「南の島でバカンス前編」
OVA編第二弾です。
ちなみにこの話の一刀と愛紗の関係は幼馴染みになっています。
それは今より二日前のある夏の日
カッ! ザッパーンッ!
輝く太陽、打ち上げる波
そして…
バァーンッ!!
大胆な水着姿で横になる紫苑先生
紫苑「日差しが少し強いわね 」
いかにも海にいるような台詞を言っているが実際は
璃々「お母さんお腹空いたぁ〜! 」
紫苑「あらあら、今すぐお昼を用意するからね 」
自宅の庭でバカンスを楽しむ親子だった。
璃々「璃々も海に行きたいよ〜! 」
紫苑「わがまま言わないの!自宅で我慢しなさい 」
今フランチェスカ学園のみんなは新しく生徒会長になった麗羽の権限によって昨日から南の島にバカンスに行っているのだ。
そんなとき
ピンポーンッ
璃々「はぁーい 」
紫苑「こんな時間に誰かしら? 」
玄関からチャイムが聞こえてきて璃々が庭から玄関に向かうと
璃々「あっ!お兄ちゃんだ♪ 」
一刀「よっ!璃々ちゃん♪ 」
そこには一刀がいた。
一刀「紫苑先生いる? 」
一刀が璃々に聞くと
紫苑「先生に何か用? 」
一刀「あの、実は… 」
一刀が紫苑の姿を見た瞬間
一刀「ぶはっ!? 」
ブーッ!!
一刀の鼻から鼻血が噴き出された。
一刀「なんて格好してるんですか!? 」
紫苑「だってここは私の家だもの、それより何か用なの? 」
一刀は鼻血を拭き取ると
一刀「多分紫苑先生も璃々ちゃんも暇でしょうから二人を南の島に招待してあげようと思いましてね 」
璃々「ホント!?お母さん行こうよ〜♪ 」
紫苑「行くのは構わないけど、それより一刀くんもみんなと一緒に南の島に行ったんじゃなかったの? 」
一刀「まぁ色々とありまして 」
紫苑「わかったわ、深くは聞かない。支度するからちょっと待っててね♪ 」
さてその二日後、南の島に向かうため麗羽の用意した豪華客船に乗っている愛紗達は
愛紗「はぁ〜 」
鈴々「何だか愛紗の元気がないのだ 」
朱里「どうしたんでしょう? 」
二人が愛紗を心配すると
星「それもそうであろう。何せ折角新しい水着姿を一刀殿に見せようと思ったのに一刀殿がいないのだからな 」
愛紗「あぁそうだ…って違う!/// 」
図星であった。
翠「それにしても案外麗羽ってケチだよな。全員連れてってくれるかと思ったら『わたくしの船に男は不要ですのよ!』って言って一刀だけ置き去りにしたんだからな 」
朱里「今頃一刀さんはどうしてるんでしょうか? 」
愛紗「心配すること無い!あいつのことだからどうせ部屋でゴロゴロしながらエロ本でも読んでいるのだろう 」
星「さすがは奥様、旦那のことには詳しいですな♪ 」
愛紗「誰が奥様だ!誰が旦那だ!♯ 」
愛紗が星に対して怒ると
鈴々「それにしても全然船が進まないのだ〜 」
南の島は目の前だというのに全然船が進まないことをぐちる鈴々
その理由は…
麗羽「猪々子!まだ船の修理は終わりませんの!♯ 」
猪々子「そんなこと言われても麗羽様、あたいの技術の成績はわかっているでしょう!? 」
麗羽「ならば真桜さんを呼んできなさい! 」
斗詩「麗羽様、真桜さんって誰ですか? 」
この話はOVA2が元になっているのでOVA2に出ていない真桜は登場していない。
猪々子「だいたいおかしいんですよ。きっちり人数が乗るよう計算されているのに重量オーバーでエンジントラブルするなんて!? 」
麗羽「あなた達が重いからでしょう! 」
猪々子「そんな!?最近お肉がついてきた斗詩なら兎も角あたいは太っていませんよ!? 」
