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「袁術の城にて」

恋と別れた一刀達は袁術の城に向かっていた。


一刀達が袁術の城に着く少し前のこと


袁術の城


袁術「にゃはは〜!もっと歌うのじゃ!騒ぐのじゃ! 」


民達が貧しく暮らしているなか、袁術は昼間から踊り子を呼んで贅沢三昧(ぜいたくざんまい)していた。


袁術「うにゅ〜っ!(わらわ)はお腹が空いたのじゃ!蜂蜜水を持ってきてたもう! 」


袁術が言うと


張勲「いけませんよ美羽(袁術の真名)様!さっき蜂蜜水を飲んだばかりじゃないですか!それ以上飲んでこの間のようにぽんぽん(お腹)が痛くなってもしりませんよ! 」


美羽「うっ!?それは嫌なのじゃ!?しかし最近楽しいことがなくて退屈なのじゃ! 」


張勲「だったら芸者さんでも雇いましょうかね。また村の人から税金を搾り(しぼり)取ってパァーッとやりましょうよ! 」


美羽「そうなのじゃパァーッとやるのじゃ! 」


二人して悪徳三昧であった。


その時!


兵「申し上げます!劉備という者が袁術様に会いたいといっておりますが 」


美羽「劉備?誰なのじゃ七乃(張勲の真名)? 」


七乃「さぁどこかの田舎者じゃないですか? 」


仕方がなく会うことにした二人


玉座の間


桃香「お初にお目にかかります袁術様、我が名は劉備と申します 」


美羽「早く用件を言ってたもう、妾は忙しいのじゃ! 」


さっきまで退屈だったくせに


桃香「実は袁紹様から譲られた宝剣を返してもらいに来ました。これがその令状です 」


スッ!


桃香が前に斗詩からもらった令状を渡すと(35話『宝剣争奪勝負後編』参照)


七乃「どれどれ、この令状によると…『お渡しした宝剣は劉備殿のものですから至急返してください』と書いておりますね 」


美羽「嫌じゃ!あれは妾が麗羽に『バカには見えない服』と交換で手に入れたものじゃ! 」


何がなんでも宝剣を渡したくない美羽


桃香「そこをなんとかお願いします! 」


美羽「嫌じゃと言うておるじゃろう!とっとと帰るのじゃ! 」


このままでは追い出されかねないと思われたその時!


鈴々「愛紗 」


愛紗「静かにしろ鈴々!何の用だ!? 」


鈴々「今気付いたけどお兄ちゃんの姿が見えないのだ 」


愛紗「えっ? 」


愛紗は辺りを見渡してみるがこの場にいたのは


愛紗、鈴々、桃香、星、海、朱里、美羽、七乃しかいなく一刀の姿がなかった。


星「そういえばいつの間にか一刀殿の姿が見えませぬな 」


朱里「一刀さんって案外脱走の名人ですからね!? 」


だから周りに気にされず女湯に行ったりすることができるのであろう。


海「この城がデカイから迷子になってるんじゃないの? 」


桃香「でも確かに城に入る前までは一緒だったよ 」


みんなが一刀を探していると


ガラッ!


兵「袁術様!? 」


美羽「何なのじゃ? 」


兵「突然厨房(台所)に怪しげな男が入ってきて料理をしています!? 」


愛紗「もしかしてそれって!? 」


ダダッ!


愛紗達は厨房の方に向かう。


するとそこには


一刀「シュッ!シュッ! 」


何かを作っている一刀がいた。


しかもその手には


美羽「あぁ〜!?妾の大事な蜂蜜を!? 」


調理師「すみません!あの男が蜂蜜を使えば良いものが作れるというので少し渡しました 」


一刀「よしっ!完成! 」


そしてそうこうしている間に一刀の調理が終わった。


鈴々「お兄ちゃん、何を作っているのだ? 」


一刀「おわっ!?鈴々じゃないか!? 」


いきなり一刀に乗る鈴々


愛紗「まったく!急に姿を消したかと思ったら何をしていたんですか!♯ 」


一刀「ごめんごめん!?歩いていたら厨房から蜂蜜の臭いがしたからあれが作れるかなと思ってさ!? 」


鈴々「あれって何なのだ? 」


スッ!


