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銀の太陽 紺の月  作者: ミソラ


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エピローグ

 ー二十年後ー


 広大な土地に、作物ごとに区画が分けられた畑がある。管理センターの横には野菜用の工場や大きな温室のようなビニールハウス、畑の向こうには牛舎や鶏舎や牧場。さらにその向こうには田んぼが広がっている。

 それぞれの農地でアンドロイドやロボットが黙々と手入れをしているのが遠くからでも見える。

 

 ここでは牛や鶏のフンを肥料にして完全無農薬を目指している。

 ここの成功が全国に広がり、各地に大規模農場ができた。ノウハウは漁業など様々な第一次産業に活かされている。

 食料自給率の向上は人類(ヒューマン)とアンドロイドの共生、そして人口の回復にも反映されてきた。


 *

 

 いつもは忙しなくトラックが出入りする門から一台の車が管理センターに近づいてきた。

 

「お久しぶりです、おぼっちゃま!」

「おい、わざとだろうリーア。」

 

 管理センターから出てきた、白いシャツにスリムなデニム、足元はスニーカーを履いた、栗色の髪の毛を後ろに結んだリーアが笑う。

「ふふっ、バレましたか、律教授。」

「その呼び方も気に入らないが、まあいいか。」

 二人は大規模農場の管理センターへ連れ立って歩く。その姿はまるで父と娘のようだと後から続く律の助手は思った。

 

「ご主人さまはお元気ですか?」

「ああ、隠居生活を満喫中……っていうか相変わらずなにか作っているよ。最近は俺の息子に頼まれた物を作ってる。」

「息子さんは思春期ですか。」

「そう、なのかな。僕より親父の方とばかり話しているよ。」

 リーアはまたふふっと笑った。

「浅見さんや皆さんとはたまにモニター越しに話しますけど、お変わりないですか。」

「浅見さんはねぇ、あれはビョーキだよね。所長になる話を蹴ってからもずっと研究一筋。多野さんと紫衣さんは相変わらず。」

「見えるようです。浅見さんの研究のお陰で私たちもかなり進化したと思います。」

「うん、僕よりも教授職にふさわしいんだけどね……。」

 そんなことを言っても、あれからの律の努力は凄まじいもので、他を圧倒してスピード出世した。

「浅見さんと紫衣さんが結婚するとは思いませんでしたけど。」

「実際に見ていても夫婦だってことを忘れるよ。」

 紫衣さんがこっそり教えてくれたのは「浅見はかっこいいのにだらしないから母性本能が刺激された。」だそうです。

 

「で、タクトは?」

「あちらの牛舎にいますよ。」


 牛舎の方から、やはり白いシャツにデニム、そして黒い長靴を履いた美しい黒髪の男が走ってきた。

「お待たせしました、律教授! すみません、仔牛が産まれたんですよ。」

「いつものことだけど畑に似合わん奴だな。」

 律が呆れたように笑う。

 

「二人とも変わらないようで良かった。さあ、早速点検と修理をさせてもらおうか。」


【終わり】

 完結しました。ありがとうございました。


 最初はアンドロイドとヒューマンの恋にしようかと思いましたが「行く末は悲劇しかないじゃーん」とアンドロイド同士の恋となりました。

 人類はAIとアンドロイドに脅威を感じていますが、結局、協働しないと生きてはいけないと思うのです。


 これからもよろしくお願いします。

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