「拠点劇場2」
今回も拠点フェイズです
拠点:鈴々 『コリンの登場なのだ』
ある日のこと
一刀「今日は久しぶりの休日だしのんびりと過ごすかな♪ 」
一刀が桃花村を歩いていると
ドドドォーッ!!
何処からかものすごい音が聞こえ
一刀「(この感じは!?) 」
スッ!
一刀が構えると
バッ!
鈴々「お兄ちゃ〜ん♪ 」
鈴々が一刀めがけて飛びかかってきた!
だが
バシッ!!
事前に鈴々が向かってくるのを予測していた一刀はキーパーがボールを止めるような姿勢で鈴々を受け止める!
ズザザーッ!!
だが鈴々の勢いは止められず少し下がってしまった。
一刀「(次からはもう少し足を踏ん張らないとな)鈴々、何か用か? 」
一刀が一刀の胸にいる鈴々に聞くと
鈴々「お兄ちゃん、鈴々に子分ができたから見せてあげるのだ♪ 」
一刀「鈴々に子分? 」
どうせまた村の子供を引き連れているんだろうと一刀は思ったが
鈴々「これなのだ♪ 」
スッ!
鈴々に抱かれたものは
クゥ〜ン?
丸々太ったチャウチャウ犬であった。
一刀「(チャウチャウ犬か、まぁコーギーのセキトやセントバーナードの張々がいるんだからチャウチャウがいてもおかしくないよな) 」
元々チャウチャウは中国の犬なので問題ないだろう
一刀「鈴々、その犬どうしたんだ? 」
一刀が聞くと
鈴々「拾ったのだ。だから鈴々の子分にしたのだ。名前はコリンなのだ♪ 」
ぎゅっ!
コリン「? 」
コリンを抱き締める鈴々
一刀「(きっと迷い犬だな) 」
一刀が思うと
鈴々「でもコリンはまだ子供だから鈴々がコリンに色々なことを教えてあげてるのだ。親分は子分を大事にする役目があるのだ! 」
一刀「(鈴々も鈴々なりに親分をやろうとしてるんだな) 」
鈴々に感動する一刀
鈴々「それじゃあコリン、最初は… 」
鈴々が最初にコリンに教えようとするのは
鈴々「逆立ちなのだ! 」
ズコッ!
鈴々の言葉にずっこける一刀
一刀「鈴々、いきなり逆立ちはムリだよ!? 」
鈴々「だって星が犬は逆立ちするのが常識だと… 」
一刀「嘘だからさ! 」
また星が余計なことを教えたせいで鈴々に悪影響を与えたようだ。
鈴々「だったら何を教えるのか教えてほしいのだ! 」
鈴々に聞かれた一刀は
一刀「そうだな、基本はお手、待て、おすわり。この3つができたらとりあえず大丈夫かな 」
鈴々「わかったのだ! 」
すると鈴々は
鈴々「コリン、お手なのだ! 」
コリン「? 」
鈴々「コリン、お手なのだ! 」
コリン「? 」
一向にお手をしないコリン
鈴々「お兄ちゃん、コリンはお手ができないのだ! 」
一刀「鈴々、言っただけでできるほど甘くないんだよ!?ほらこうやって… 」
スッ!
一刀はコリンの前足をつかむと
一刀「お手! 」
ポンッ!
自分の手にのせる
これを何度も繰り返すと
一刀「お手! 」
スッ!
一刀が手を出しただけで
ポンッ!
コリンは自分から一刀の手に前足をのせた。
鈴々「おーっ!!鈴々もやってみるのだ!コリン、お手なのだ! 」
スッ!
鈴々がコリンに手を出すと
ポンッ!
コリンは鈴々の手に前足をのせた。
鈴々「お兄ちゃんすごいのだ!? 」
一刀「これくらいなら大抵できるよ 」
※しつけ方は他にもあるかもしれません。
鈴々「もっと教えてほしいのだ! 」
一刀「仕方ないな 」
今日は別に予定がなかったので鈴々に付き合うことにした一刀
それからしばらくして
鈴々「コリン、お座りなのだ! 」
サッ!
