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「普通に」魔王倒しに行くことになった件。

作者: 悠月 蒼祈
掲載日:2025/12/23

 太古に書いた恥を晒す。続かない。

 手直しほぼしてないので読みにくいです。

「普通に」魔王倒しに行くことになった件。


 交通事故であっさり死んだ俺。

 しかし、ゲームの世界に転生していた。

 ちなみにオンラインゲームとかではない。普通のオフゲーだ。超レトロなやつ。

 幼少期は特に語ることもないので省略。

 そして十六歳、夏。俺は名もなき冒険者として旅立つ。

 ゲームのオープニングである。


 ……旅立つとは言ったが、生まれ故郷の街である王都からは暫く離れる予定はない。

 最初の町を拠点にレベルを上げるのがこういったゲームのセオリーである。

 冒険者ギルドに向かうと、ゲームで見たチュートリアルそのまんまの話を受付嬢から聞いた。


「ほら、青いので装備変更できますよ!」


 この青いのとはコントローラのボタンの色だ。メニューを開いて装備するチュートリアルである。

 もちろん今の俺はコントローラは持っていない。


「……そう言われても……青いのってなんです?」

「えっ、青いのは青いのですよ」

「えっ?」

「えっ?」


 受付嬢が帽子を脱いだり被ったりしている。俺は受付嬢から帽子を借り装備に挑戦する。

 はっは、それくらい装備メニューを開かずとも……開かずとも……

 幾ら被ろうとしても装備できなかった。


「もう、ちゃんとやってくださいよ!」

「やってるって!」


 いやいや、待て待て。今朝まで着替え出来ただろ!

 なんで帽子被れないんだよ!


「青いのですよ!緑ではなく!」

「わ、わかってるって」


 格闘すること三十分。武器も防具も装飾も一切変更できなかった。

 でも、メニューっぽいのは脳内に出てきていた気がする。

 肝心の装備の部分がなかったけど。きっとメニューは気のせいだ。

 メニュー開こうと頑張りすぎて幻覚が見えたんだ。

 異世界転生してステータスオープンとか出来るやつは心の青いの押せてんのか?


