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銀の太陽 紺の月  作者: ミソラ


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対峙7

 今回の件で浅見さんのこととタクトの存在を国に報告するために、ご主人さま、浅見さんとタクトは上京し、一か月ほど国の中央官公庁を引きずり回されたそうです。

 

 ご主人さまが浅見さんの才能を悪用されないために一職員として扱っていたことが正しく理解され降格などの処分はありませんでした。その上で浅見さんのことを隠蔽していた責任を取るとしてご主人さまと、機密情報漏洩の恐れを招いた浅見さんは一年の減俸となりました。

 

 浅見さんに関して、その才能を流出させないために引き続き中央センターの一職員として勤め続けることになりました。

 

 実際にタクトを見た国の偉い人たちは技術保護と秘匿のためにタクトを研究対象としてソピアで保護することに決めたそうです。


 スクラップは免れました。


 *


「あーあ。」

「浅見、どうしたの?」


 中央センターの屋上のベンチで天を仰いでいる浅見さんにタクトが心配そうに尋ねました。

 

「いや、斎木教授みたいなのを本当の天才って言うんだろうなって。国との折衝も見事でさ。俺なんかまだまだ若造だよ。」

「浅見もいつか教授みたいに立派になるよ。その時は『お父さん』て呼ぶ。」

「……あー、そうだな。しかし減俸て。もともと薄給だったのに削られて……。」

「どうせ中央センターから出ないんだけらいいじゃないか。食事だって全部センターの食堂で済ませているし。」

「まあそうだけど……。」


 浅見さんとタクトが笑い合っています。

 タクトがタクトとしてソピアに帰ってこられたのは奇跡に等しいものでした。タクトを見た偉い人たちや専門家はタクトに対し恐怖と畏怖の視線を向けたそうです。最悪、研究対象として国に没収されて分解されてもおかしくはありませんでしたが、ご主人さまが

「研究対象とするならば、このままどれだけ成長するかソピアで私が責任を持って見守る方が適切である。」

 と押し切ったそうです。

 

 確かにご主人さまは第一人者であるし、その後何かあればすぐにタクトの動きを停止できると訴えて許されたそうです。そしてそれには国の許可の元で開発された私の存在も役に立ったようです。

『会話ができ感情があるアンドロイドの発展と危険性について』の検証だという大義が与えられました。


「ところでリーア。リーアもそろそろ帰れるんだろ?」

 浅見さんが私に向き直りました。

「はい、明後日の朝、帰宅する予定です。」

「タクトと離れて寂しくない?」

「『寂しい』……? その時にならないとわかりません。」

「その学習は今からか。」

「僕は今から『寂しい』よ、リーア。」


 眉を下げているタクトの顔を見て、浅見さんが面白そうに笑いました。

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