「恋とねねの出会い」
2011年最後の投稿になりました。
一刀「な〜んだ。交尾は交尾でも犬だったのか!? 」
恋が交尾しにきた相手が犬だとわかり驚く一刀達
恋「…張々の相手が袁術の所にいると聞いて来たけど相手の犬が張々を恐がって交尾してくれなかった 」
という恋の後ろには
ドォーンッ!
ねねの相棒のセントバーナードである張々がいた。
一刀「確かに相手がセントバーナードじゃ少し怖いかもな 」
恋「…せんとばーなーど? 」
一刀「張々みたいな犬のことだよ 」
恋「…一刀物知り 」
一刀と恋が仲良くしているのを見た愛紗は
愛紗「(ムッ!♯) 」
朱里「はわわ!?愛紗さん怖いでしゅ!? 」
怒ったような顔をしている愛紗を見て驚く朱里
星「しかし呂布よ、その陳宮とは誰なのだ? 」
話を変えるべく星がねねについて聞くと
恋「…陳宮とは旅で出会った家族 」
ねね「そうなのです!恋殿とねねは固い絆で結ばれているのです!あれは数ヵ月前のこと… 」
ここで話はねねの昔話に変わる。
数ヵ月前、ねねと張々が村で暮らしていると
ゴォーッ!!
突然火事が発生した。
その後辛うじて(かろうじて)火は消し止められたが
村人A「さっきの火事、どうも放火らしいぜ 」
村人B「誰が火をつけたんだ? 」
村人達が考えていると
村人C「俺は見たぞ!村外れに住む陳宮が家に放火していたのを!? 」
じっ!
村人達は一斉にねねを睨み付ける。
ねね「な…何でねねを睨み付けるのですか!? 」
村人A「お前はいつも村人達から仲間外れにされてたしな 」
村人B「お前ならいつもの仕返しとばかりに放火してもおかしくないんだよ! 」
ねねは疑われていた。
ねね「ねねは無実なのです!話を聞いてほしいのです! 」
ねねは無実を主張するが
村人A「放火犯は村から出ていけ! 」
村人B「出てけ! 」
村人達はねねを責め続ける。
村人達『出てけーっ!出てけーっ! 』
次々と村人達からくる出てけコールにねねは耐えきれなくなり
ねね「くっ! 」
ダッ!
とうとうねねはその場から逃げ出してしまった。
そしてねねは張々を連れて村から出ていったのだった。
ねね「張々、ねねは悪くないのです。お前だけはねねを信じてくれますよね? 」
ねねが張々に聞くと
張々「わんっ! 」
張々はまるで『信じてるよ』と言わんばかりに吠えた。
ねね「張々、お前だけはねねが守るのです! 」
ギュッ!
そういって張々に抱きつくねね
それからしばらくの間
ねねと張々は次々と村から村へと移動していたが
村人「あの子が例の村の放火犯だってよ 」
村人「恐ろしい子だよな!? 」
ねねが放火したという噂が広がり続けあまり長居はできなかった。
それから数日後、ある寒い日
バタリッ!
ねね「もう動けないのです… 」
到頭ねねは力尽きて倒れてしまった。無理もないしばらくの間、村が見つからず飲まず食わずの生活が続き、家を見つけてもお風呂にも入れないのでねねの体は真っ黒だったため家の人から冷たく突き放された日々が続きねねの体力はもはや限界だったのだった。
張々「クゥン… 」
ぺろぺろっ
ねねが倒れたので舐めて起こそうとする張々
ねね「張々、もういいのです。ねねはこのまま死ぬのですよ 」
張々「クゥン… 」
ギュッ!
張々はせめて少しでも寒さを凌がせ(しのがせ)ようとねねにまとわりつく
ねね「死ぬ時は一緒にというわけですか…お前は最高の相棒なのです 」
パチリッ!
そしてねねの目が閉じてしまった。
その時!
ザッ!
ねねと張々の前に一つの人が止まったのだった。
しばらくして
ねね「うん… 」
ねねの目が開くと
ジャンッ!
そこには焼き魚があった。
ねね「目の前に食べ物が!?ここは天国なのですか!? 」
ねねが驚いていると
恋「…ここは天国じゃない 」
ヌッ
そこに恋が現れた。
ねね「もしかしてあなたが助けてくれたのですか!?せっかくだけど余計なお世話なのです!ねねはいない方がいいのです… 」
ちらっ
言いまくるねねが恋の方をちらりと見ると
パクパクっ
恋「…なに? 」
ずこっ!