斗詩「文ちゃん!♯ 」
実をいうとエンジントラブルの原因は…
動力室
美羽「フフフッ!麗羽め、妾がいない間に生徒会長なんぞになったあげく学園のみんな(一部除く)を南の島に連れていくとは! 」
七乃「さすがはお嬢様ですね〜♪その勢いで密航までしちゃうんですからね〜♪ 」
美羽「にゃははっ!もっと誉めてたもう♪ 」
この二人が密航したせいで船にエンジントラブルが起きたのだった。
華琳「ちょっと麗羽!島は目の前だというのにまだ動かないの!♯ 」
蓮華「いつまでもこんなことしていたら登校日になってしまうではないか!♯ 」
いつまで経っても船が進まないことに苛立つみんな
麗羽「うるさいですわね、人間我慢が一番大事ですのよ 」
華琳「あなたにだけは言われたくないわよ!♯ 」
確かにいつも我慢ができない性格の麗羽にだけは言われたくない台詞である。
みんなが船で揉めていたその時
鈴々「あっ!お兄ちゃんなのだ!お兄ちゃ〜ん♪ 」
愛紗「何を言っているのだ鈴々? 」
翠「一刀がこんなとこにいるはず無いだろ 」
スッ!
そして鈴々が見ている方角を見てみると
バシャバシャーッ!!
スワンボートが物凄い勢いで走っていた。
しかも運転席には
一刀「ヤッホー! 」
一刀が運転していた。
璃々「お兄ちゃんはや〜い♪ 」
一刀「ハハハッ!いざという時のためにスワンボートを買っておいてよかったぜ! 」
何のために使う気だ!?
紫苑「そういえば一刀くん、君って乗り物酔いが激しいんじゃなかったっけ? 」
確かに一刀は陸から離れた乗り物に乗るとすぐに酔う体質なのだが
一刀「それなら心配ありませんよ、朝に酔い止め一箱飲んでおきましたから 」
※真似してはいけません。
そして一刀がスワンボートを走らせていると
璃々「お兄ちゃん、あそこに船があるよ 」
愛紗達が乗っている船を見つけた。
一刀「あれは多分麗羽の船だな 」
一刀が言うと
鈴々「お兄ちゃ〜ん 」
鈴々の声が聞こえてきた。
麗羽の船
ずこっ!!
一刀の姿を発見してずっこける愛紗達
愛紗「あいつは何をしているんだ!? 」
朱里「スワンボートで追い付くなんてさすが一刀さんですね!? 」
というのも一刀が足に気を送り込んでいるためである。
翠「あいつだからできることだよな!? 」
鈴々「お兄ちゃ〜ん! 」
一刀「まだ島に着いていなかったのか〜? 」
一刀が大声で叫ぶと
鈴々「船にトラブルがあったようなのだ 」
大声で返事をする鈴々
一刀「だったら引っ張ってやるから強い縄を下ろしてくれ! 」
?
みんなは?を浮かべるが
星「なるほどな。袁紹よ強い縄を用意してくれ! 」
愛紗「お前は一刀がやろうとしていることがわかるのか? 」
星「もし私の思っていることならすごいことが起きるぞ 」
スッ!
そして船から強力な縄を投げ下ろすと
ギュッ!
一刀「これでよし! 」
一刀はスワンボートと船を縄で繋いだ。
一刀「紫苑先生、璃々ちゃん、危ないからしっかり掴まっていてください 」
璃々「うんっ! 」
紫苑「わかったわ 」
ガシッ!
そして二人がその辺にしがみつくと
一刀「気力全開! 」
パァーッ!
一刀の体が光輝き
一刀「うおりゃーっ!! 」
こぎこぎっ!!
ペダルをこぎまくる一刀
すると
ぐぐっ…
朱里「はわわ!? 」
愛紗「一刀のやつ、船をスワンボートで引っ張るつもりか!? 」
愛紗の言う通りである。
普通なら無茶な話なのだが
ゴゴゴーッ!!
