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「熱血医師と二人の軍師」

宝剣を取り戻しに袁術のところに行く一刀達


愛紗「道草を食い過ぎましたけど早く袁術のところにいきましょう 」


桃香「はぁ〜、本物の天和ちゃんに会えただなんて感激です 」


海「よかったですね劉備様 」


朱里「この森を抜けたところに町があるみたいですよ 」


星「ならば今夜はその町に泊まるとするかな 」


いつものように何気ない会話をする愛紗達の後ろで


一刀「少し重いな!? 」


ズッシリッ!


一刀が抱き枕を買った罰として全員の荷物を持たされていた。


そしてその一刀の後ろでは


とぼとぼ


身軽なはずな鈴々がゆっくり歩いていた。


一刀「どうしたんだ鈴々?いつもの鈴々なら先に歩いているのに 」


一刀が聞くと


鈴々「お腹の調子が悪いの… 」


鈴々が最後まで言おうとした時


バタリッ!


急に鈴々が倒れた。


一刀「鈴々!? 」


ドサッ!


慌てて一刀は荷物を放り出して鈴々に近寄ると


鈴々「お腹が痛いのだ… 」


急にお腹を押さえて苦しむ鈴々


一刀「みんな大変だ!?鈴々が!? 」


一刀は慌ててみんなを呼ぶのだった。


その頃、森の中では


パチパチッ!


赤髪の男が火の側で何かを考えていた。


?「早くあの本を見つけ出して処分しなければ大変なことになるな 」


男が考えていると


ガサッ!


愛紗「申し訳ない、連れの者が苦しんでいるので火に寄らせてくれないか 」


愛紗達が現れた。


?「別に構わないが 」


愛紗「忝ない(かたじけない)。さぁ一刀殿、鈴々をこちらに 」


一刀「わかった 」


スッ


そして鈴々を背負っていた一刀が鈴々を火の側に置くと


鈴々「お腹が痛いのだ〜!! 」


いまだに腹が痛む鈴々


とその時


?「どうやら病人のようだな。よかったら見せてくれないか 」


桃香「どういうことですか? 」


桃香が聞くと


シャキンッ!


?「俺は医者だ! 」


男は懐から針を取り出した。


そして男は鈴々を診察する。


?「腹が痛いようだが昼は何を食べた? 」


男が聞くと


鈴々「(うなぎ)のどんぶりと赤くて小さいすっぱいものを一緒に食べたのだ 」


鈴々が言っているのは鰻丼と梅干しである。


鈴々が言うと


?「(ここか?ここじゃない、ここだな!) 」


男は鈴々のお腹を調べてみると何かを発見し


ジャキンッ!


針を掲げる(かかげる)と


?「我が力、神針に集中し病魔を滅殺すべし! 」


ゴゴゴッ…!!


一刀「(何だ!?あの男の針に気が集中している!?) 」


この中で気を使える一刀が驚くと


?「病魔退散、五斗米道! 」


キランッ! ブスッ!


男が鈴々の体に針を突き刺すと


バシュンッ!!


男から物凄い風が吹き始め、気づいた時には


鈴々「あれっ?もうお腹が痛くないのだ 」


鈴々の病気が治っていた。


?「食い合わせが悪いもの食べたから腹が痛くなったんだ 」


※マジで鰻と梅干しを同時に食べると危険ですので真似しないでください!


愛紗「ありがとうございます。是非名前を聞かせてください 」


愛紗が男に名前を聞くと


?「俺の名か?俺の名は華佗って言うんだ 」


男が名前を言うと


一刀「華佗だって!? 」


朱里「はわわ!?華佗さんですか!? 」


一刀と朱里が同時に驚いた。


星「おや、二人は華佗殿を知っているのか? 」


一刀「名前だけだけどね 」


華佗といえば三國志の中でも有名な医者である。麻酔(ますい)を最初に発明し、大陸の中でもすごい医術を持っていた。


朱里「水鏡先生に教えてもらいました。ごとべ… 」


朱里が最後まで言おうとすると


華佗「ちっがーう!!ごとべいどうじゃない、ゴッドヴェイドォーだ! 」


華佗が激しく突っ込んだ。


桃香「ごとべ… 」


海「こっとべ… 」


この時代の人に横文字は難しい。


みんなが苦戦するなか


一刀「ゴッドヴェイドォーだろ 」


一刀が正しく発音すると


華佗「おぉーっ!?俺は今、猛烈に感動している!俺と師匠以外でゴッドヴェイドォーを正しく発音する人は初めてだ!お前の名前は!? 」


一刀「北郷一刀だけど!? 」


華佗「一刀か!よし一刀、俺とお前は今から友達だ!お前の頼みならば俺は例え悪人だとしても無料で治療してやるぜ! 」


一刀「ははぁ… 」


華佗の勢いに乗せられて勝手に友達扱いされる一刀だった。


朱里「それにしても華佗さんはこんな森の中で何してるんですか? 」


華佗「俺か?俺はとある用事で曹操殿に会いに行く途中だ 」


華佗が言うと


愛紗「曹操殿だと!? 」


華佗「曹操殿を知っているのか? 」


星「それはもう大変な知り合いだとも、何せこの関羽は曹操と裸を見せ合った仲だからな 」


※10話『馬騰殺害の事実』参照


愛紗「星、お前!? 」


星「事実であろう 」


鈴々「それで華佗のお兄ちゃんは曹操に何の用なのだ? 」


鈴々が聞くと


華佗「実は曹操殿が太平要術の書を必死で探していると聞いたので止めに来たんだ 」


海「何でなのよ? 」


華佗「太平要術の書はとっても危険なんだ。持ち主のありとあらゆる願いを叶えてくれる恐ろしい書で使い方を間違えば大陸を滅ぼしてしまうという書なんだ。そこで俺は書を封印しにやって来たというわけさ 」


