「嵐の料理対決」
郭嘉(稟)と程イク(風)を曹操(華琳)のところに連れていった一刀達は
桃香「それでは曹操さん、私達はこれで失礼します 」
再び宝剣探しの旅に出るため出掛けようとしていた。
華琳「待ちなさい!命の恩人に礼もしないまま帰らせる私じゃないわよ。今日は私が腕をふるってご馳走するから食べていきなさい 」
鈴々「ごちそう!?だったら遠慮なくいただくのだ♪ 」
愛紗「こら鈴々! 」
桃香「まぁまぁ関羽さん、せっかくだからごちそうになりましょうよ 」
愛紗「劉備殿まで!? 」
桃香がごちそうになろうと言うので仕方なくごちそうになるみんなだった。
しばらくして
ズラリッ!
一刀達『おぉーっ!? 』
テーブルの上にはごちそうがズラリッと並べられていた。
華琳「おかわりはたくさんあるから遠慮なくいただきなさい 」
鈴々「それじゃあありがたくいただきますなのだ♪ 」
がつがつっ!
華琳の料理の腕は大陸でも上位に入るほどの腕前である。
朱里「おいしいですね♪ 」
星「さすがは曹操殿、よいメンマを使ってなさる 」
海「フンッ!まぁまぁってとこね 」
桃香「海ちゃんの料理も美味しいものね 」
ちなみに一刀達の食事はいつも海が作っている。(そのため一刀の分は本の少しのみ)
一刀「じゃあ俺も食べようかな 」
スッ…
一刀も料理を食べようと手を伸ばすが
サッ!
桂花「華琳様の裸を覗こうとしたあんたに華琳様の料理を食べる資格なんてないわよ! 」
食べようとしたところを桂花に奪われた。
愛紗「それは同感ですぞ荀イク(桂花)殿 」
一刀「そんな〜!? 」
桂花の言葉に賛同する愛紗だった。
そんななか
カチャリッ!
急に鈴々が箸を置いた。
華琳「どうしたのお腹一杯? 」
華琳が聞くと鈴々は
鈴々「典韋の料理の方が美味しかったのだ 」
ピシッ♯!
鈴々の一言に怒る華琳
一刀「典韋って前に食べた飯屋の女の子か?確かにあの料理はうまかったな 」
ピピシッ♯!
度重なる言葉に怒る華琳はついに
華琳「春蘭、秋蘭!典韋とかいう娘をここに連れてきなさい!この私より典韋とかいう娘の料理が美味しいだなんて認めないわよ!料理対決をしてやるんだから! 」
華琳が燃えていると
海「面白そうじゃん♪私もやってやるわよ! 」
海まで参戦することになった。
しばらくして
典韋「あのぅ、私に何か用ですか? 」
緑色の髪をして大きなリボンをした典韋(流琉)が聞くと
華琳「あなたは料理の腕前が高いと聞いてね、私と料理対決をしなさい! 」
海「私だってやるんだから! 」
流琉「え〜っ!? 」
訳がわからぬまま料理対決をすることになった流琉だった。
華琳「審査員は7人、一人の持ち点が10点で70点で満点よ。審査員は公平に判断すること、いいわね桂花、春蘭! 」
桂花「(ギクリッ!?)も…もちろんですよ!? 」
春蘭「(ギクリッ!?)ひ…贔屓なんてしませんよ!? 」
言わなかったら絶対贔屓していた二人
審査員は桂花と春蘭の他に秋蘭、桃香、愛紗、鈴々、一刀の七人となった。
一刀「俺達の方が人数多くていいのかな? 」
華琳「いいわよ別に、それくらいの不利の方が実力の出しがいがあるしね 」
華琳が言うと
星「それではこれより料理対決を開始する!制限時間は1時間、お題は公平なように炒飯とする。よりうまい炒飯を作った人の勝ちとする!実況・解説は我、趙子龍とはわわ軍師孔明がお送りする! 」
朱里「はわわ〜!?はわわ軍師じゃないですよ〜! 」
どこから見てもはわわ軍師である。
星「それでは始め! 」
ドォーンッ!!
ノリノリの星が銅鑼を鳴らすと
ダダッ!
流琉「えっ!? 」
流琉を置いていち早く飛び出す華琳と海
星「おぉーっと!典韋選手出遅れてしまった!これではいい食材を取られてしまう危険があるぞ! 」
案外星は実況に向いているのかもしれない
流琉「とりあえず急がなくちゃ!? 」
ダダッ!
二人より出遅れて流琉も飛び出した。
ササッ!
星「さぁ先に具材を選ぶ劉雷(海の名前)選手に対し… 」
じ〜っ
星「米をよく見て選ぶ曹操選手! 」
さすがは料理のプロである二人。二人が選んだものはどれも新鮮高級なものばかりである。
流琉「え〜っと、これはいい形をしているし、これは艶がいい 」
だが流琉も負けていない。しっかり基本通りにいいものを選びまくる。
流琉「え〜っと、あれはあるかな?あった! 」
そして流琉はあるものを見つけて料理に加えるのだった。
そんなこんなで1時間は過ぎていき
ドォーンッ!!
星「そこまで! 」
調理終了の銅鑼が鳴ったが
ズラリッ!
三人ともそれぞれ料理は完成していた。
朱里「それではこれより審査員による食事をおこないます!まずはじめは曹操さんの料理でしゅ! 」
朱里は噛んでしまったがそんなことは気にせずに料理が審査員に並べられる。
バンッ!
