ギルド試験と物人化
カエデが仲間になってから一日が過ぎた。
グラサンは試したいことがあったため、もう一度モン森にきた。
「『物人化』!」
光を木にぶつけた。
そして木を取り込んだ光は自動的にカエデの体に取り込まれていった。
「やっぱりな、同じ物質に当てるとその物質のレベルが上がる。逆に今まで当てていなかった物質に当てるとそれが仲間になるっと言う感じか。」
この物人化のスキルは実に興味深い。使い方によっては最強パーティーが作れる可能性がある。
このスキルを使えば、前世でもコミュ障だったことによる弊害はなさそうだ。
そして約束の試験の日になった。
「長い間、森の方へ入り浸ってたらしいね。前よりどのくれー力つけたか、ワイが試してやんよ」
前に会ったギルド長だ。
「いくよ、ライ!カエデ!戦闘モード!」
「なんじゃ?急に変な生物が2匹出てきやがった。」
「『枯れ葉の舞』」
「『帯電』」
「小手調べと行こうか、『ハンマーインパクト』!」
叩きつけられた斧から強い衝撃波が発生し、カエデは転んでしまった。
「『ぶん回し』!」
ランダムに振られる斧がカエデを襲う。
カエデは横に転がり、何とか逃れた
すると試験官の動きが止まった。いや、止められたのだ。
「ぶっつけ本番だけど使えたな。『交流』は俺が奴に捕まっている間だけ効く。だから今のうちに攻撃を!」
グラサンは手から強い火の玉が出るのをイメージし、
「フレア!」
ライは当たる直前に離れ、試験官に火の玉が命中した。
「は、ハハハハハ!やるじゃねーか。この短期間でここまでやるとはな。俺、引退前はcランクだったんだぜ?」
何かで守られてしまったのだろうか、スミだらけだがあまり効いていないようだ。
「いいだろう、合格だ。冒険者カードと身分証明書は発行してやろう。」
「ありがとうございます」
「でも、せっかく発行するんだ。他の試験も受けてみないか?今回戦った内容だったらテイマーとか、魔法使いの試験もある。受けなくても、演習ものの紹介状くらいは書いてやるよ」
今後の戦闘のことを考えると受けておいた方がいいだろう。まだ旅の準備もできていない。
「じゃあ、演習の紹介をお願いしたいです。他の試験は気が向いたらやります。」
ギルド受付にて
「とりあえず、[おめでとうございます、あなたは試験に合格されました。あなたの冒険者としてのランクはfとなります。今後様々なクエストをクリアしたり、大きな賞などの授与で街に貢献したことが明確になればランクはあがります。]。この定例分必ず言わなくちゃいけない決まりになっててな。でも賞授与でのランクアップはここ30年実績がないそうだ。村や国の大半が感謝してくれないと難しいからな。」
「この制度って誰が決めたの?」
「昔、魔王ってやつを倒した勇者がいたんだとよ。その勇者が先に進みやすいようにできたらしい。」
「へー」
「ちなみにその勇者はギルド創始者だから200年前くらいに死んでて、もしかしたら生まれ変わりとかもいるかもな」
勇者のことは聞いておきたい。俺がやろうとしていることも、世界を平和にするため。つまり魔王的存在の討伐になるだろうから