 受付嬢は何事もなかったかのように次の説明に入る。


「魔法の入れ替えは……」


 魔法は戦闘中に使える種類が限られている。

 だから戦闘中に使える魔法をセットする必要がある。

 枠は確か八。

 回復魔法をセットするか、どの属性の攻撃魔法をセットするか。

 そんな感じの魔法の組み合わせで、戦闘が楽になったり、辛くなったりする重要な要素だ。

 今は習得済みの魔法がないから使わないのでどうでもいいだろう。


「隊列の変更は……」


 隊列は大雑把に言うと前衛だと狙われやすい。後列だと狙われにくい。それ以外にもパーティメンバーの配置の仕方によって様々なボーナスがある。

 このボーナスはとても大きいのでこれも非常に重要な要素だ。

 ぼっち状態の今は必要ないので聞き流す。


 しかし、ゲームだと初心者にもわかりやすい説明もリアルで実際に聞くと何ていうか。

 何度もプレイしたゲームなので聞き流しつつ考える。

 コントローラのボタンを押せないので装備が変更できなかった。

 つまり、コントローラのボタンを使う行動ができない可能性がある。

 ……と思ったが、受付嬢と話ができているって事は会話送りは出来てるんだよなぁ。

 むむむ、さっぱりわからん。


「初心者は街から近いダンジョンで鍛えるのがおすすめですよ!くれぐれも橋を渡らないように!モンスターが超強くなりますから」


 受付嬢のチュートリアル最後のセリフである。


「あ、ああ、わかった」


 チュートリアルを終え俺は神殿へと向かう。

 主人公はなんかよくわかんないけど神様からお告げが貰えるのだ。

 簡単に言うと魔王を倒せ的なお告げである。必須イベントではないが済ませておく。


 後、セーブ。できるかわかんないけど。


 神殿で祭壇に向かって拝む。すると……


『やほやほ!聞こえますかー?』


 幻聴がする。神様のセリフはこんなんじゃなかった。


『おーおーい。おかか君聞こえますかー?』


 誰だよおかか君って。


『あ、違った煮干し君だった。煮干し君』


 煮干し君も誰だよ。


『聞こえてないのかな?声が聞こえている人は右手を上げて左足を上げて』


 人違いだと思うが……辺りに誰もいないのを確認して一応右手と左足を上げてみる。


『聞こえてるじゃないか煮干し君!ひどい!』

「煮干し君って誰だよ!」


 どうやら自分らしいので突っ込んでみる。


『いや、名前知らないし。煮干しくれたから煮干し君だよ』


 はて、神様(仮)に煮干しをあげた記憶などないのだが。


『君の前世は煮干しを猫にあげる仕事をしてたじゃないか』


「そんな仕事をした覚えはない!」


 んん?猫に煮干し?


「も、もしかしてミケか!?」


 ミケというのは近所でよく見かけた野良の三毛猫だ。

 人によくなれていたので、飼い主を見たことがないだけで飼い猫だったと思う。


『誰だよそれ!』


「煮干しをあげてた猫の名前だ!」


 ミケは俺が勝手に呼んでただけで、隣の奥さんはタマって呼んでたな。


『ちがーう!そんな名前じゃない!』


 とまあ、こんな感じでくだらないやり取りをしつつ、野良猫のミケ(神様)から聞いた情報はこうだ。


 ミケに煮干しを捧げていたのが評価されて、俺の転生の順番を早める事になったらしい。

 神様だから人間慣れしてたのか。いいのか煮干しで。

 とか言いたいことはいっぱいあったが、話聞いてくれそうにないので突っ込めなかった。


 でも、簡単に転生させるわけにはいかないので試練を用意した。

 普通に魔王を倒しエンディングを見れれば俺は本当に転生できるらしい。

 本当にというのは、実は今は転生待ちの状態で厳密には転生していないらしい。


 つまり転生するための試練ということだ。ゲーム得意ならやれそうなのにしておいたよ!と言われた。

 更にこの試練はあのゲームを再現したもので、ゲームの世界ではないらしい。

 幼少期から始まったのは、記憶の混乱が少ないとか大人の事情だよ!って言われた。

 ゲームと同じなので攻略覚えていれば使えるから頑張ってと。


 転生するのにそんな試練で大丈夫なのか。


 

「一つ聞きたいんだが」


『なにかな?』


「青いのとか使えないんだが」


『青いの?』


「装備変更できないんだが」


『何言ってるの?普通にだから使えるわけ無いじゃん』


「は?」


『普通にって言ったら装備変更禁止に決まってるでしょ』


「それのどこが普通になんだよ!」


『えっ、普通にプレイだよ?』


「だから普通にプレイだろ?」


 普通プレイとはなんぞやと聞いたところ返ってきた答えがこれだ。


『装備変更禁止、魔法の入れ替え禁止、隊列変更禁止、リセット禁止だよ。セーブはおっけー。セーブは一枠。つまり全滅したらセーブまで巻き戻る。ただし、詰む状況でセーブした場合は試練失敗ってことで』


 それ、絶対やりこみ制限プレイだろ……普通プレイじゃないだろ……


『ゲームじゃなくて現実で全滅してセーブまで巻き戻るのは辛いと思うけど試練だからね、がんば!』


「ちょっと待て、それで魔王倒せるのか?」


『わかんにゃいけど、他のいろんなゲームで、その縛りでクリアしてる人いっぱいいるし大丈夫でしょ』


 大丈夫じゃねーよ!

 他のゲームはどうでもいい。このゲームをそれでクリアした人いるのかよ。

 しっかし、ミケ様は随分俗っぽいな……


「いや、俺、そんな縛りプレイが普通とか聞いたことないぞ」


『は?普通だよ?』


 無茶苦茶だ。もちろんこんな内容で転生させるか見極めるのも含めて。


「そういえば試練失敗したらどうなるんだ?」


『最初からやり直してもいいし、試練諦めて転生しないのも手だよ。煮干しをはじめとする君の善行じゃ他の試練は受けれないからね。転生しない場合は簡単に言うと魂が……そうだな、例えると原料に戻る。戻った原料は同じツボに大量に保管してあるのでごちゃまぜになる。だから原料から再び魂に加工されても別物になるって感じかな』


 煮干しはどうやら善行扱いらしい。神への供物を捧げたポイントも入っているようだ。

 神様に煮干しで善行積めるとかちょっと楽すぎない?