恋は食べるのに夢中でねねの話を聞いていなかった。その様子を見て思わずずっこけるねね
ねね「さっきの話を聞いていなかったのですか!♯ 」
恋「…ごめん。もう一度言って 」
仕方なくもう一度同じ話をするねね
そして今度こそ話を聞いた恋は
恋「…いない方がいいなんて言っちゃダメ!生きていれば必ず自分を必要としてくれる人が現れる! 」
と言うがねねは
ねね「ねねを必要としてくれる人なんていないのです! 」
強く言い張るねね
恋「…恋も前は自分は必要とされていないって思ってた。でも色々な人と出会って考えが変わった 」
恋は一刀や月に会うまでは一人ぼっちで誰からも必要ないと感じていたのだった。
恋「…いくとこないなら恋のとこ来る 」
ねね「いいのですか!? 」
恋「(こくりっ!) 」
そして月の城
詠「恋!賊討伐にどのくらいかかっていたのよ!♯ 」
恋は賊討伐の帰りだったのだ。
恋「…ごめん。この子達を拾ったら遅くなった 」
スッ!
ねね「どうもなのです 」
張々「わんっ! 」
恋がねね達を指差すと
詠「あんたまた拾ってきたのね!♯この間は野良猫、その前は野良猿、その前は野良猪と拾いまくりじゃないの!でも人じゃ捨てるわけにもいかないからお風呂で洗ってきなさい! 」
恋「…(こくりっ)わかった 」
風呂場
恋「…もっと強く洗う! 」
ねね「あんっ!そこはダメなのです/// 」
風呂場の外
詠「まったく恋の拾い癖にも困ったものよね! 」
月「でもなんだかんだ言っても詠ちゃん飼ってあげてるよね 」
華雄「賈駆も丸くなったものだな 」
二人が茶化すと
詠「な…何を言っているのよ!///それはあいつがちゃんと世話しているからよ!世話しなかったら飼ってあげてないんだから! 」
月「でもこの前、恋さんが賊討伐に行っている間詠ちゃんが世話してあげていたよね 」
詠「月〜 」
そしてそれ以来ねねは命の恩人である恋に仕えることになったのだった。
現在
恋「…という訳 」
恋がねねとの出会いを話すと
一刀「(何だか前半がどこかで聞いた話に似ているような気が、確かフランダー…) 」
一刀が何かを思い出そうとすると
恋「…あっ!そろそろ帰らないと詠に怒られる。陳宮、帰る 」
ねね「わかったのです 」
急いで帰ろうとする恋とねね
その時
星「おやっ呂布よ、お主の戟の石突き(柄の端)についてあった犬の人形はどうしたのだ? 」
説明不足だが恋の方典画戟の石突きには犬の人形がついていたのだ。
恋「…前に賊討伐した時に無くした 」
鈴々「(ハッ!) 」
それを聞いた瞬間、鈴々は
スッ!
一刀の前に来ると
鈴々「お兄ちゃん、さっきの人形貸してほしいのだ 」
すると一刀は鈴々が何をするのかがわかったのか
一刀「ほらよっ 」
スッ!
犬のストラップを鈴々に渡した。すると鈴々は
鈴々「おいお前! 」
ねね「んっ? 」
ねねを呼ぶと
スッ!
鈴々「急にいらなくなったからお前にやるのだ! 」
ねねに犬のストラップを渡した。
ねね「ホントにいいのですか? 」
鈴々「鈴々は大人だから構わないのだ! 」
するとねねは
ねね「もらっておくのです! 」
スッ!
ストラップを懐にしまった。
一刀「それじゃあまたな恋! 」
そして恋と別れようとすると
恋「…待って一刀! 」
一刀「なに? 」
恋が一刀を呼んで一刀が振り返ると
チュッ!
全員『!? 』
恋は一刀の唇にキスをした。
恋「…また会うためのおまじない。それじゃあまたね一刀 」
ダッ!
そして恋は去っていった。
そして一刀は
一刀「(唇にキスされた///) 」
ぽ〜
顔が赤くなっていると
ドドォーッ!!
突然遠くから土煙が発生していた。
ねね「よくも恋殿の唇をーっ!♯ 」
土煙の正体は走ってくるねねだった。
バッ!
ねね「ち〜ん〜きゅ〜う〜キーッ… 」
そしてねねが一刀めがけて陳宮キックを繰り出そうとすると
愛紗「愛紗キーック!♯ 」
ドグボッ!!☆ミ
一刀「がはっ!? 」
バタリッ!
愛紗のねねのマネをして一刀に後ろから飛び蹴りを食らわした。(キーックという言葉はねねの真似)
一刀「あ…愛紗、何で!? 」
愛紗「知りません!♯それよりも早く袁術の所にいきましょう! 」
ダッ!
怒りながら先をいく愛紗
海「いい気味よ! 」
星「一刀殿はもう少し女心をわかった方がいいですぞ 」
一刀「? 」
鈍感な一刀にはわけが分からなかった。
ねね「この蹴りは誰にぶつければいいのですか? 」
そして蹴りの構えを出したが繰り出せなかったねねだった。
次回、美羽と七乃が登場
実をいうと小説を書いてから一年が経ち、作品も通算333話目となりました。2012年も頑張ります。