「守りの代償」
久しぶりの投稿です。
本来なら鈴々と翠が喧嘩する話ですが一刀がいるということで少し話を変えてみました。
一刀達が桃花村にて賊の襲撃から村を守って二週間が過ぎた。
そして愛紗達桃花村義勇軍(愛紗・鈴々・朱里・伽瑠・一刀)の仲間に新しく趙雲(真名は星)、馬超(真名は翠)、黄忠(真名は紫苑)が仲間に入った。
そして一刀の覇気を恐れて失禁(お漏らし)しながら逃げ出した劉備の行方はわからずじまいだった。ちなみに劉備は紫苑の娘である璃々ちゃんを誘拐した黒幕であることがわかり、劉備という名も偽名ということが判明した。
そして村を救った一番の人物である一刀はというと
じ〜っ!
庄屋の屋敷の屋根の上で折れた木刀を見つめていた。
賊達との戦いで本気を出した一刀の力に木刀が耐えきれず折れたのだった。
一刀「すまないな小百合姉 」
この木刀は一刀が市大会優勝時、一刀の家の隣に住んでいる愛澤小百合からもらった木刀なのだ。
一刀「この世界に来てはや2ヶ月近く、あいつは俺に何をさせようとしてるんだ? 」
一刀は2ヶ月ほど前、何処からか聞こえてきた声に『ある世界を平和に変えてほしい…』と言われてこの世界につれてこられたのだ。(1話参照)
一刀「俺がいないと小百合姉も心配するし、一刃も泣いてるかもしれないな 」
スッ
一刀は懐から一枚の写真を取り出して見つめる。
その写真には一刀と小百合と一刃が写されていた。
一刀が写真を眺めていると
愛紗「一刀殿! 」
ドキッ!?
いきなりの声に驚く一刀
声の出所は下から、すなわち部屋の中から聞こえてきた。
愛紗「一刀殿、祝勝会の宴が始まりますので来てください!でないと鈴々が騒いで困ります 」
この黒髪ポニーテールの女性は関羽雲長(真名は愛紗)といい、一刀がこの世界に来て初めて出会った人物である。
一刀「あぁ、今から行くから待っててくれ 」
愛紗「急いでお願いしますよ! 」
ちなみに愛紗は一刀に惚れている。
愛紗「余計なことを説明するでない!/// 」
桃花村・庄屋の屋敷
庄屋(村長)「いや〜、皆さま方の活躍は見事なものです。おかげで付近の賊はみな討伐されました 」
この庄屋はたとえ小さな勝利であっても祝勝会を開こうとする性格である。
庄屋「特に孔明殿の策は見事ですな! 」
朱里「はわわ!?私なんて別に!? 」
この金髪ショートの女の子は諸葛亮孔明(真名は朱里)名軍師であり、驚くとはわわと言ってしまう。
朱里「私なんてまだまだですよ。皆さんがいたからこその勝利です!? 」
庄屋「またまた〜、そんな謙遜しなくても 」
庄屋が朱里をほめすぎていると
鈴々「ぶーっ!鈴々だって頑張ったのに朱里だけ誉めてずるいのだ! 」
この赤髪の小さな女の子は張飛翼徳(真名は鈴々)、愛紗の義妹で元気なのが取り柄な怪力娘。子供っぽいところがある。
鈴々が拗ねていると
庄屋「張飛殿だって活躍は素晴らしいですとも!豚にまたがって戦う姿は猛豚将軍と呼ばれているほどですよ 」
鈴々「猛豚将軍…かっこいいのだ! 」
ちなみにその時みんなの頭に浮かんだ猛豚将軍はまさに豚人間というような感じである。
伽瑠「次の料理ができましたよ 」
この子は高蘭(真名は伽瑠牙(通称・伽瑠))。元呉軍の料理長であり弓の名手。水を操ることができ胸がでかい、そして…
翠「あたしがいただきだぜ! 」
ぱくっ!
翠は出された料理をすぐに食べる。ところが…
翠「かれーっ!! 」
ゴォーーッ!!
あまりの辛さに口から火を吐く翠
伽瑠「ふふふっ、唐辛子をたっぷり入れたんだよね〜♪ 」
いたずらっ子でもある伽瑠だった。
翠「テメェ!よくもやりやがったな!一発殴らせろ!♯ 」
伽瑠「やだよ〜♪ 」
ダダッ!