一刀はスワンボートで船を引っ張った。
鈴々「お兄ちゃんすごいのだ!? 」
朱里「はわわ〜!? 」
翠「こりゃ人間離れしてるじゃねぇか!? 」
星「私の予想が当たったな 」
そしてついに
ドーンッ!!
船は島にたどり着いた。
愛紗「大丈夫か一刀!? 」
島に着いた途端、愛紗が船から降りてスワンボートに向かうと
一刀「ハァ〜ハァ〜!? 」
そこには疲れきって汗だくになった一刀がいた。
気は生命の源であり大量消費すると死に至る危険があるのだ。
愛紗「こんなにボロボロになるまで気を使いおって!?このバカモノ!? 」
ガバッ!
愛紗は一刀を抱き起こす
一刀「あ…愛紗、今まで迷惑かけてごめん。俺は死んだ婆ちゃんのところにいくよ… 」
ガクンッ…
そして一刀は力尽きた。
愛紗「かずとーーっ!? 」
それからしばらくして
カッ!ザザーッ
一刀「青い空、白い海、そして… 」
パァーンッ♪
一刀「水着の女の子!イエーイ♪ 」
一刀が倒れた後、女子達が水着に着替えて島に到着した途端、さっきまで死にかけていた一刀が元気になったのだった。
一刀「ピーチにメロンにさくらんぼ♪夏はフルーツが食べ頃だぜ♪この記録をカメラに納めねば♪ 」
エロオヤジかお前は!
一刀が持ってきたビデオカメラで女子達の水着姿を撮りまくっていると
ザッ!
愛紗「か〜ず〜と〜♯ 」
一刀「(ドキッ!?) 」
そこに怒り狂った愛紗がやって来た。
愛紗「お前という奴は〜♯ 」
ポキポキッ!
愛紗は腕を鳴らしながら一刀に迫る。
一刀「(やばい!?このままでは殺される!?) 」
と感じた一刀はある作戦に出た。それは…
スッ!
自分から愛紗に近寄ると
一刀「愛紗、水着姿素敵だよ(ボソッ) 」
と愛紗の耳元で言った瞬間
愛紗「(ボンッ!)な…何バカなことを言ってるんだ!?/// 」
一刀の言葉に顔を赤くする愛紗
ガシッ!
そして一刀は愛紗の肩をつかむと
一刀「バカなことなんて言っちゃいないよ。俺の目は愛紗しか写らないからさ 」
愛紗「か…一刀/// 」
ドキドキッ
一刀の言葉に心臓が爆発寸前の愛紗
一刀の作戦は成功したかに思えたが
紫苑「一刀く〜ん、サンオイル塗ってくれな〜い♪ 」
と紫苑が言うと
ビュンッ!
一刀は愛紗から離れて
一刀「もちろんですとも!前も後ろも塗らせてもらいます! 」
と紫苑に言う一刀
だが、これがいけなかった。
ゴゴゴッ…!!♯
一刀「はっ!? 」
そして一刀が気づいた時には
愛紗「この馬鹿者ーっ!!♯ 」
ドッカーーンッ!!☆ミ
キランッ☆
一刀は愛紗の怒りのゲンコツによって遠くに殴り飛ばされた。
愛紗「あんな馬鹿はほっておいて遊ぶぞ♯ 」
さて海岸で愛紗達が遊びまくっている頃、密航した美羽達は
七乃「お嬢様、頑張りましょうね♪ 」
美羽「うむっ、この『にゃんばん島』にあるという伝説の宝は妾がいただくのじゃ! 」
七乃!まさか麗羽さんの別荘のある島が隠された宝のあるにゃんばん島だったなんて流石は袁家の幸運を受け継ぐ美羽様ですね 」
美羽「わははっ!もっと誉めてたもう!宝を見つけて妾が生徒会長になるのじゃ! 」
宝探しを開始する美羽達だった。
水着姿を見たい人はOVA二巻を見てください!