「喧嘩別れ その2」
一刀達の旅に新しく孔明(真名は朱里)が加わり旅を続ける一行は
一刀「道が分かれているな 」
二本の分かれ道に差し掛かった。
鈴々「こういう時は鈴々の占いで決めるのだ! 」
パッ!
そう言って鈴々は手に持っていた蛇矛を放すと
カランッ
蛇矛は右の方向に倒れた。
鈴々「こっちなのだ 」
そして鈴々が右の方向に行こうとすると
愛紗「待て鈴々!左の道を行くぞ 」
スッ
愛紗が鈴々とは違う道を指差すと
鈴々「何でなのだ?鈴々の占いでは… 」
愛紗「お前の占いはあてにならん前の失敗を忘れたのか! 」
前にも鈴々がこの占いをしてその道を行った結果、危うく迷子になりかけたのだった。
鈴々「今度は大丈夫なのだ! 」
愛紗「お前の大丈夫はあてにならん! 」
愛紗と鈴々が口喧嘩をしていると
朱里「はわわ〜!?一刀さん止めなくていいのでしゅか? 」
初めてこの光景を見た朱里は驚くが
一刀「孔明、よく覚えた方がいいよ。あの二人に口出しすると怒りの矛先がこっちに向けられるからね 」
朱里「そうなんですか!? 」
二人の口喧嘩を見てきた一刀は落ち着いていた。
だが二人の口喧嘩はどんどんエスカレートしていき
鈴々「だったら愛紗達は左の道をいけばいいのだ!鈴々は絶対に右の道を行くのだ!♯ 」
愛紗「好きにしろ!我々は左の道を行くからな!♯ 」
ダッ!
二人はそれぞれ別の道をいくことになった。
朱里「はわわ〜!?どうすればいいんでしゅか!? 」
一刀「まさかこうなるとはな。とりあえず鈴々を一人にするわけにはいかないから孔明は愛紗の方を頼む 」
朱里「わかりました! 」
ダッ!
そして一刀は鈴々に、朱里は愛紗についていくことになった。
鈴々サイド
鈴々「愛紗はいつも鈴々に対して説教ばかりなのだ!ご飯食べてる時も『静かに食べろ!』とか『箸の握り方がおかしい』とか説教ばかりなのだ! 」
鈴々が愛紗に対して愚痴を言っていると
一刀「愛紗は鈴々が大好きだから説教するんだよ。好きでもない人を説教しないだろ 」
いつもの鈴々なら『あぁ、なるほど』と納得するのだが
鈴々「お兄ちゃんはどっちの味方なのだ!♯ 」
今日の鈴々は一筋縄ではいかなかった。
一刀がどうしようか悩んでいると
一刀「んっ!鈴々あれを見てみろよ 」
一刀は立て札を見つけた。
鈴々「なになに、『参加費無料肉マン大食い大会開催!一番多く食べた人には賞金あげます。(ただし途中で諦めた人は食べた分の肉マン代金を支払ってもらいます)』なのか 」
一刀「大食らいの鈴々なら優勝できるんじゃないか? 」
一刀が言うと
鈴々「ようしっ!愛紗への怒りを食欲に込めてやるのだ! 」
ゴォーッ!!
鈴々が燃えていると
?「あれっ?一刀と張飛じゃないか 」
どこかで聞いたような声が聞こえてきた。
そして一刀と鈴々が声が聞こえてきた方を向いてみると
一刀「馬超!? 」
鈴々「馬超なのだ!? 」
そこにいたのは以前出会った馬超(真名は翠)であった。
一刀「久しぶりだな。確か故郷に帰ったんじゃないのか? 」
翠「確かに帰って故郷のみんなにすべて話してきたよだけど旅をしたいから一人旅しているのさ 」
翠は以前父である馬騰を殺した曹操を狙って旅をしていたが馬騰殺害の事実を知って故郷である西涼のみんなに話すべく帰っていったのだ。
翠「それより関羽と趙雲はどうしたんだ? 」
翠が聞いてくると
鈴々「ふふーんだ!愛紗なんてしらないのだ!♯ 」
ぷくーっ!
鈴々は膨れっ面をした。
翠「なぁ、いったいどうしたんだ? 」
一刀「話せば長くなるけど 」
一刀は翠に事情を話すと
翠「なるほどな、それより張飛は大食い大会に出場するようだな 」
鈴々「もちろんなのだ!絶対優勝してやるのだ! 」
鈴々が意気込むと
翠「残念だけど優勝は無理だね。何故ならあたしも大会に出場するから優勝はあたしがもらったね♪ 」
ピクンッ!
この言葉に鈴々が反応した。
鈴々「ふふーんだ!馬超には絶対負けないもんねなのだ 」
ピクンッ!
そしてこの言葉に翠が反応し
翠「だったら勝負しようじゃないか!絶対張飛には負けないからな! 」
鈴々「のぞむところなのだ! 」
バチバチッ!
今、二人は互いに激しい火花を飛ばしていた。
一刀「(この二人って似た者同士なのかな?) 」
と一刀は感じるのだった。
そしてついに
わぁーっ!わぁーっ!
陳琳「さぁ始まりました肉マン大食い大会!果たして優勝するのは誰なのでしょう?実況はわたくし陳琳がお伝えします! 」
肉マン大食い大会が開始された。
翠「張飛には負けないぜ! 」
鈴々「馬超には絶対負けたくないのだ! 」
バチバチッ!
まだ火花を飛ばす二人
一刀「二人とも頑張れよ 」
そして一刀は客席から二人を応援するのだった。
その頃、分かれ道の逆を行った愛紗と朱里は
愛紗「これは…!? 」
朱里「はわわ!? 」
ドォーンッ!
二人が行った先には崖が待ち構えていた。
朱里「どうやら鈴々ちゃんの方が正しかったようですね 」
ちゃっかりと鈴々の真名をもらっていた朱里。
愛紗「どうやらそのようだな… 」
これには愛紗も黙るしかなかった。