「謝りの気持ち」
南蛮象のへそのゴマをとりに水鏡先生のところにやって来た一刀達
そしてみんなが寝静まる夜
ガサガサッ!
誰かが明かりもつけずに台所にいた。
?「こ…これでいいんですよね!? 」
サッ!
そしてその人物は台所から直ぐ様逃げるように走るのだった。
ちょうどその少し前
鈴々「ぐかーっ! 」
鈴々はある夢を見ていた。
〜鈴々の夢の中〜
鈴々「やっ!とうっ! 」
ブンブンッ!
中庭にていつものように蛇矛を振るいまくる鈴々
すると
ブヒッ!
鈴々の視界に一匹の子豚がうつった。
子豚を見た鈴々は
鈴々「美味しそうなのだ〜♪今日の晩飯にしてもらうのだ! 」
バッ!
子豚に飛びかかる鈴々
ブヒッ!?
ダダーッ!!
だが子豚も食われてたまるかと思っているかのように必死で逃げまくる!
鈴々「待つのだ晩飯ーっ! 」
ダダーッ!!
逃げる子豚、追う鈴々
二人の追いかけっこがしばらく続き
サッ!
子豚は朱里の部屋に逃げ込んだ。
鈴々「よしっ!部屋の中に入れば豚だけど袋のネズミなのだ! 」
サッ!
子豚の後を追って鈴々も部屋に入る
そして子豚を部屋のすみに追い詰めた!
ブヒッ!?
鈴々「ふふふっ!観念するのだ! 」
バッ!
鈴々は子豚めがけて飛びかかる!
だが
サーッ!
鈴々「あっ!? 」
鈴々が飛びかかった瞬間、子豚はそのまま走って逃げていった。
鈴々「しまったのだ!? 」
逃げられたことを悔やむ鈴々だが
そんな時間はない
何故ならば…
キィーンッ!
鈴々「ふえっ!? 」
ゴッチーンッ☆ミ
飛びかかった鈴々はそのまま壁に激突してしまったからだ。
鈴々「ふにゃっ!? 」
ドンッ! ガチャンッ!
壁にぶつかってはね飛ばされた鈴々はそのまま机に当たってしまう
鈴々「いたた…。そういえば何か壊れるような音がしたけど何なのだ? 」
スッ!
鈴々が机の周辺を見てみると
鈴々「にゃにゃっ!? 」
ジャーンッ!
そこには割れてしまった硯があった。
鈴々「どうしよう!?このままじゃ朱里に物凄く怒られてしまうのだ!?こうなったら硯をこっそり隠して… 」
くるっ
鈴々は割れた硯を集めてどこかに隠そうとして後ろを振り向くと
バンッ!
鈴々「うわっ!? 」
鈴々の真後ろにタンポポがいた。
タンポポ「にひひっ!見ーちゃったよ♪ 」
鈴々「あわわっ!? 」
ガバッ!
鈴々「朱里には内緒にしてくれなのだ!ってあれ? 」
さっきの衝撃で鈴々は夢から覚めたようだ。
鈴々「夢だったのか!?ホントに夢ならよかったけど現実なのだ!? 」
先程の鈴々の夢は実際起きたことである。
鈴々「うぅ…途中で起きたせいでおしっこいきたくなったのだ! 」
ササーッ!
鈴々は直ぐ様トイレに向かう
バタンッ!
鈴々「何とか漏らさずにすんだのだ!?ここで漏らしたら翠に笑われてしまうのだ 」
その頃、泰山に向かった翠と星は
翠「くしゅんっ! 」
とある洞穴にて休んでいた。
星「おや翠よ、風邪でも引いたのか? 」
翠「そんなんじゃねぇよ。きっと誰かがあたしの噂をしてやがるな 」
翠が言うと
星「これは私の勘だがおそらく、いとしの者が翠の噂をしているのだろう 」
翠「バ…バカッ!!何で一刀なんだよ!/// 」
星「おや〜♪私は一刀殿だと言っていないがな♪ 」
翠「うっ!? 」
うっかり引っ掛かってしまった翠であった。
ところ変わって水鏡先生の家
鈴々「早く戻って寝るのだ 」
トイレを済ました鈴々が部屋に戻ろうとする。
その時!