 と思ったが普通は神様見つからないし、それを考えたらそうでもないのか……?


『それから、君の試練評価に、おかか君が天寿を全うした後の転生試練にも関わってくるから。しっかりやるように』


 おかか君誰だよ。っていうかおかか君まだ生きてるのかよ。

 俺が煮干しをあげるように、おかかをあげている人がどうやらいたようだ。

 まさか、おかか、お前がミケの飼い主なのか……?


「というか、もしかして新しい転生試練考えたからテストやれってことなのか?」


 しばし無言。


『ではこの苦行を乗り越えてみせよ!』


 ミケ様がビシッっと決めポーズを取った気配がした。こいつ無理やりスルーしやがった。

 お姿は見えてないけど。


『あ、忘れてた。セーブしとく?』


 軽いなぁオイ。

 セーブして去ろうとした時、次に来るときは貢物をよろしく。もちろん魚で。と念を押された。


 全滅、つまり死んだ時に今の状況まで戻れるか若干不安に思いつつ、今後について考える。

 序盤のセオリーは手持ちの所持品、初期装備も含めて全部売っぱらって一番いい武器を買うのだが……

 装備変更できないからこの手は使えない。


 っていうか攻略情報見ずに、この縛りの攻略考えるのむずくない?

 今から攻略見れないか聞きに戻るのもなぁ。どうせ初期装備でひたすら経験値稼ぎだろうし、次のセーブの時でいいや。


 仲間探しに行こう。まずはセオリー通りに序盤の強い仲間を……

 うーん、強い仲間にと思ったけど装備変更禁止なんだよな。

 初期装備が強い方が良いのか?


