「孫呉の様子」
一刀達が南蛮に向かっている頃
呉に向かっていった伽留はというと
伽留「う〜ん!天気がよくて気持ちいい〜♪呉には私しか知らない秘密の通路があるから少しくらいのんびりしたって構わないよね♪ 」
のんびりと旅を続けていた。
伽留「それにしてもみんなに会うのも久しぶりだな〜♪みんなどうしてるかな? 」
伽留は元々呉の出身である。伽留が思っている頃
呉の国・訓練場
思春「呂蒙!いつでもかかってこい! 」
甘寧こと思春が言うと
呂蒙「お…お願いします! 」
呂蒙が構える。そして
審判「試合開始! 」
審判の合図で試合が始まった!
すると
シュンッ! バシッ!
思春が繰り出した蹴りを受け止める呂蒙
呂蒙「はっ! 」
ブンッ!
すかさず反撃するように呂蒙は思春に蹴りを繰り出す
サッ!
だが思春には見抜かれており
ドカッ!
呂蒙「うわっ!? 」
蹴りを繰り出した軸足を攻撃されて
バタンッ!
呂蒙は倒れてしまった。
ビュンッ!!
そこへすかさず思春の手刀が繰り出される!
ピタッ!
だが手刀は呂蒙の首の前で止められた。
呂蒙「ま…参りました!? 」
そして呂蒙が降参した瞬間
審判「勝者、甘寧将軍! 」
思春の勝ちが決定した。
思春「呂蒙、構えはなかなかだが技の速さが遅い!少しでも早くすることだ! 」
呂蒙「あ…ありがとうございます! 」
スッ!
そして思春が去ると
兵「さすが甘寧将軍だよな 親衛隊で一番強い呂蒙が手も足も出せなかったなんて!? 」
兵「やはり将軍は違うよ。それに比べて呂蒙ときたら甘寧将軍に比べて武力はいまいちだしな 」
兵「胸なら呂蒙が勝ってるんだけどな 」
それは関係ない
兵達が話していると
ぼとぼとっ
呂蒙「はぁ〜 」
着替えを終えた呂蒙がため息を吐いていた。
呂蒙「(まだまだ私は実力不足なんだ。もっと鍛練しないと!) 」
呂蒙がそんなことを思っていると
ころころっ!
呂蒙の前に毬が転がってきた。
子供「あっ! 」
タタタッ!
その毬を取ろうと子供が呂蒙に近づいてくる
スッ!
すると呂蒙は毬を手に取ると
呂蒙「はいっ 」
子供「ありがとうお姉ち… 」
毬を子供に渡すのだが
ギロリッ!♯
呂蒙が子供を睨み付けていたため
子供「うわーんっ!! 」
ビューッ!!
子供は呂蒙から逃げてしまった。
呂蒙「また逃げられてしまった 」
ガックシ
彼女は目が悪いため目をおもいっきり寄せないとよく見えない。だがその目付きが物凄く悪いため子供から逃げられているのだ。
呉の兵舎・呂蒙の部屋
呂蒙「私ってばどうしていつもこうなのだろう、武力では甘寧将軍には敵わず、子供には逃げられてばかりどうしようもないのかな 」
呂蒙が部屋で落ち込んでいると
?「呂蒙はいるか? 」
誰かが呂蒙の部屋にやって来た。
呂蒙「どちら様ですか?用があるなら入っていいですよ 」
呂蒙が言うと
ガチャッ!
入ってきたのは
バンッ!
呂蒙「そ…孫権様!? 」
呉の次期王である孫権こと蓮華であった。
蓮華「そんなに畏まらなくてもよい、今日は呂蒙に話があって来たのだ 」
呂蒙「わ…私にですか!? 」
まさか呉の次期王である蓮華が自分に話があるだなんてと驚く呂蒙
スッ!
そして蓮華は寝台に座ると
蓮華「お前のことは思春からよく聞いているぞ。とても有力な親衛隊だとな 」
呂蒙「か…甘寧将軍が私のことを!? 」
鍛練をしてはいつも思春に負けている自分が思春に有力だと言われて驚く呂蒙
蓮華「呂蒙、お前に足りないのは武力ではなく自信だ!もっと自分に自信をもて! 」
呂蒙「孫権様 」
ギロリッ!