タタタッ!
誰かが走っているのを見つけた。
鈴々「こんな夜中に誰なのだ? 」
じーっ!!
鈴々がその人物をじーっと見てみると
きょろきょろっ
その人物は大きな荷物を背負って辺りをきょろきょろしていた。
これを見た鈴々は
鈴々「泥棒なのだ!? 」
びくんっ!?
タタタッ!
鈴々の声に気づいたその人物は急いで逃げようとする
鈴々「待つのだ泥棒! 」
ダダーッ!!
鈴々は泥棒の後を追いかけるが距離がありすぎて逃げられそうになる
?「ハァハァ…!? 」
そして泥棒がようやく入り口にたどり着いたその時!
スッ!
?「あわわっ!? 」
入り口から一刀が現れた。
一刀「鍛練のために外に出ていたらまさか泥棒に出くわすなんてな 」
?「あわわっ!? 」
ダッ!
泥棒は一刀から逃げようとするが
一刀「俺から逃げようなんて甘い! 」
ガシッ!
?「あわわっ!? 」
一刀は泥棒を羽交い締めにして捕まえた。
一刀「さぁ泥棒観念し… 」
一刀が最後まで言おうとすると
フワッ!
泥棒の髪からいい臭いがしてきた。
一刀「(泥棒にしてはいい臭いだな。それにこの臭いはどこかで嗅いだことがあるような…) 」
一刀が考えていると
愛紗「泥棒はどこだ! 」
ダダッ!
一刀の元に愛紗達が現れた。
鈴々「正体を見せるのだ! 」
パッ!
そして鈴々が手に持っている明かりで一刀に羽交い締めされている泥棒を照らしてみると
バンッ!
雛里「あわわ!? 」
朱里「雛里ちゃん!? 」
そこには雛里がいた。
しばらくして
水鏡「こんな遅くに食べ物を持ってどこに行こうというの? 」
あの後捕まえた雛里から理由を聞くため一旦家の中に戻ると
雛里「な…南蛮です 」
水鏡「何で南蛮に行くのですか? 」
水鏡先生が聞くと
じわ〜!
雛里の目に涙がたまっていき
雛里「ごめんなさいでしゅ!? 」
雛里は泣きながら謝った。
朱里「どうして雛里ちゃんが謝るんですか!? 」
雛里「実は南蛮象のへそのゴマを私が無くしてしまったんです! 」
雛里の話を聞くと
ある日のこと
ぱたぱたっ!
雛里が倉庫の掃除をしていると
雛里「これ何だろう? 」
パカッ!
雛里は箱にあった南蛮象のへそのゴマに興味を持って開けてみた。
すると
ふわふわっ!
舞い上がったホコリが雛里に直撃し
雛里「は…は…ハクションっ! 」
雛里は思わずくしゃみをしてしまった。
その時!
ブワーッ!
雛里のくしゃみで南蛮象のへそのゴマが吹き飛ばされてしまった!
雛里「あわわ〜!? 」
慌てて広い集める雛里だがもう手遅れである。
へそのゴマは風に飛ばされてしまった。
ということがあったのだ。
雛里「先生に叱られるのが怖くて言えなかったんです!だから私が南蛮に行ってへそのゴマを取りに行こうとしたんです! 」
雛里が言うと
朱里「何故早く言わなかったんですか 」
雛里「えっ!? 」
朱里「叱られるのが怖いからって隠しておくのはダメです!最初から正直に言えばしかられなかったはずです! 」
いつもはわはわ言っている朱里が珍しく怒鳴っていた。
水鏡「雛里、何故朱里が怒っているのかわかりますか?無くしたからではなく、隠しとおそうとしたからですよ 」
水鏡先生が言うと
雛里「ひくっ!ごめんなさいでしゅ! 」
そしてそれから雛里は泣き続けた。
しばらくして
雛里「スースー… 」
一刀「さっきまで泣いていた顔とは思えない寝顔だな 」
泣き疲れて眠った雛里をお姫さまだっこしながら部屋に運ぶ一刀
一刀「それにしてもさっきの朱里はすごかったな!?いつもはわはわ言っている人とは思えない!? 」
朱里「からかわないでくださいよ!♯ 」
さすがの朱里も怒る
一刀「それでどうする気だ? 」
朱里「それはもちろん南蛮に行って… 」
一刀「旅じゃない。鳳統のことだ 」
スッ!
