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「孔明、旅に加わる」

一刀達が水鏡先生の元に訪れてから三日目


朱里「なかなか足の腫れがひきませんねどうしましょう? 」


朱里が悩んでいると


水鏡「そうだわ、確か腫れに効く薬草がこの辺りに生えていたはずですけど 」


水鏡先生がひらめくと


鈴々「だったら鈴々が取りに行くのだ! 」


バッ!


鈴々は手をあげるが


一刀「鈴々、薬草がどんな姿をしているのか分かってるのか? 」


一刀が鈴々に質問すると


鈴々「わからないのだ〜 」


スッ


鈴々はあげていた手を下げていった。


朱里「だったら私が行ってきますよ 」


朱里が言うと


水鏡「ダメです。あの薬草が生えている場所は危険ですし、たどり着くまでも大変ですからね。あとで私が取りに行きますよ 」


水鏡先生が言うと


朱里「それじゃあダメですよ。水鏡先生はこれから近くの村に看護しに行く予定じゃないですかその後で薬草を取りに行ったら夜になってしまいますよ。今からいけば夕方頃には帰ってこれますし私が行ってきます 」


ダダッ!


そして朱里は走り出していった。


水鏡「あぁ朱里!?もうっ言い出したら聞かない子なんですから 」


水鏡先生が朱里を心配すると


一刀「鈴々、こっそり孔明の後をついていってくれないか? 」


一刀が鈴々に言うと


鈴々「何故なのだ鈴々は絶対嫌なのだ! 」


断る鈴々だが


一刀「鈴々だって愛紗の役に立ちたいだろう。薬草を取ってくれば愛紗だって喜んでくれるしさ 」


一刀が言うと鈴々は


鈴々「仕方ないのだ!お兄ちゃんがそこまで言うなら鈴々がついていってあげるのだ! 」


実は鈴々は愛紗が休んでいる間何もできなかったことに不満を抱いていたのだ。


愛紗「(一刀殿は鈴々の扱い方がわかってきたようだな) 」


一刀のその点だけは感心する愛紗だった。


そして鈴々は朱里の後をこっそりついていった。



がさがさっ


朱里「ぷはっ!ようやく草むらを抜け出せましたね 」


体が小さな朱里にとって草むらは困難であった。


朱里「でもあと少しで薬草のあるところですから頑張らないと! 」


タタッ!


朱里が行った数分後


ガサッ!


鈴々「ぷはっ!苦しかったのだ 」


朱里の後をついてきた鈴々が現れた。


鈴々「孔明のやつこんな道を通るなんて意外とやるかもしれないのだ 」


タタッ!


そして鈴々は朱里の後を追いかける。


すると


ボロ〜ンッ


今にも崩れそうな吊り橋の上を


朱里「はわわ!?下を見なければ怖くないでしゅ 」


ブルブルッ


朱里が震えながら歩いていた。


実は朱里は高所恐怖症なのだ。


鈴々「あいつもしかして高いとこが苦手なのかなのだ? 」


鈴々がその事に気づいていたその時!?


ブチチッ… ブチンッ!


吊り橋のロープが切れてしまい


朱里「はわわ〜!? 」


ヒューッ!


朱里は下にある川の方に落ちてしまう


だが朱里が落ちようとした時


鈴々「うりゃーっ! 」


ピョンッ! ガシッ!


隠れていた鈴々が飛び出して朱里の腕をつかむと


鈴々「止まるのだ〜! 」


ぐっ!


ギュィィーンッ!!


鈴々は蛇矛を岩に突き刺して


ピタッ


何とか川までの落下を防いだ。


鈴々「間に合ってよかったのだ 」


鈴々が言うと


朱里「はわっ!?張飛ちゃんどうしてここに!? 」


鈴々「お兄ちゃんが孔明が心配だからこっそり手助けするようにと言っていたのだ 」


鈴々が正直に言うと


朱里「はわ〜、会って数日しか経っていない人に心配される私って 」


がっくーん


落ち込む朱里であった。


鈴々「それより早く上るのだ 」


鈴々は落ち込む朱里を気にせずに上ろうとするが


鈴々「あれっ? 」


朱里「どうしたんですか? 」


朱里が聞くと


鈴々「どうやってのぼったらいいのだ? 」


現在の鈴々の状況は片手で朱里の腕をつかみ、もう片方で蛇矛を掴んでいるため手が使えないのであった。


更に残念なことに


鈴々「腕がしびれてきたのだ〜 」


蛇矛を掴んでいる鈴々の手がしびれてきた。


朱里「はわわ〜!?張飛ちゃんもう私に構わず手を離してくださいそうすれば上れますから 」


鈴々「嫌なのだ!この手は絶対に離さないのだ! 」



そして


シュルシュルッ


蛇矛を掴んでいた鈴々の手が離れていき


パッ!