二人はおいかけっこを始める。
この茶髪ポニーテールの女性は馬超孟起(真名は翠)。西涼太守馬謄の娘である。以前は父を殺した曹操(真名は華琳)を憎んでいたが後にそれが誤解だとわかってからは恨んでいない。馬の扱いがうまく、ときおり失禁する。
星「あまりドタバタするでない埃がたってご飯が食べられないではないか 」
この落ち着きのある水色の髪の女性は趙雲子龍(真名は星)。冷静な性格だがよく人をからかう。身が軽く早さを得意とし、正義の味方、華蝶仮面に変装して正義をする(正体は鈴々と璃々ちゃん以外には知られている)。
星「まぁ私はメンマさえ無事ならば別に構わぬ… 」
星が最後まで言おうとすると
翠「待ちやがれ!♯ 」
ドンッ!
翠が星にぶつかってしまい
ガチャンッ!
星の持っていたメンマ壺を割ってしまう
その瞬間…
星「よくも私のメンマをーっ!♯二人とも覚悟するがよい! 」
星も争いに加わった。
普段はクールな星もメンマが関係していれば豹変するのだった。
ドタバタッ!
星が加わりドタバタ騒ぎをする三人に
ドンッ!
紫苑「食事中は静かにしなさい! 」
薄紫色の髪であるこの女性は黄忠漢升(真名は紫苑)。弓の名手であり義勇軍の母親的存在。子持ちであり爆乳。一見大人しそうだがキレたら愛紗よりも恐い
紫苑が机を叩くと
シュンッ
直ぐ様騒ぎが収まるのだった。
紫苑「みんな静かにしていい子ね♪ 」
実はそうではなく、もしあのまま騒いでいたらこの場は地獄と化していたに違いないと感じて静かにした三人だった。
璃々「あっ!お母さん、関羽お姉ちゃんとお兄ちゃんが来たよ 」
この子供は璃々。紫苑の娘であり義勇軍の癒し系。まだ5歳くらいの子供だが紫苑から教わった言葉を使うため見た目とは違う発言をする。
璃々が指差した先には愛紗と一刀がいた。
愛紗「遅れてすまないな 」
一刀「待たしてゴメンね 」
二人がみんなに謝ると
鈴々「遅いのだー!鈴々、お兄ちゃんが来るまでずっと待っていたのだ! 」
一刀「それは悪かった 」
一刀は鈴々に謝って椅子に座る
璃々「よいしょっと! 」
スッ
そして当然のように一刀に座る璃々ちゃん
紫苑「こら璃々、そこに座ったら一刀さんが食べにくいから降りなさい 」
璃々「いや〜、璃々ここに座るの〜! 」
璃々ちゃんは一刀から降りようとしない。
一刀「別に構わないよ黄忠さん。璃々ちゃん軽いからさ 」
紫苑「まぁ一刀さんが言うのでしたら 」
星「一刀殿、食事が終わりましたら鍛練に付き合ってもらえますかな? 」
先の賊達との戦いで隠していた一刀の力が明らかになった。はっきりいって一刀の実力はこの場にいる誰よりも強いのだ。
だが
一刀「俺はほら、武器がないからさ 」
星「代わりの木刀ならいくらでも… 」
一刀「あの木刀でしかダメなんだよ! 」
ガタンッ!
全員『・・・!? 』
突然の一刀の叫びに全員が驚く
ハッ!?
一刀は自分が何をしたのかを思い出すと
一刀「ごめん星、急に怒鳴ったりして俺は今日は飯いらないからさ 」
スッ
そして一刀は去っていった。
愛紗「一刀殿… 」
鈴々「無理もないのだ。前に聞いたけどあの木刀はお兄ちゃんが別の世界から持ってきた大事なものなのだ。それが壊れたら別の世界との繋がりが消えてしまうのだ 」
朱里「大事な武器が壊れましたからね 」
星「少しばかり軽く言い過ぎてしまったようだな 」
確かに星の言う通り代わりの木刀ならいくらでもある。だが一刀の木刀は一本しかないのだ。おまけに普通の木刀だと一刀の力が強すぎてすぐ壊れてしまうのだ。
みんなが一刀に同情して暗い気分になる。
さすがにこの状況では庄屋も明るくするわけにはいかなかった。
そしてみんなが暗くなったとき
ドンッ!
愛紗が机を叩くと
愛紗「少し出てくる 」
スッ
愛紗が外に出ていこうとする。
翠「どこ行くんだよ関羽? 」
翠が聞くと
愛紗「こういう気分になったのも全て一刀殿が落ち込むせいだ!私があやつのうじうじした根性を叩き直してやる! 」
スッ
そして愛紗は出ていった。
紫苑「今は関羽さんに任せるしかないわね 」
みんなは愛紗に任せることにした。
しかし少しばかり何かがおかしいような気がする。実はみんなは一部を除いて真名を交換しあっていないのだ。