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銀の太陽 紺の月  作者: ミソラ


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親子1

 お屋敷に帰ると、マーサと警備用アンドロイドが庭やリビングに飾り付けをしていました。

 私はリビングの隅にあるチェストの上にラッピングされた時計を置き、キッチンにケーキを持っていって冷蔵庫に入れました。ケーキを食されるのはおぼっちゃまとご主人さまだけなので小さいホールです。

 キッチンを見回すとコックアンドロイドのごんさんと調理マシンが次々とおぼっちゃまの好物の下ごしらえをしています。

 からあげ、焼きそば、ピザ、フライドポテト……。今日は栄養バランスは無視です。


 今日の予定は、夕方からご友人を招いてのガーデンパーティー、そして夜は帰宅したご主人さまとケーキでお祝いです。

 ガーデンパーティーではおぼっちゃまの好物とごんさんが作った小さなデザートが並びますが、今日買ってきたケーキ屋さんは亡くなった奥さまが好きだったそうで、ご主人さまとおぼっちゃまだけのお祝いの『特別』です。


 *

 

「なんだよ、この子供っぽい飾り付けは!」

 帰宅されたおぼっちゃまが庭で叫んでいます。見ると、木にくくりつけられた「Happy Birthday」と金色の文字で書かれた赤いガーランドを取ろうと引っ張っています。

「もう子供じゃないんだよ!」

「どうしました、おぼっちゃま。」

「用意するのは食事だけでいい! この飾り付けを全部取れ!」

「取るのは明日朝と予定されています。」

「ほんとに融通がきかねえな。恥ずかしいんだよ。」

 昨年まではそんなことはおっしゃっておられませんでしたが、これも思春期というものなのでしょうか。

 私がフリーズしていると、おぼっちゃまは盛大にため息をつきました。

「友達が来るまでに僕が外せるところは外す。文句はないだろ。」


 ヒューマンのすることに文句はありません。


 その後、わあわあと賑やかなガーデンパーティーが終わり、急いで帰ってきただろうご主人さまとおぼっちゃまがケーキを前に座っていました。

 

 おぼっちゃまは不機嫌そうな顔でろうそくの火を吹き消しました。

 マーサがケーキを切り分けようとすると「僕、お腹いっぱいだからいらない。」と席を立とうとします。

「律。」

 ご主人さまが落ち着いた声でおぼっちゃまの名を呼びました。

「お母さんが好きだったケーキだ。一口だけでもどうだ?」

 おぼっちゃまがむうっとした顔で黙って座り直しました。

 

「律、最近は、学校とかどうだ?」

「別に……。」

 おぼっちゃまはケーキにフォークを刺してちまちまと口に運んでいます。

「そうか……。」

 会話が続きません。


「おぼっちゃま」呼びのプログラム書き換えを言うチャンスなのですが。

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