コリンはほとんど完全に言うことを聞くようになった。
そして気がつくと日が暮れていた。
一刀「じゃあ鈴々、暗くなったから帰るよ 」
鈴々「わかったのだ。コリンもいくのだ! 」
スッ!
鈴々はコリンに手を招くが
クゥ〜ン
てくてくっ
コリンは鈴々から去っていく
鈴々「コリン、どこいくのだ!? 」
ガシッ!
鈴々はコリンを捕まえるが
じたばたっ!
コリンは鈴々の腕の中で暴れまくる!
鈴々「やめるのだコリン!? 」
鈴々が無理矢理押さえつけようとすると
一刀「鈴々、離してやりなよ。コリンは元々迷い犬なんだから自分の住みかに帰ろうとしてるんだよ 」
鈴々「嫌なのだ!コリンはずーっと鈴々と一緒にいるのだ! 」
一刀「だったら鈴々、コリンの気持ちを理解しなさい 」
鈴々「コリンの気持ち? 」
一刀「そう。もし鈴々がコリンで愛紗達のところに帰りたいのに誰かに止められたら嫌だろ 」
鈴々「うっ!?わかったのだ 」
パッ!
鈴々はコリンから手を離すと
ダダッ!!
コリンは村の外に出ていった。
鈴々「コリン…(ぐすっ) 」
コリンが出ていったことに涙が流れそうになる鈴々
そんな鈴々に
一刀「大丈夫だよ。鈴々のことが気に入ったなら明日また会えるさ 」
鈴々「お兄ちゃん… 」
鈴々をなぐさめる一刀
そして次の日
コリン「ワンッ! 」
鈴々「コリンなのだ! 」
コリンは一刀が言ったように戻ってきたのであった。
鈴々「コリン、大好きなのだ♪ 」
拠点:紫苑 『未来のお嫁さん』
ある晴れた日のこと
一刀「ここをこう折ると… 」
璃々「ふんふん… 」
一刀「鶴のできあがり〜っ♪ 」
璃々「すご〜い! 」
一刀は璃々ちゃんに折り紙を教えていた。
この日は紫苑が警備に出ているため一刀が璃々ちゃんの相手をしていた。
璃々ちゃんはもはや桃花村のアイドルと化し、村の子供達に好かれていた。
そしてその日の夜
璃々「それでね、お兄ちゃんから折り紙教わって鶴を折ったの、その後、かくれんぼや達磨さんが転んだしたんだよ♪ 」
紫苑「あらあらよかったわね璃々 」
紫苑は本当に喜んでいた。
夫を早くに亡くし、璃々を連れて村を出た紫苑は小屋に移り住むが紫苑が出掛けている最中に璃々が誘拐され紫苑は危うく殺人者になってしまうところだった。
だが一刀達に救われ
璃々はよく笑顔でいることが多くなった。
そんなとき、紫苑はあることを璃々ちゃんに聞いてみた。
紫苑「ねぇ璃々、もし一刀さんとお母さんが結婚して一刀さんがお父さんになったら嬉しい? 」
すると璃々ちゃんは
璃々「う〜ん…嬉しいけどいやっ! 」
紫苑「あら何故? 」
璃々ちゃんに理由を聞くと
璃々「お兄ちゃんは璃々と結婚するの!お母さんとお兄ちゃんが結婚したらお父さんになるけどそれだと璃々とお兄ちゃんが結婚できないからいやっ! 」
※璃々ちゃんは推定年齢5才以下です
紫苑「あらあら、璃々が大きくなったらきっとお母さんのような美人になるから必ず一刀さんのお嫁さんになるわね 」
璃々「うんっ♪ 」
璃々ちゃんの夢を壊さないため、あえて年齢のことを教えない紫苑
こうして未来の一刀のお嫁さんが確実に登場したのだった。
一刀「(ぶるっ!?)何だか悪寒が感じるぜ!? 」
次回より本編に戻ります