「黄巾の乱前編」
桃花村に帰ってきた一刀達
だが帰った途端に曹操(華琳)が現れた。
桃花村・庄屋の屋敷
華琳「久しいわね関羽(愛紗)、北郷 」
愛紗「曹操殿も久しいな 」
一刀「何か用なの? 」
一刀は華琳が桃花村に来た理由を聞くと
華琳「あなた達は黄巾党を知ってる? 」
鈴々「抗菌刀? 」
タンポポ「悩筋党? 」
それぞれが黄巾党について言っていると
一刀「黄巾党だと!? 」
一刀が一番驚いていた。
忘れがちな設定だが一刀は天の国(現代)からやって来た三国志マニアであり黄巾党の存在も知っていた。
華琳「北郷は知っているようね 」
一刀「名前くらいわね、でそれがどうしたんだ? 」
一刀が聞くと
華琳「最近その黄巾党が各地で暴れまくっているのよ、その主犯格は張三姉妹と言って数え役満姉妹という集団なのよ。そしてついに我が領内にも入ってきたから討伐することになったわけだけども力は多い方がいいからね、あなた達に協力をお願いしたいのよ 」
華琳が言うと
桃香「数え役満姉妹って、もしかして天和さん達!?私はいきます! 」
非力なのに参加しようとする桃香
一刀「だったら俺も行くぜ!あの娘達が黄巾党なんて集団を使うなんて信じられないからな! 」
一刀が参戦すると聞き
愛紗「一刀殿をほっておくとスケベなことをやりかねないからな、監視のためについていこう! 」
鈴々「愛紗と桃香お姉ちゃんが行くなら鈴々も行くのだ! 」
朱里「軍師として私もいきます! 」
翠「ならあたしも… 」
翠も行こうとするが
ぽんっ!
翠「へっ? 」
紫苑「翠ちゃん、私達はお留守番よ♪ 」
紫苑に肩を叩かれ
翠「何でなんだよ〜!? 」
紫苑「この小説、基本は原作を元にしてるじゃない、私達はアニメに出てないでしょ♪ 」
伽留「紫苑は何を言ってるの? 」
ということで翠、紫苑、伽留、タンポポを除くみんなで出陣することになった。
魏軍本部
桂花「げっ!?何であんたがここにいるのよ!? 」
一刀「開口一番がそれとは相変わらずだな荀イク!? 」
桂花にいつも通りの台詞を聞かされた後
一刀達は本部の天幕に移動するがその途中…
ズシンッ!
一刀「うおっ!? 」
最後を歩いていた一刀の背中に何かが乗っかった。
一刀「こら鈴々!やめろって!? 」
鈴々「にゃっ?鈴々はここにいるのだ 」
鈴々は一刀の前にいた。
一刀「それじゃあ曹操のところで飛び付く人といったら程イク(風)か? 」
風「風はここにいるのですよ 」
宝ケイ『女を間違えるなんて最低だぜ兄ちゃん! 』
風も天幕に入ってきた。
一刀「じゃあ一体… 」
スッ!
一刀が背中を見てみると
美羽「やっぱり一刀なのじゃ〜♪会いたかったのじゃ〜♪ 」
一刀「美羽!? 」
バンッ!
一刀の背中には美羽(袁術)が張り付いていた。
華琳「したくなかったけど袁紹よりマシだと思って袁術にも援軍の要請をしたのよ 」
愛紗「それより一刀殿!?いつの間に袁術の真名を!? 」
一刀「あぁ、それは… 」
前に一刀達が袁術の領地に行った時、ホットケーキのお礼として美羽と七乃の真名を預かった一刀だった。
美羽「また一刀のホットケーキが食べたいのじゃ!作ってたもう♪ 」
一刀「今は軍義中だから後でね!? 」
何とか美羽を静める一刀
華琳「それじゃあ軍義を… 」
ようやく華琳が軍義を始めようとしたその時!
春蘭「華琳様!?天幕を覗こうとしたくせ者を捕らえました! 」
春蘭がいきなり入ってきて
ドサッ!
華琳の前にくせ者を突きだした。
華佗「ぐえっ!? 」
一刀「お前は華佗じゃないか!? 」
くせ者の正体は華佗だった。
そして華佗の姿を見た瞬間
ジャキンッ!
華琳「久しいわね華佗♯ 」
ゴゴゴッ…!!
華琳が死神鎌・絶を構えて華佗の前に立ちはだかった。
華佗「ひっ!? 」
華琳「前はよくも私に恥をかかせてくれたわね!♯ 」(39話『華琳の病と風呂騒動』参照)
ジャキンッ!
華琳「あなたに会ったら殺すと言ったのにいい度胸してるじゃない!♯ 」
ブォンッ!!
華琳は絶を振り上げる。
華佗「ま…待ってくれ!?俺は黄巾党について詳しく教えに来たんだ!? 」
華琳「なら話なさい。ただし、つまらない話だったらすぐに首を斬ってあげるからね♯ 」
ギュッ!
華琳は絶を放すのをやめない。
華佗「では言わせてもらおう!?黄巾党の党首である張三姉妹は太平要術の書に操られている! 」
愛紗「太平要術の書だと!? 」
一刀「前に聞いたけど確か持つ者の望みを叶える怪しい本だったよな!? 」
華佗「あぁ、そしてその書は現在張三姉妹が持っている。初めは大陸の人気者になりたいだけに太平要術を使ったようだが次第に太平要術の書に乗っ取られているんだ! 」
風「ほほ〜、使うつもりがいつの間にか使われたわけですか 」
華佗「あぁ、このままでは大陸が危険にさらされてしまう!阻止するには太平要術の書を封印するしかないんだ! 」
桂花「だったら簡単じゃありませんか、張三姉妹ごと太平要術を始末すればいいんですよ! 」
桂花が言うと
桃香「そんなのダメですよ!天和さん達だって太平要術に操られた被害者なんですよ! 」
華琳「甘いわよ劉備!戦いは必ず勝たなくちゃいけないの、多少の犠牲は仕方ないわ! 」
桃香「でも… 」
一刀「だったらひとつ聞くが曹操、あんたがもし太平要術を使った大事な仲間を見つけたとしても殺すことができるのか? 」
一刀の質問に華琳は
華琳「当たり前じゃないの!犠牲は仕方がない… 」
華琳のこの言葉に
ダンッ!
