情報ギルド、物人化
「ふわあ〜、よく眠れた。」
「もう10時だぞ。もう街は賑わってる。」
「さ、アニキ、修行に行くで。」
あの日、ヘイリの面接、つまりこの『コソノニーク』に着いてから3日たった。
『物人化』スキルで仲間のスキルを獲得しながらグラスは考えていた。
「なあ、もう1人仲間増やさないか?」
「賑やかになるのはいいですけど、"何物"を作るつもりですか?」
「このパーティーの攻撃手段が少なすぎる。今の所カエデの『紅葉狩り』とシュガンの『岩投げ』だけだ。だからもっと攻撃が豊富そうな物ってなんだろうと思ってな。」
「無難に行くと火じゃないかな。範囲攻撃にもなるし、灯にも役にたつ。」
「おいどんもそう思う。火なら土使って土器も作れる。」
「私は氷ですね。燃やされたくないのと、相手の動きを完全に封じることができれば今までの攻撃が強く当てられます。」
「俺もそれは考えた。でもそれだと凍らせてから攻撃するっていうワンパターンになってしまう。やっぱ火がいいかな?」
「でも火ってどうやって当てるんだ?今まで作ってきた物人は全部固形物だ。」
「そうなんだよね。当たるっていう判定が無い気がする。」
「情報ギルドってやつがせっかくあるんですから、聞いてみたらどうですか?」
「そうだべ。オイラの時みたいに倒した敵が仲間になる可能性もあるけん。」
「今更だけど、シュガン、お前一人称統一できないのか?おいどんだったりオイラだったり。読者が読みにくいだろ。」
「そんなことはないべよ。オイラはおいどんやけん。」
「っていうかしれっとメタ発言やめろよ?」
「まあ、それは置いておいて情報ギルドに行きましょう。」
情報ギルドにて
「ようこそ。グラスさんですね。担当のデクロ・ターキと申します。情報ギルドは情報を得たら時々知らせていただくとより濃い資料となりますので、教えていただけると嬉しいです。また、情報の信憑性が高いほどいい情報を伝えやすいので、行き詰まったらまたきてください。」
全く、よくできたシステムだ。ギルドの情報は全て勇者たちに行くようになっている。それも信憑性が高い順に。
また、怪しい情報を流したとして危険人物のマークもできる。勇者やヒサカツさんが考えているだろうとはいえ、できすぎ。前世はなんだったのだろうか。
「火系のモンスターを探しています。私たちでギリギリ倒せそうな敵はいないですか?」
「あなただけに見えますけど、平均レベルは?」
「8レベルです。」
「えっじゃあ、冒険者ランクは?」
「fだと、あっ!」
気づくとランクがcに上がっていた。
「cって久しぶりに見ました。この街にcランクってあまり来ないんですよ。aかe fが多いですから。」
「そうなんですか。」
「そうですね、8レベルだとファイヤーバードですね。キラーバードの2段階上位互換です。」
「ありがとうございます。ちなみにどこに?」
「ここから西にドリトバー火山があります。そこに群れが多いです。ハグれていたらチャンスですね。」
「わかりました。今度いい情報持ってきます。」
「それは嬉しいです。またきてくださいね。」
可愛らしい笑顔で送り出された。
ああやってギルドメンバーの心を掴んできたのだろう。
違う、これも戦略か?
あの子や他の受付嬢目的で情報を出してくる冒険者も多いだろう。
やっぱりなかなか考えられている。一筋縄ではいかなそうだ。
「いくよ、新しい仲間を手に入れるために。」
「……あの子がグラス・サウザン。即刻ヘイリさんに伝えないと。」
登場人物が増えてきました。
おさらいです。
グラスサウザン 主人公
<仲間>
ライ 電気系イタチ型生物
カエデ 木生 クール召使少女
シュガン ゴーレム 田舎モン風
セヤンヨウ
シドメーフ セヤンヨウ長斧使い
コソノニーク
ヘイリサモキシ 兵士勇者弟子
ゲンアヒサカツ 黒眼鏡 2番目の転生者
ジョールオウヒ 集会者の紅一点お嬢様一人称私
ハラカンマーチ オラオラ系力自慢 一人称我
勇者ユウジ 200年以上生きている最初の転生者
コナノコ・オンジ 冒険者戦争孤児の女の子
デクロターキ 情報ギルド受付嬢
[モブ]
無詠唱について教えていた先生 (セヤンヨウ)
グラスを変人扱いした村人AB (セヤンヨウ)
能力で取り調べした兵士 (セヤンヨウ)
コソノニークに食料とグラスたちを運んだ商人 (セヤンヨウからコソノニーク)
ゴーレムの弱点を聞いた偵察隊 (セヤンヨウからコソノニーク)
【別世界】
千野茂定 グラス転生前
サッカーボールを追いかけていた子供
神 破天荒でめんどくさがりや
全員わかったらすごいです。