蓮華を見つめる呂蒙だがその目付きは鋭かった。
蓮華「その目付きはどうしたのだ呂蒙? 」
呂蒙「あっ!?すみません私は目が悪いため目をおもいっきり寄せないとよく見えないんです!? 」
呂蒙が言うと
蓮華「目が悪いか、だったらついてくるがよい 」
呂蒙「へっ? 」
そして蓮華が呂蒙を街につれていった。
ちなみに蓮華の服はいつもと違い庶民が着るような服なので誰も蓮華に気づいていない
呂蒙「あのぅ孫権様、私をどちらにつれていくのですか? 」
蓮華「黙ってついてこい。おっとここだ 」
そして蓮華が呂蒙をつれてきた場所は
呂蒙「雑貨屋ですか!? 」
蓮華「そうだ。今日は私から呂蒙に贈り物をやろう 」
スッ!
蓮華は呂蒙の手を引っ張って店の中に入る
そして蓮華が向かった先は
蓮華「私が呂蒙に眼鏡をあげよう 」
眼鏡売り場だった。
呂蒙「えっ!?孫権様に眼鏡をもらうなんて申し訳ないですよ!? 」
眼鏡はどの時代でも高いものである。(というよりこの時代にレンズがあるかどうかわからない)
蓮華「そんなに畏まるな。ならば呂蒙に命ずる!私が眼鏡を授けるからこれからも精進するがよい! 」
呂蒙「は…はいっ!? 」
無茶苦茶な言い方で呂蒙に眼鏡を渡そうとする蓮華
そして蓮華が渡した眼鏡は
ジャーンッ!
モノクル(片眼鏡)の眼鏡であった。
しばらくして
呂蒙の部屋
蓮華「かけてみてくれ 」
呂蒙「は…はいっ! 」
スッ!
呂蒙は蓮華のくれたモノクルの眼鏡をかけてみると
パァーッ!
呂蒙「よく見えます!?孫権様ありがとうございます! 」
蓮華「礼をいうでない、これからの呂蒙の頑張りを期待しているぞ 」
スッ!
そう言って蓮華が呂蒙の部屋から去ろうとすると
呂蒙「あ…あのぅ孫権様!? 」
蓮華「なんだ呂蒙? 」
呂蒙が蓮華を呼び止めた。
呂蒙「つ…次からは私のことを呂蒙ではなく真名の亞莎とお呼びください! 」
呂蒙こと亞莎が言うと
蓮華「わかったぞ亞莎 」
スッ!
蓮華は部屋から出ていった。
その後
サッ!
思春「ご苦労かけます蓮華様 」
思春が柱の陰から現れた。
思春「呂蒙に自信をもつよう指導してくれてありがとうございます 」
蓮華「いいのよ思春、私も呂蒙と話したかったからな。それに自信をもつよう言ったのは私ではなくあの男だからな 」
思春「あの男といいますと? 」
蓮華「前に呉に来た北郷という者だ 」
実は一刀達が出る前の夜、こんなことが起きたのだ。
呉で謀反を企んでいた孫静を捕らえた夜のこと
蓮華「まさか北郷があんなに強かっただなんて知らなかったな 」
蓮華が部屋で休んでいると
一刀「まぁ驚くのも無理もないけどね 」
バンッ!
いつの間にか一刀が蓮華の部屋に侵入していた。
蓮華「き…貴様、どこから入ったのだ!?人を呼ぶぞ!? 」
蓮華が人を呼ぼうとすると
一刀「それはまってくれ!俺はあなたに一言いいに来たんだ 」
蓮華「私に!? 」
一刀「周りから聞いた話じゃ自分は孫策のような王になれないと思っているそうだな 」
図星である。
一刀「そんなあなたに一つ助言をあげよう。悩んだら自信をもつんだ。それが解決策となる 」
蓮華「えっ!? 」
一刀が蓮華に言うと
一刀「それを伝えに来ただけだからじゃあまたね 」
スッ!
蓮華「あっ!?待て! 」
一刀は窓から脱出していった。
ということがあったのだ。
蓮華「それ以来私は王になることに悩むと自信をもつようになってな、それで少しは王になる自信がもてるようになったのだ 」
蓮華が言うと思春は
思春「そうですか、あの者が蓮華様の部屋に侵入するとは♯ 」
ゴゴゴッ…!!
一刀が蓮華の部屋に入ったところだけを真剣に聞いていた。
思春「あやつめ、もし出会うことがあったらその首をたたっきってやるから覚悟するがよい!♯ 」
一刀が呉に行かなくて安心であった。