 加入条件さえ満たせば離脱も再加入も容易なので気にする必要はないのだが、俺がこんなに悩むのには理由がある。


 基本的に初期装備が他より少し強く、ステータスの高いキャラは成長率が悪い。

 某有名シミュレーションの序盤のお助けキャラをイメージしてもらえば間違いない。

 ほぼレベル上限のほぼ成長しないキャラみたいなもんと考えれば良い。


 逆に成長率の良い初期の強い仲間はその分初期ステータスも装備も脆弱だ。

 まあ初期から加入できるメンバーはどれも最終的にそれほど強くはないのだが。

 序盤の強キャラと言われている仲間は、大体成長率が良くて初期はパッとしないタイプが多い。



 初期装備について。

 幾ら強くても序盤はすぐに装備は変わる。

 強い装備と言っても、序盤の仲間の初期装備がずば抜けて強いはずもなく、一番下と下から三番目の差だ。

 だから装備変更縛りなんかしてないなら初期装備で選ばないのだが……追い剥ぎしてより強い武器買うとかはあるけど。

 今回は変更禁止で外せない。売っぱらうのも無理なのでそれはナシだが。


 最終的には強制的に装備が最強装備へと変更されるキャラが主力になるだろう。

 イベントで強制的に装備変更なら大丈夫だと信じている。信じるしかない。


 次に初期ステータスについてだ。

 こっちは装備と違って結構差がある。

 例えば成長率のいいキャラが初期に強いキャラを超えるには、二番目のボスを倒した後くらいの適正レベルは必要だ。

 ボスまでの内容はゲームによって違うのでわかりにくいが、初期キャラの出番が終わるまでの折り返し地点だ。

 じゃあそこまで初期強いキャラで行けばいいじゃん。と、思うかもしれないが、そこから新規に育成するとなったら時間がかかる。

 それなら初期に強いキャラを育成した方がかかる時間は少ない。

 では、ステータス低い成長率のいいキャラが鉄板メンバーの理由はというと。

 三番目のボス以降、出番終了までは初期のマイナス分を余裕で上回る効率なのだ。

 進めば進むほどレベルが高くなって、稼ぎがより必要になってくる。

 初期ステータス高いキャラの成長率なら、三番目のボス撃破の適正レベルは更に余分に幾つか必要だと思ってほしい。

 まあ、二番目のボスまでは初期ステータス低いキャラだと逆なんだが……

 序盤の経験値稼ぎの苦行より、後の経験値稼ぎの苦行の方がきついのだ。

 敵の経験値増えてはいるが、敵が強くなったことで戦闘時間も伸び、次のレベルまでの経験値も増える。

 回復等の時間も考えると、やっぱ序盤の方がさくさく強くなるのだ。

 つまり、効率だけ見れば成長率が良くて初期ステータスが低い方がいい。


 とまあ、成長率の良いキャラに飛びつきたくなるが、問題がある。

 装備変更禁止だ。

 縛りプレイじゃない場合のセオリーはこうだ。

 初期装備かき集めて売っぱらって、ギリギリ買える武器を、成長率の良い初期ステータス貧弱なキャラに持たせて無双する。

 そう、初期ステータス脆弱なキャラが序盤を乗り切るには強い武器が必要なのだ。


 どれくらい必要かというと。

 初回プレイの時に適当に仲間にしたお陰でパーティメンバー全員が初期ステータス低いキャラだった。

 そしてセオリー戦術の初期装備を売って強い武器を買うという発想がなかった。

 だから初期装備のまま町の外に出たんだが……


 結果はパーティは半壊。

 最初の町の外で数歩歩いてエンカウントした敵に死屍累々ですわ。

 このゲーム難易度高すぎじゃない……?

 全滅しなければ生き残ったメンバーに経験値は入るので、なんとか強化して序盤を脱出できたのだが、結構な苦行だった。

 これが成長率の良いキャラに飛びつけない理由だ。


 長々語ったが、察しのいい人はわかっていると思う。うん。

 そして、言うの忘れてたけどパーティの最大人数は主人公、つまり自分を含めて五人。

 全員鉄板の成長率良いキャラにするから、苦行が始まるんですよ奥さん!


 さーて、メンバーはどうすっかな。その前に条件確認しないとダメじゃない?


 装備変更禁止。これはもう基本初期装備で突っ込めってことだろ。

 イベントで強制装備変更が残された希望。


 隊列変更禁止。隊列補正がないので特に何もないと思う。

 思うんだが……


 魔法入れ替え禁止。覚えた順に枠が埋まるから強い魔法が使えないって縛りだ。

 戦闘で使うには最大八つの枠にセットしなければならない。

 九番目以降に習得する魔法は控え枠に入るので、高レベルの魔法は覚えても控えから出せない。

 さっきはどうでもいいと受付嬢のお話を聞き流していたが重要では?


 ん?


 待て待て、魔法ってなんかあったよな。

 確か一回の戦闘で一気にレベルアップしたら高レベル順に枠に入るんだっけか……?

 例えば九個、一度のレベルアップで一気に覚えた場合、一番習得レベルの低い魔法が控えに入る。

 流石に九個の魔法を一度に習得するのは厳しいが、七、八枠目辺りの魔法習得時に……くらいなら現実的にやれそうだ。

 


 ……パーティ離脱不可の俺は経験値調整は戦闘不能以外で無理だから諦めるとして。

 仲間は一気にレベルを上げて、使えない魔法を枠外に押し出せば強い魔法も使えるのか!


 ってことはつまり、経験値調整面倒って事じゃないか。やだー!

 それに使える魔法覚えるキャラは一気にレベルを上げれる狩場まで使えない事になる。

 あっぶねぇ……

 っていうかかなり複雑な話になってきた。何かに書いて考えないと考えまとまらないぞ。

 紙でもあればいいんだが……確か紙って高かったよな……


 これ、何時出発できるんだろ。

 煮干しっちが隊列で忘れているのは特定の隊列に居るキャラでのイベントです。

 広義だと先頭キャラの名前しか呼ばれなかったりする一般会話も入るのかな?

 先頭のキャラが肩揉んでもらったり、へその単独攻略に向かうとかああいうやつですね。

 あの勇者は心の中のボタンを押して、会話を記憶に刻み込んでたけど。


 世の中にはよくわからん縛りプレイを普通プレイと言い張る人が居て困る。

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