一刀が指差した先には


ジャンッ!


ホットケーキがあった。


美羽「何なのじゃこの菓子は? 」


一刀「ホットケーキっていうお菓子だよ 」


鈴々「掘っとけ木? 」


一刀「まぁともかく食べてみなよ 」


美羽「どれどれ… 」


パクッ!


美羽が一口食べてみると


美羽「うっ…うまいのじゃ〜!?仏木なんて物は知らないが美味しすぎるのじゃ♪ 」


ぱくぱくっ!


次々とホットケーキを食べていく美羽


美羽「美味しかったのじゃ♪ 」


そして美羽はホットケーキを完食すると


美羽「このような食事を作ってくれた礼に話を聞いてやるのじゃ 」


一刀のホットケーキのおかげで上機嫌の美羽


桃香「本当ですか!?ありがとうございます! 」


再び玉座の間


美羽「じゃがのぅ、タダで宝剣を渡すわけにはいかぬのう 」


鈴々「お兄ちゃんの掘っとけ木食べといて図々しい奴なのだ! 」


愛紗「落ちつけ鈴々! 」


話は簡単には進まない。


そんなとき


七乃「(ポンッ!) 」


七乃が何かをひらめいた。


七乃「お嬢様〜、確か森の奥深くに古くさいお堂がありましたよね〜 」


美羽「あぁ、あのボロか。それがどうしたのじゃ? 」


七乃「近々取り壊す予定なんですけど最近お堂に化け物が出てきて困っているという報告があるんですよ 」


美羽「何とな!? 」


七乃「ですからこの人達に化け物を退治してもらうというのはどうでしょうか? 」


美羽「おぉ、さすが七乃なのじゃ!というわけだから化け物を退治してくれば宝剣を返すぞよ 」


美羽が言うと


桃香「わかりました。おまかせください! 」


引き受ける桃香だが


愛紗「えっ!? 」


鈴々「勝手に決めないでほしいのだ!? 」


桃香を止めようとする二人


星「おや〜、まさか鬼が裸足で逃げ出す程の強さを持つ関羽とその相方の張飛が逃げ出すなんておかしいな〜♪まさか二人して化け物が恐いのか? 」


愛紗・鈴々『ドキッ!? 』


図星であった。


朱里「二人とも、これも運命だと思って諦めてください 」


愛紗「仕方ない 」


鈴々「宝剣を取り戻すためなのだ 」


一刀「それじゃあ化け物退治に行くとするか! 」


そして一刀達が行こうとすると


美羽「待つのじゃ!その男は置いていくのじゃ! 」


七乃「その人は人質として預からせてもらいます 」


桃香「そんな!? 」


海「いいじゃないですか劉備様、あんな男がいたところで足手まといになるに決まってますよ。化け物くらい私が倒してあげますから安心してください 」


桃香「でも… 」


一刀が桃香を見ると


一刀「大丈夫!俺はみんなを信じているからさ! 」


ニカッ!


一刀が笑顔をすると


桃香「はひっ!?/// 」


愛紗「うっ!?/// 」


途端に赤くなる二人


星「そんなところで赤くなっていないで早く化け物を倒さねばいかんのだろう! 」


愛紗「はっ!?そうであった急がねば!? 」


鈴々「お兄ちゃん、化け物を退治して必ず助けにいくのだ! 」


そして愛紗達は一刀を置いて化け物退治に出かけた。


一方一刀はというと


美羽「さてと、待っている間に仏木をたくさん作るのじゃ〜♪ 」


七乃「蜂蜜ならたくさんありますからお願いしますね♪ 」


一刀「もしかしてこのために人質にされたのか!? 」


ようやく理解した一刀だった。


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