一刀「いい加減にしろよ♯ 」
一刀がキレて
スッ!
華琳「ちょっと!どこに行く気よ!? 」
一刀「俺は人を犠牲にするような奴と同じ空気を吸いたくないんでな外で待たせてもらうぜ 」
一刀は天幕の外に出ていった。
だがその時!
一刀「ついでにネズミを退治してくるよ 」
と言って外に出ていった。
桂花「何よあいつ!華琳様に向かってなんて口を!♯ 」
春蘭「その通りだ!首をはねてやる!♯ 」
魏軍が一刀に怒るなか
愛紗「待てっ!一刀殿はネズミを退治しにいっただけだ! 」
鈴々「ネズミ? 」
愛紗「一刀殿は一刀殿に任せて我々は我々なりに何とかするしかないだろう 」
愛紗は一刀がどうしてあんな行動に出たのか理解していた。
そしてその頃、天幕から離れた場所では
?「フッ!あいつらを殺すくらいなんて俺にとっては容易いことだな 」
何者かが天幕を見ていた。
ジャキンッ!
?「奴ら全員を皆殺しにしてやるぜ! 」
何者かが刀を取り出すと
一刀「そうはさせないぜ! 」
バンッ!
?「貴様!?なぜここに!? 」
一刀が何者かの後ろに現れた。
一刀「あんたほど殺気を飛ばしている奴ならすぐにわかるんだよ 」
それは一刀が気を探る力に長けていたからである。
一刀「黄巾党の手の者か? 」
泉華「フッ!その通り、俺の名は鬼将知優。真名は泉華。黄巾党を陰で操る于吉に雇われた殺し屋だ! 」
一刀「真名まで教えてくれるなんてな 」
泉華「当然だろう、これから死ぬ者に真名を預けないとな! 」
ジャキンッ!
周りが知らない中で二人の戦いが始まる。
一方その頃、
黄巾党本部
天和「ハァ〜!?どうしてこうなっちゃったんだろう? 」
地和「あいつらが暴れまくるせいで役人にまで目をつけられちゃったじゃないの!誰のせいよ!♯ 」
人和「ちぃ姉さんが役人を追い払ってっていうから 」(52話『朱里と雛里』参照)
地和「ちょっと!ちぃが悪いっていうの!♯ 」
天和「ケンカはやめてよ〜!?太平要術なんてもういらないよ〜!!いくら太平要術に『みんなを元に戻して』って言っても変わらないしさ〜!? 」
もはや太平要術の力は張三姉妹に抑えきれるものではなくなっていた。
地和「止めたくても太平要術に操られて勝手に歌わせるから最悪〜!? 」
人和「自殺しようとしても太平要術に操られてできないしね 」
むしろやる勇気がない
天和「ハァ〜、こういう時私達を助けてくれる騎士が現れるんだよね〜 」
地和「また姉さんは童話の世界に入っちゃって!? 」
三人が話していたその時!
黄巾兵「失礼します!黄巾党討伐軍の姿が見えました! 」
地和「げげっ!? 」
人和「とうとうこの日が!? 」
ダッ!
三人が外に出てみると
ドンチャンチャーンッ!
そこには大きな移動舞台があり
華琳「黄巾党張三姉妹に告ぐ、我々と歌で勝負しなさい! 」
モワァ〜ッ!!
そして舞台から煙が吹き出すと
美羽「妾が歌うのじゃ〜♪ 」
七乃「お嬢様素敵です〜♪ 」
稟「ハァ〜!? 」
ステージ衣装に着替えた美羽達が現れた。
何故こんなことになったのかと言うと
一刀が出ていった後
華佗「実は一つだけ武力を使わず太平要術の書の力を封じ込める方法がある 」
愛紗「そんな手があるのか!? 」
華琳「一体どんな手なの!? 」
華佗「太平要術の力に対抗できる力は太平要術の力しかない 」
スッ!
華佗は一冊の本を懐から取り出した。
華佗「これは俺の師匠から預かった太平要術の模造品だ。本物より力は低いが多少の力は使える。彼女達は太平要術の力を歌に利用している。つまりこちらも太平要術の力を使って歌で競いあうんだ。そして勝った方が力を失う 」
華佗が言うと
桃香「つまりこちらも歌で競いあわなきゃいけない、つまり歌に自信がある人しかできない 」
鈴々「だったら鈴々がやるのだ! 」
愛紗「お前は熊の歌しか歌えないだろう! 」
華琳「我が軍でいうなら… 」
春蘭「私がやります! 」
秋蘭「姉者、姉者は声には自信があるが音痴だろう 」
誰が出るのか話し合っていると
美羽「妾が出るのじゃ! 」
七乃「私も歌には自信があります! 」
出場しようとする二人
風「確か稟ちゃんも歌には自信がありましたね〜 」
稟「ちょっと風!? 」
華琳「なら稟、これは命令よ。出なさい! 」
ということがあり、三人が出ることになったのだ。(他のみんなは移動舞台に隠れている)
桃香「(天和さん達は絶対私が助けてあげますからね) 」