もうやだよ やだよ
「きてるきてる」
やばいよ…
こっちに向かってイノシシさん落ちてきてるよ…
鳥さん、へびさんと戦ってて首噛まれて
それでイノシシさん落としちゃったのかな?
そうだとしても、なんで私のとこに落ちてくるの?
「やめてよー」
はやくはやくいそいでー
うわーきてるきてる
イノシシさん大きいからもっと離れないと
私なんてつぶされちゃうよー!
どうしよう…どうしよう…間に合うかな?
わたし足おそいのにー、あーもうだめだよー
今日何回も、もうだめて、思ったけど
今が一番もうだめかもしれないよー
「あっ」
いたー、なんか木の根っ子につまずいちゃったよ
痛いよ、ヒザすりむいちゃったよ、ぐすん
もう、やだよー
うん?なんかお空が暗いような?
「あー」
イノシシさん、落ちてきてるんだったー
えーもう私、疲れて足痛くて走れないよ…
立ち上がるのもむりだよー
どうしよう…ぐすん
「うわーん」
やだよー おかあさんおかあさん
ぐすん もう なみだで まえ みえないよ
わたし わたし このまま イノシシさんに…
「うわーん」
パシューン
「ひゃー」
え、なに?なんの音?
え、なんかすごい風きたんだけど…
ズドーン
「…」
こ、こわかったー
も、もれてないよね?大丈夫だよね?
だ、だって、だって、あんなの、こわすぎるよ…
わたしの横を、イノシシさんが…2つに分かれて…
わ、わたし、あのままだと、
イノシシさんに…つぶされてたのに…
な、なんか、イノシシさん2つになっちゃって…
それで、それで…わたし、たすかって…
「うわーん」
こわかったよー おかあさーん
もうやだよー おうちにかえりたいよー
ひぐん、なんで わたし ここにいるの?
なんで こんなとこで
こわい おもい しないと いけないの?
もうやだよ やだよ やだよ やだよ やだよ
「おかあさーん!」




