久我兄弟の日常・改
“お命頂戴致します・改~イケメン3兄弟とゆかいな仲間たち”のスピンオフ作品です。
Act.1 聡の婚約者探し
「聡様、いい加減に婚約者をお決めになってください」
ここのところ毎日瀬蓮は俺・聡に言う。
聡・「どうしたんだ?最近になって?」
「この瀬蓮も孫の顔が見とうございます」
そうだよな。瀬蓮が親みたいなもんだよな。とすると、俺らの子が瀬蓮の孫か……。
尊・「聡兄ー。観念して、見合いすれば?」
聡・「尊は簡単に言うけどな?一生の問題だぞ?そして、明日のわが身だからな!」
尊・「ゔっ……。聡兄の次は俺なのか……」
悟・「そしたら、尊兄の次は俺?」
「いいえ。悟様にはまだ勉学に励んでいただきたいので、まだです」
悟「だってー。二人とも、頑張ってー。俺は甥でも姪でもいいよ?」
なぜ悟まで瀬蓮のように言うんだ?
聡・「俺は好みがうるさいぞ」
「心得ております」
聡・「料理ができる事。まぁ、家事全般はできて当然だな。それから、俺らの仕事は表も裏も口出さない事。特に裏の仕事については家庭内以外で口に出さない事。そうだなぁ、口は出さないが表の方は特に経理をしてくれると助かる、瀬蓮が。今までは全部瀬蓮がやってたからな」
「私の事まで考えて下さったとは。瀬蓮、嬉しゅうございます」
尊・「容姿はお袋似?」
聡・「尊、煩い!容姿は俺の隣でも遜色がない人間だな」
「それは難しゅうございますね、坊ちゃま方は麗しくいらっしゃいますから。条件を全て満たす人物を探してみせます!」
自分で思うが、そんな人間いるのか?
聡・「あ、性格は‘芯がしっかりしている’子で」
「条件が増えましたな。瀬蓮、頑張ります故、期待をしていてください!」
Act.2 尊の婚約者探し
「聡兄が確定してからでいいじゃん!」
尊・「いいえ!尊様も早く婚約していただくことが瀬蓮の幸せです」
「瀬蓮の幸せねぇ……」
尊・「俺の理想は、武術に優れている事だな。少なくとも瀬蓮の8割くらいは……」
「それは――全種類の格闘男子でも難しい注文ですな」
尊・「それでいて、兄貴と同様に隣にいて遜色ない女性」
「注文が増えました。難しいですなぁ。格闘技をしている美女の中でも特に優れていないといけないわけですね」
尊・「うちの事情も熟知したうえで、口が堅くないとダメだ」
仕事に差し障るのは迷惑だ。
尊・「できればボンキュッボンの美女がいいなぁ」
悟・「尊兄はそういう俗っぽい感じの子が好きなんだー」
尊・「なんだよ?悟!」
悟・「いや、学校にはそういう俗っぽい女の子が多いからさぁ。格闘技はできないだろうけど」
尊・「―――格闘技できないとダメなんだよなぁ。できればポスト瀬蓮くらい能力が高いと助かるなぁ」
悟・「あ、それはわかるー」
「瀬蓮の老後まで考えて下さっているとは、瀬蓮は感激です」
瀬蓮の老後はいつだろう?
尊・「ところで、瀬蓮はいま何才?うちの両親くらいか?」
「坊ちゃま方には秘匿です」
秘匿にする意味が分からない。
尊・「瀬蓮の老後っていつだかわかんないじゃん?」
「この瀬蓮が使い物にならなくなったらですよ」
尊・「瀬蓮は使い捨てじゃない。だから婚約者候補に格闘技を求めるんだ」
「瀬蓮は感激ですが、婚約者探しは難航しそうですなぁ」
Act.3 悟の日常
今日も俺は学校に行く。当然だ。瀬蓮のスパルタに耐えて入学した学校だ。休んでたまるか。
「えー、今日は手術で使う道具の名称の試験だったな?」
「私、全然覚えらんないのよ」
「似たような形で、似たような名前でしょ?無理」
そうか?ひとつひとつ全然違うが?