華佗が太平要術について説明すると


一刀「持ち主の願いを叶える本か、確かに恐ろしそうだな 」


鈴々「袁紹のバカが手に入れたら大変なのだ 」


確かにその通りである。


愛紗「だが曹操殿ならば大丈夫だろう。あの方はそのような書に頼るほど愚かではない 」


星「ほぅ、さすがは曹操殿と裸を見せ合っただけのことはあるな 」


愛紗「関係無いだろう! 」


そしてそんなこんなで一夜が過ぎ、愛紗達も曹操の地を通るということで一緒にいくことにした。


鈴々「らんらから〜ん♪ 」


星「昨日はあんなに苦しんでいたというのに、華佗殿の医術は大したものだな 」


華佗「子供は元気が一番。一刀も子供が無事でよかっただろう 」


一刀「えっ!? 」


華佗「違うのか?俺はてっきり一刀と関羽殿の子供なのかと… 」


愛紗「なんで私が母親なんだ!それに私は子を作る行為なんてしたことが… 」


そんなとき


ぴくんっ


一刀「んっ! 」


一刀が何かを感じ取った。


鈴々「お兄ちゃんどうしたのだ? 」


海「あんたのことだから美女でも見つけたんじゃないの? 」


一刀「そんなもんじゃない、血の臭いがするんだ!? 」


ダダッ!


愛紗「一刀殿!? 」


桃香「待ってよ〜!? 」


一刀が駆け出した後、一刀を追いかけるみんな


ザッ!


一刀「ここかっ! 」


そして一刀がたどり着いた先には


バァンッ!


眼鏡の女の子が鼻血を出して倒れていた。


朱里「はわわ!?撲殺(ぼくさつ)事件ですか!? 」


華佗「すごい血の量だな!?俺が診てやろう! 」


そして華佗が女の子に近づこうとすると


ヌッ!


?「心配無用なのですよ 」


華佗「わっ!? 」


華佗の前にいきなり太陽の塔のようなものを頭に乗せたのんびりした感じの女の子が現れた。


?「ほらほら稟ちゃん、皆さんが驚いているので起きてくださいよ〜 」


ゆさゆさっ


女の子が鼻血を出して倒れていた女の子の体を揺すると


むくっ!


一刀達『ひっ!? 』


あれだけの量の鼻血を出しながら女の子がすぐ立ち上がったことに一刀達が驚くと


稟「ここは?そうでした。また鼻血を噴いてしまって倒れてたんですね。ところであなた達は誰ですか? 」


平然と聞く稟


一刀「あのさぁ、きみ物凄い鼻血出してたけど大丈夫なの!? 」


普通の人なら貧血で立ち上がれないほどなのだが


稟「ご心配なく、いつものことですから血液は余分に補充してますので 」


いつも物凄い鼻血を出しているのか!?


?「稟ちゃんは桃色妄想すると鼻血を噴き出す体質なのですよ。さっきも曹操様のことを考えて鼻血を出しただけなのですよ 」


稟「ちょっと風!そういえば自己紹介がまだでしたね。我が名は郭嘉と申します 」


風「風は程イクと言うのですよ 」


そして最後に


宝ケイ『オレは宝ケイって言うんだ。よろしくだぜ! 』


風の頭に置いてあった人形が喋りだした。


鈴々「すごいのだ!?人形が喋っているのだ!? 」


実際は風の腹話術である。


愛紗「それより先程曹操殿と聞いたのだが用があるのか? 」


稟「えぇ、私達二人は曹操殿に仕官(人に仕えること)しにいくんです 」


風「曹操様は才能のある人ならば誰でも雇う人ですし、風達は軍師として仕官しにいくのですよ 」


星「だったら森には何が起きるのかわからんし、我々も曹操殿の地を通るので一緒にいかないか? 」


稟「それはありがとうございます 」


風「それでは早速… 」


ぴょんっ!


風は飛び上がると


ガシッ!


一刀「なっ!? 」


一刀の背中に飛び付いた。


風「風は歩き疲れたのでお兄さんにしがみつくのですよ 」


ぎゅっ!


風は一刀にしがみついて離れようとしない。


稟「風!さっき合ったばかりの人に失礼ですよ! 」


一刀「まぁまぁ、程イクちゃんは軽いから平気だよ 」


風「それでは曹操様の地に行くのですよ! 」


そして一刀達一行は曹操のいる地に向かうのだった。


プチ予告:次回、華佗が殺されそうになり、稟の鼻血が噴きまくる。(予定)

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