪この間よりいい顔してるよ♪ 」


亞莎「えっ!?/// 」


いい顔と言われて赤くなる亞莎であった。


そして亞莎は朝は鍛練、夜は勉強を繰り返していき


いよいよ試験の日


呉の城


試験はカンニング等の不正ができないよう呉の城の蓮華の部屋で行われることになった。


蓮華「用意はいいか亞莎 」


亞莎「は…はいっ! 」


試験日だということもあってか緊張しまくる亞莎


亞莎「(お…落ち着くんだ!冷静にやれば大丈夫なはずなんだ!?) 」


ドキドキンッ!


と言いながらも心臓がドキドキしまくる亞莎


そんな亞莎を見た蓮華は


蓮華「亞莎、これはある知り合いに聞いたことだが緊張した時には手のひらに人を書いて三回飲み込むと落ち着くらしいぞ 」


これは一刀から教わったことである。


亞莎「わ…わかりました!? 」


スッ! ぱくっ!


言われた通りに亞莎は手のひらに人を書いて三回飲み込むと


スゥーッ!


嘘のようにリラックスできた。


亞莎「(ホントに緊張がほぐれた!?) 」


さすがの亞莎も半信半疑だったようだ。


蓮華「それでは準備はいいか? 」


すると亞莎は


亞莎「はい! 」


気持ちよく返事を返した。


蓮華「それでは始め! 」


そして試験は開始された。


しばらくして


蓮華「やめ! 」


パッ!


亞莎は筆を置いた。


蓮華「では採点をしてくるから少し待っていてくれ 」


亞莎「わかりました 」


バタンッ!


そして蓮華が部屋から出ていくと


亞莎「できる限り頑張りはしましたけどどうなんでしょうか!? 」


緊張しまくる亞莎


そんなとき


ガタンッ!


廊下の方から物音が聞こえてきた。


亞莎「何の音でしょう? 」


スッ!


亞莎が様子を見てみると


男「おいっ!落とすなよ周瑜様が商人に頼んだ楽器なんだぞ! 」


男「すまねぇすまねぇ!? 」


二人の男が大きな琴のような楽器を運んでいた。


亞莎がその様子を眺めていると


蓮華「気になるのか? 」


スッ!


亞莎「あひゃっ!? 」


後ろからいきなり蓮華に声をかけられて驚く亞莎


蓮華「すまない!そんなに驚くだなんて思っていなかったんだ!? 」


亞莎「わ…私の方こそ勝手に覗いてしまってすみません!? 」


蓮華「気にするな、それよりあの楽器は周瑜が姉様のために用意したものだ 」


亞莎「孫策様のためにですか!? 」


孫策とは蓮華の姉である雪蓮のことである。


蓮華「雪蓮姉様が『冥琳の演奏を聞かなきゃ仕事しなーい!!』と駄々をこねて仕方なく冥琳は遠くの方から楽器を取り寄せたそうだ 」


亞莎「はぁ… 」


雪蓮のわがままに付き合わされる冥琳であった。


蓮華「それより亞莎、先程の試験の結果なのだが 」


亞莎「は…はいっ!?どうでしたか!? 」


亞莎は蓮華に寄ってくる


蓮華「残念ながら不合格だ 」


この言葉を聞いて蓮華は亞莎が落ち込むと思っていたが


亞莎「そうですか…だったらまた試験を受けさせてください!今度こそ合格するよう頑張ります! 」


逆にやる気を出す亞莎であった。


そして亞莎は勉強するため宿舎に戻っていった。


亞莎が去った後


蓮華「あの様子ならば心配なさそうだ。亞莎には悪いが試験を亞莎には解けそうにないものを中心にしていたからな半分でも解けていたら合格にしていたのだが厳しすぎたようだな 」


そんなことも知らず亞莎が歩いていると


子供「あっ!お姉ちゃん 」


いつも亞莎が相手をしてあげている子供が亞莎に近寄ってきた。


亞莎「どうしたのですか? 」


亞莎が聞くと


子供「あのね、変な男が琴のようなものに入って城に入っていったけど大丈夫だった? 」


亞莎「琴の中に人? 」


亞莎は少し考えると


亞莎「あっ!? 」


ある噂を思い出した。


それは最近有名になりすぎた雪蓮を暗殺しようとする一派がいることであった。


子供「そのことを門番さんに言ったけど相手にしてくれないんだよ 」


もし琴の中の男が暗殺者だった場合、雪蓮が殺されてしまうかもしれない!


普段の雪蓮ならば暗殺者なんて楽に倒せるだろうがその日、雪蓮は浮かれきっているので殺られる確率がある!


亞莎「(このままでは孫策様が殺されてしまう!?でもどうすればいいんだ!?) 」


今から行っても間に合うかどうかわからないし、たぶん城に入れてくれないかもしれない


迷う亞莎だが


『自分に自信を持て!』


という蓮華の言葉が頭の中に入ってきた。


そして亞莎のとった行動は!?


その頃、呉の城・玉座の間


雪蓮「早く〜!でないと仕事しな〜い!! 」


冥琳「わかったから静かにしていろ! 」


玉座の間には呉のほとんどの重鎮達がいた。


スッ…


そして冥琳が琴を取り出そうとするなか


琴の中では


男「にししっ!浮かれきった孫策を殺すなんて赤子の手をひねるより簡単なもんだぜ 」


男「孫策を殺せば戦が起きるからな! 」


二人の暗殺者が隠れていた。


スッ!


そして冥琳が琴が入っている箱を開けようとしたその時!


?「開けてはいけません! 」


ビィンッ!!


玉座の間に声が響いた。


雪蓮「今の声は何なの? 」


スッ!


みんなが声の聞こえてきた場所を見てみると


バンッ!


亞莎「その箱の中には暗殺者が潜んでいます!? 」


門番「こらっ!勝手に入ってきて何を叫んでいるんだ!? 」


門番に取り押さえられながらも必死で進もうとする亞莎がいた。


雪蓮「箱に暗殺者ですって… 」


じろりっ!


雪蓮は箱の気配を探ると


雪蓮「ハァッ! 」


ザシュッ!


剣を箱に突き刺した!


すると


『ぎゃーっ!? 』


箱の中から男の悲鳴が聞こえてきた。


雪蓮「安心しなさい。急所は外してあるからね。冥琳、こいつらを頼むわよ! 」


冥琳「わかっているとも 」


雪蓮は冥琳に指示すると


スッ!


亞莎の方に向かっていき


雪蓮「わが命を助けてくれてありがとう。あなた名前は? 」


亞莎「りょ…呂蒙子明と申します! 」


雪蓮「そう、命を救ってくれたお礼に一つ望みを叶えてあげるわ。私にできることなら何でもいいなさい 」


ここは呉の城に仕えたいと言うと思う人もいると思うだろうが


亞莎「お言葉はありがたいですが望みはありません!では失礼します 」


スッ!


そして亞莎は去っていった。


亞莎が去ってすぐ


蓮華「待て亞莎! 」


蓮華が亞莎を呼び止めた。


蓮華「何故呉の城に仕えたいと言わなかったのだ? 」


蓮華が聞いてみると


亞莎「私はまだ孫権様の試験を合格していません。私が呉の城に仕える時は試験に合格した時です! 」


スッ!


そして亞莎は去っていった。


亞莎が去った後


蓮華「亞莎、お前が来るのを楽しみに待っているぞ 」


亞莎を見送る蓮華であった。


次回、桔梗、焔耶が登場

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