後日、試験の結果が帰ってきた。
ふむふむ。俺は満点と。よしっ。
「悟、満点じゃーん。すごーい!いーなー」
「うるさいなぁ。丈一郎」
「イヤだ、ジョナサンって呼んで♡って言ってるのにー」
「うるさい、近寄るな」
「えー、久我君満点だったの?すごい!コツとかあるの?」
うちの聡兄によるスパルタで実物で特訓。―――とは言えないよなぁ。うちに全部実物あるんだよなぁ。
何はともあれ、満点ならば瀬蓮にも聡兄にも何も言われないだろう。まずはよかった。
「ほぅ、悟様が学校の試験で満点を。聡様のスパルタにもよりますな。普段から使ってますもんな」
そうなんだよな、聡兄が執刀する手術の助手を俺がしてるから、覚える。習うより慣れよってやつだな。
そう言われながらも、俺は店で出すカフェオレのラテアートの練習をしている。
尊・「おい、悟。練習はいいが……この大量のカフェオレは誰が飲むんだ?」
悟・「……」
尊・「考えてなかったのかよ?」
「まぁ、そうおっしゃるな、尊様。私めも飲みます。あと、皆さんで飲みましょう?」
尊・「食品を無駄にするのは、気が引けるもんな」
「そうですよ、尊様」
悟・「聡兄ー、休憩してみんなでカフェオレ飲もう?」
聡・「それはいいんだが……みんなして寝不足とかにならないよな?」
聡の予感(?)は当たり、翌日はカフェオレで寝不足という事態になったため、店を休業した……。
俺(悟)は今後どうやってラテアートを練習すればいいんだろう?
Act.4 尊のマイブーム
悟・「兄貴ー。珍しー。PCに向かって何してんだよ?」
尊・「うーん、普段の鬱屈?疑問?をぶつけてるみたいな?」
瀬蓮が現れた。
「お二人とも!尊様が事務的な事をしているとは実に珍しいのですから、そっとしておきましょう!嗚呼、この目がシャッターだったら……」
尊・「……褒められてるのか、貶されてるのか……」
悟・「とりあえず、作業を続けて下さいな」
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犬も歩けば棒に当たる→当たったの見たことない。電信柱でトイレの間違え?
猿も木から落ちる→落ちるの?猿自体そこらへんにいないからなぁ。
豚に真珠→食べそうだ。
弘法も筆の誤り→人間だもの。間違えることもあるよ。
覆水盆に返らず→こぼれた水を元に戻そうと思わない。っていうか盆で水運ばないよ。シチュエーションがわからない
犬に論語→論語を暗記してるってすごいよね。何も犬に披露しなくてもいい。
馬の耳に念仏→痴呆症の始まりでしょうか?馬がかわいそうだ。
暖簾に腕押し→暖簾を避けるときはちょっとは腕で押すよ?
糠に釘→錆びる?錆びないの?
鳶が鷹を産む→産まないよ。
鳶に油揚げを攫われる→鳶は肉食だろう?
藪から棒→驚く。
藪蛇→蛇が出たらビックリ。何か探してるのかなぁ?
時は金也→英語も同じだね。年取るってこと?
三つ子の魂百まで→三つ子じゃないよ。3才の事だよ。100才まで生きるといいね。
酒は百薬の長→なんでもほどほどがいいね。
帯に短し襷に長し→帯は無理でも、襷はガンバ!
調理の‘さしすせそ’→“せ”は“正油”だから?“そ”は?味噌?“み”じゃん。
百聞は一見に如かず→聞き返すにしても、100回はないよ。見た方が楽だけどさ。
‘猫の額’の広さ→謙遜した人すごいよね。そしてだいたい広いよね。その場合、猫が超デカいことにならないか?謙遜が過ぎる。
猫に小判→店先によく見かけるけど、あれは何?
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「尊様!このように高尚にお考えとは!瀬蓮、感激です。目から鱗ですな。あぁ、尊様にはそれも『あり得ない、痛くない?』と一笑されてしまいそうですな。はははっ」
そんな瀬蓮の眼には涙が溜まっている。
尊悟・(高尚って……)
聡・「ふーむ、尊はなかなか毒舌で辛辣だな」
尊・「兄貴には言われたくない。っていうかどこまで見た?」
聡・「ん?全部だが、問題でもあるか?」
尊・「ん~~」
悟・「尊兄、聡兄には敵わないよ。諦めなよ……。俺は全てを諦めてる」
聡・「そんなキッパリスッパリ言われると、兄貴としてはなんかもの悲しいなぁ」
悟・「事実だから仕方ないでしょう。聡兄も諦めて下さい」
多分日常はこんなだろうなって思って書いた感じです。読了ありがとうございました!