一刀は自分の腕の中で眠る雛里を見つめる
朱里「それは… 」
一刀「朱里だってこの子の姉がわりなんだから色々と教えなくちゃいけないだろう。だったら答えは一つだろ 」
朱里「そうですよね 」
そして次の日
南蛮に向けて旅立とうとする一刀達
すると
朱里「雛里ちゃんも一緒に来てください 」
雛里「えっ!? 」
朱里の突然の言葉に驚く雛里
朱里「へそのゴマを無くした罰として一緒に旅にいきましょう 」
朱里が言うと
雛里「わかったよ朱里ちゃん♪ 」
にこっ!
雛里は笑顔で答えるのだった。
そして
雛里「それでは先生、行ってきます 」
身支度を済ませた雛里は水鏡先生に別れを言う
水鏡「雛里も元気で行ってらっしゃい♪あっ!それと朱里に渡すものがありました 」
朱里「私にですか? 」
すると水鏡先生は
スッ!
水鏡「私が昔使っていた羽毛扇です。持っていきなさい 」
朱里「水鏡先生、ありがとうございます! 」
ダッ!
そして新たに雛里を仲間に加えた一刀達は旅を続けていく
朱里「うっもうせんー!うっもうせんー! 」
水鏡先生から羽毛扇をもらってご機嫌な朱里
鈴々「… 」
それを見ていた鈴々は
鈴々「朱里、ちょっといいかなのだ! 」
朱里「何ですか鈴々ちゃん? 」
鈴々は朱里を呼び止めると
鈴々「実は朱里の部屋にあった硯をうっかり壊したことを内緒にしていたのだ!ゴメンなのだ! 」
鈴々はおもいきって朱里に謝った。
すると
朱里「へぇ〜、最近どこかに消えてしまったかと思ったら鈴々ちゃんのせいでしたか〜 」
にこっ
朱里はにっこり顔だが
朱里「よくもあの硯を!あの硯は水鏡先生からもらった大事な硯なんですよ。それをよくも…♯ 」
ゴゴゴッ…!!
朱里の顔がどんどん恐ろしくなっていく
鈴々「で…でもちゃんと謝れば許してくれるって!? 」
朱里「時と場合によります!よくもーっ!♯ 」
バッ!
朱里は鈴々に襲いかかる!
鈴々「許してなのだ〜!? 」
朱里「絶対許しません!♯ 」
ダダダーッ!!
そのまま二人は追いかけっこをしあう
雛里「あわわ!? 」
タンポポ「鈴々も言わなきゃよかったのに!? 」
桃香「あんなに恐ろしい朱里ちゃん見るの初めてだよ!? 」
愛紗「確かに鈴々が悪いな 」
一刀「アハハ 」
思わず一刀が笑うと
鈴々「お兄ちゃん助けてなのだ!? 」
鈴々は一刀に助けを求めにやってきた。
一刀「鈴々が悪いんだから大人しく罰を受けなさい♪ 」
ガシッ!
鈴々「ふえっ!? 」
一刀が鈴々を羽交い締めにして動けなくすると
朱里「一刀さん、そのままでお願いします♯ 」
スッ!
朱里が一刀に近寄ってくる!
鈴々「ひっ!?ぎゃーっなのだ!? 」
この後、鈴々は朱里に散々謝ってようやく許してもらえたという
次回、呉での騒動