表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
銀の太陽 紺の月  作者: ミソラ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/39

新世界へ1

 平穏な日常を過ごしていた私は、ご主人さまから中央センターに呼ばれました。


「新しい特区を作る計画があるんだ。」

 

 所長室で応接セットに座るタクトと私に向かって、ご主人さまが書類を並べました。ご主人さまの横には浅見さんが座っています。

 

「AIとロボットをより実践的に稼働させる大規模農業の実験都市アグロだ。そこには人間は住まず、アンドロイドと作業用ロボットのみで構成される。」


 その実験都市では、さまざまな作物を人の手を使わずに生産するそうです。従来の畑や田んぼのほか、建物の中で育てる、いわゆる工場野菜もあります。

 農業とは一年三百六十五日手がかかります。もちろん今でも農業に打ち込んでいるヒューマンはたくさんいますが、人手不足は解消されません。そこで暑さ寒さ、疲れも関係なく働くロボットが重用されます。

 今までもヒューマンを補助するツールとしての作業用ロボットは稼働していましたが、今度作られる特区にはヒューマンは居住しないということです。


「計画では三年実験をする。そしてそのロボット達を管理する存在が必要だ。そこで私はタクトとリーアに任せたいと思う。」

 タクトが驚いたように目を見開き、ご主人さまを見ました。私ももちろん驚いています。でも残念ながら表情には出ません。

 

「この中央センターから遠隔で君たちの補助をするのは浅見くんだ。」

 ご主人さまの隣に座っている浅見さんが頷きました。

 

 タクトが恐る恐る口を開きます。

「僕は……、僕たちは存在してもいいんですか?」

 ご主人さまは柔らかく微笑みました。

「当然、未だにアンドロイドやAIに忌避感を持つ人達はいる。人間の住まない特区を成功させるには実績を上げなければいけない。けれど、君達なら成功させると思うよ。それに、人間が住まない場所なのは君たちにとってもうってつけだろう?」

「君らが成功したら、もしかすると感情を持つアンドロイドも受け入れられるようになるかもしれない。」

「まあ、タクトレベルが受け入れられるのは、もうしばらくかかるだろうね。」

 ご主人さまが笑いながら言ったので、もしかすると明るい未来があるのかもしれません。


「ああ、ここが大事なところだが、タクトとリーアの住む家も作るよ。」


「ありがとうございます。」

 タクトが深く頭を下げたので、私も同じように頭を下げました。


「君たちが必要なのはシャワールームだけだけど、俺たちが行った時のためのキッチンもトイレも必要だなあ。」


 浅見さんの嬉しそうな笑い声が聞こえました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