華琳の炒飯は高級な蟹を使った蟹炒飯だ。
華琳「どうぞ召し上がれ 」
華琳が言うと
審査員達『いただきます 』
パクッ!
一斉に食べる一刀達
春蘭「この炒飯は…うまい!さすが華琳様の炒飯だ!国1の味だな! 」
桂花「あら、あなたの評価はその程度なの?私は大陸1の味よ! 」
この二人は置いといて
鈴々「美味しいのだ♪ 」
愛紗「見事な味だな 」
桃香「これは海ちゃんもヤバイかもね 」
高く評価する三人に対し
一刀「・・・ 」
何かが物足りないと感じる一刀だった。
そして点数は一刀以外が満点で69点
海「それじゃあ次は私の番ね! 」
スッ!
海の炒飯は新鮮な野菜を使った野菜炒飯
海「食べてごらん 」
そしてお味の方はというと
秋蘭「見事な味だな 」
春蘭「悔しいが華琳様と同じくらいうまい 」
桂花「同感よ 」
魏の軍ですらも誉める海の料理の腕前だが
一刀「・・・ 」
またも一刀は何かが物足りないと感じていた。
そして点数はまたも一刀以外が満点で69点
海「あんたどういうつもりよ!♯ 」
華琳「私の料理に満足しない人なんて初めてなんだけど!♯ 」
満点をいれない一刀に抗議する二人
一刀「俺的に何かが物足りないと感じたから満点にしなかっただけだよ 」
一刀は言うが納得のいかない二人だった。
海「(今度あいつの食事に毒をいれてやる!♯) 」
華琳「(これで次も9点だったら覚悟しなさい!♯) 」
そしていよいよ流琉の番がやってきた。
流琉「ど…どうぞ 」
流琉が作ったのは基本的な普通の炒飯だ。
春蘭「何だか見た目が普通だな 」
鈴々「何だか公孫賛のお姉ちゃんみたいな炒飯なのだ 」
つまり普通ということである。
愛紗「まぁ味勝負なのだから食べてみよう 」
桃香「そうだよね。せっかく作ったんだから食べないとね 」
パクッ!
そして全員が炒飯を口に入れた瞬間
全員『・・・!? 』
秋蘭「このような炒飯は初めて口にする!? 」
鈴々「この炒飯を公孫賛のお姉ちゃんだなんて言った鈴々がバカだったのだ!? 」
全員が流琉の作った炒飯を絶賛しだした。
一刀「(見事な味だぜ) 」
そしてみんなが点数をいれると
ジャンッ!
何と!?一刀も満点をいれて流琉が70点満点で一番になった。
海「ちょっと待ちなさいよ! 」
華琳「何故その子の炒飯が一番なのよ! 」
当然のように抗議する二人
一刀「二人も食べてみなよ 」
スッ!
一刀が流琉の作った炒飯を二人に差し出すと
パクッ!
二人が食べた瞬間
海「こ…この味は!? 」
華琳「何という美味なの!? 」
神の舌を持つ華琳ですらも驚くほど美味しいものだった。
海「これに比べたら私達の料理なんて!? 」
華琳「典韋!あなたどこでこの作り方を学んだの!? 」
華琳が流琉に聞くと
流琉「え〜っと、すみません!私が学んだものじゃなくてこの書に書かれていたものを私なりに作ってみたんです 」
スッ!
すると流琉は懐から一冊のメモ帳を取り出した。
鈴々「あっ!?それって確かお兄ちゃんが持っていたものなのだ 」
愛紗「そういえばそうだな 」
この世界では紙が貴重なためこのように紙を大量に使うメモ帳を持っているのは一刀しかいないのだ。
パッ!
華琳は流琉からメモ帳を奪い取ると
華琳「すごい!?私ですら知らない調理法や食材の利用が色々と書いてある!? 」
実は一刀は元の世界でも料理は得意な方だったのだ。(本人いわく、妹の一刃を満足させる料理を作っていたらいつの間にかうまくなったということ)
華琳「これを作ったあの男もすごいけどこれを理解する典韋もなかなかのものだわ!?典韋、私に仕えない? 」
流琉「えっ!?私が曹操様に仕えるんですか!?そんな私のような… 」
流琉が最後まで言おうとすると
ドドドォーッ!!
牛「モォーーッ!! 」
兵「曹操様、大変です。食材用の牛が暴れました逃げてください!? 」
だが牛は猛スピードで華琳に迫る。
春蘭「華琳様!? 」
春蘭が華琳のところにいこうとしたその時
スッ… ガシッ!
華琳の前に流琉が現れて暴れ牛の角を掴むと
流琉「どりゃーっ!! 」
ブォンッ!!
牛「モォ〜!? 」
ドガッ!!
牛を柱に投げ飛ばした。
流琉「大丈夫ですか曹操様!? 」
流琉が華琳を心配すると
華琳「欲しい… 」
流琉「えっ? 」
華琳「私にはあなたのような娘が必要よ!是非親衛隊に入りなさい! 」
流琉「え〜っ!? 」
驚く流琉だった。
華琳「もちろんこんな美味しい料理を考え付く北郷も私に仕えなさい! 」
ビッ!
華琳は一刀の方を向くが
し〜ん
一刀達はすでに去ったあとだった。
華琳「この私から逃げるだなんて覚えてらっしゃい!♯ 」