ついに鈴々は蛇矛を離してしまった。


鈴々「うわーっ!? 」


朱里「はわわ〜!? 」


ヒューッ!!


仲良く落ちていく二人


だがその時!?


ガシッ!


鈴々の手が何かに捕まれた。


鈴々「何が起きたのだ!? 」


落ちたはずなのに落ちないことに疑問を感じた鈴々が手の先を見てみると


一刀「今引き上げてやるからな! 」


バンッ!


そこには一刀がいた。


ずるずるっ


そして一刀は鈴々と朱里を引き上げると


鈴々「何でお兄ちゃんがここにいるのだ? 」


鈴々の質問に一刀は


一刀「二人が心配になったから様子を見に来たんだよ 」


と言うと


朱里「はぁ〜、またも心配されちゃうなんて私ってそんなにドジ何でしょうか? 」


またも朱里が落ち込み始めた。


そんな朱里に一刀は


一刀「俺が心配したのはかわいい鈴々と孔明が怪我してないかと思ったからだよ別に孔明がドジだから心配したわけじゃないさ 」


ニコッ


一刀が朱里にスマイルすると


ボンッ!


朱里「はわわ〜/// 」


朱里は顔を一瞬で赤くした。恐るべし一刀の女たらしのスキルである。


しかし当の本人である一刀は


一刀「(何で顔を赤くしてるんだ?) 」


この鈍感野郎!と言いたくなるくらい朱里の変化に気づいてなかった。


しばらくして


朱里「それにしてもどうしましょう。関羽さんを治す薬草は橋の向こうにあるのですが橋は壊れちゃいましたし別の橋もありません 」


朱里が悩んでいると


一刀「向こう岸までだいたい十メートルってとこか 」


一刀は向こう岸までの距離を計測すると


ガシッ! ガシッ!


鈴々「にゃっ!? 」


朱里「はわっ!? 」


いきなり鈴々と朱里を脇にかかえて


一刀「孔明、怖いかもしれないから目を閉じときな 」


朱里「えっ? 」


朱里は何が起きるかわからなかったが


タタタッ!


一刀は二人を抱えたまま少し後ろに下がると


一刀「いくぜーっ! 」


ドダダーッ!!


全速力で走り出して


ぴょーんっ!!


向こう岸までジャンプしていった。


鈴々「うぉーっ! 」


朱里「はわ〜っ!? 」


ドンッ!


そして見事にたどり着いて着地すると


一刀「やっぱり飛べたな 」


スッ!


一刀は朱里の方を見ると



朱里「(ブクブクッ) 」


そこには泡を吹いて気絶した朱里がいた。


一刀「大丈夫か孔明!? 」


鈴々「お兄ちゃんもう一回お願いなのだ! 」


更にしばらくして


気絶から立ち直った朱里は何とか薬草を入手して帰りも一刀に抱えられていくのであった。(今度は気絶するまでには至らない)


そして帰り道


一刀「フンフンッ! 」


ザザッ!


一刀は木刀を振るいながら草むらを避けていた。


鈴々「これで歩くのが楽になったのだ 」


朱里「・・・ 」


そして帰り道、朱里は一人で考え事をして黙っていた。


その後、家についた三人は朱里が取ってきた薬草で薬を作り、無事愛紗に届けるのであった。


その日の夜


朱里の部屋


朱里「どうしたんだろう私?一刀さんのニコッとした顔を見たら赤くなるだなんてどこかおかしいのかな? 」


小さい頃から水鏡先生に預けられた朱里は男との恋愛を経験していなかった。


朱里「これってもしかして!?/// 」


だがそこは女の子。徐々に恋愛感情が出てきたようだ。


そして愛紗の腫れもひき一刀達が旅立つ日


愛紗「どうもお世話になりました 」


一刀「感謝します 」


鈴々「ありがとうなのだ 」


水鏡「いえいえこちらこそ薪割りやら雨漏りした屋根の修理をしてもらって嬉しい限りですよ 」


そして一刀達が旅立とうとした時!


朱里「はわわ!待ってくださーい! 」


ダダッ!


荷物を用意した朱里が一刀達のところに駆け出してきた。


朱里「皆さん私を旅につれていってくれませんか? 」


朱里が言うと


愛紗「お主には水鏡殿がいるだろう 」


と愛紗が言い返すと


朱里「水鏡先生には昨日お話しして了解を得ました。どうか私を連れていってください 」


ペコリっ


朱里は頭を下げると


鈴々「鈴々は別に構わないのだ 」


一刀「いいんじゃないの来るものは拒まずって感じでさ 」


二人に言われた愛紗は


愛紗「いいだろう来ても構わないぞ 」


朱里を旅につれていくことを了承した。


朱里「皆さんよろしくです ♪ 」


こうして新たに朱里が一刀達の旅に加わった。


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