表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

「舞い落ちる木の葉に命を託す」

作者: zefaro

「舞い落ちる木の葉に命を託す」  zefaro


      プロローブ


可乃子は、8歳、陽光がきらめくなかを家路と走っていた。

「もう先生も指導員も大っ嫌い」

涙を浮かべながら家の玄関の鍵を開けて2階の自分の部屋に入ると、ランドセルをベッドに投げつけ、机の引き出しから画鋲を取り出すと壁に向かって投げつけた。

考えられない事だが、どの画鋲も壁に刺さり文字を表していた。

「ばか、くたばれ」と

そして画鋲入れケースを手にしたまま唸ると、今度は、次々と壁の画鋲がケースに飛び込んで来た。

そしてまた投げる。

「死んじまえ」と文字を書く

そしてベッドに飛び込み泣き伏せた。

夕暮れが近ずきあたりは暗くなって来ていた。

もう母が帰る頃だ、壁の画鋲をケースに入れ机の中に仕舞った。


母に「晩御飯よ」と言われ下に降りる。

「可乃子、どうしたの赤い目をして、何が有ったの」

と。

「なんでもない、大丈夫」

と。

ご飯の味がしなかったけどむりやり口に入れた。

本当は、何もかも話したかった、でも母にまで怒られたくない。

(今日学校で、男の子がスカートめくりをするので、ひっぱたいた。

すると先生や指導員が来て私を責める、だって悪いのは私じゃないもん)



その1 現状


カミラは、悩んでいた、自分は、いったい何人なんだろうか?と。

日本で生まれたから日本人と言う訳じゃないし、ハーフのハーフだし。

アイデンティティーかぁ~

これと言って他の人と違うとは、思えないし。

まあ他人に聞かれたら、スウェーデン人とでも言っておこうかな。


「カミラ、おはよう」

「可乃子、おはよう」

「ねぇ、何時も鞄のシールが違うけど、そんなに買っているの?」

「シールって何の事?」

「これ、これ、鞄のシール」

「カミラ、これはシールじゃないわよ」

「じゃ何?」

「これは鞄の皮よ、よく見て」

「でも色が付いているわよ」

「考えるだけで、色んな色に出来るの」

「嘘ぉ~そんな事信じられない」

「じゃ、私の鞄もやって」


学校に着くと、カミラと別れて教室に入った。



「おはよう、可乃子」

「おはよう、玲子」

「昨日、どうだった?彼氏と上手く行っているの?」

「それがさぁ~どうも浮気をしているらしいの」

「エッ、浮気」

「で、どうする気?別れるの、許すの?」

「まだ証拠を掴んでいないの」

「協力するわよ」

「良かった、ひとりで、悩んでいたの」

「まずは、尾行ね、任せといて」


玲子の彼氏が、学校を出ると可乃子の尾行が始まった。

彼は、ゲーセンに行ったり、なんか時間を潰している感じ。

夜、6時過ぎ、彼が、動き出した。

郊外の住宅街を歩いている。

あるアパートの前で、誰かを待ち伏せしている感じ。

女性が、歩いて彼の前を通り過ぎ様としていた時、彼が、女性の前に飛び出して行った。

何か話しているらしいが、遠くて何を話しているのか?分からない。

しばらく話しをしてから彼は、帰り始めた。

とりあえず証拠にもならない写真を撮ってみた。


「玲子、なんか浮気をしている感じじゃなかったわ、これ一応写真」

「そう、私の勘違いかも?」

「正直に尋ねてみたら?、ねぇ、浮気していない?って」

「そうね、まず本人に問いただすわ、顔色が変われば、浮気の可能性もあるもの」



その2 可乃子の悩み。


この力を、世間で見せられないし、見せたら囚われて色々調べられ実験台になりそうだし。

隠し通すしかないのかなぁ?

「可乃子、最近浮かない顔しているわね、私になら話せるのじゃない?」

「まあカミラには、隠す事じゃないけど」

悩みを話してみたが、悩みが消えた訳じゃない。

「お父さんの相談してみたらぁ、何か解決出来るかも知れないじゃない」

「お父さんかぁ、まだ何も知らないのよね」

「帰るわ、帰って相談してみる、カミラありがとう」


「お父さん、少し相談が有るのだけど」

「なんだ、なんだ、お父さんに相談か、いいよ、いいよ、何が有った」

悩みを全て話してみた。

「おまえ、エスパーじゃないか」

「テレビに出て、稼いでくれないかな、テレビに出れば、実験台には、ならないだろう」

「お父さん、新しいクルマが欲しいんだ」

「いやねぇ~お父さんたら、1回テレビに出たくらいじゃクルマは買えないわよ」

「そうか、そうだな、しかも可乃子のお金だものな」


テレビかぁ、そうだなテレビで放送されたら拉致される様な事もないよな。



美香は、デートをしていた。

「時連、そんな言い方ないんじゃない」

「俺は、真実を言っただけだ」

「じゃ、あの子も、あの子も売春婦だと言うの」

「まっ、確認は、していないがな」

「安心したわ」



彼氏の浮気を疑った由紀は、彼氏のあとをつけていた。

彼氏は、パチンコ屋に入ったり、マンガ喫茶に入ったりして居た。

そのマンガ喫茶で、彼氏より早く出ようと思って席を出た時、自分好みのタイプの男に出会った。

「ねぇ、貴方、今時間ある?」

「まぁ、こんなところに居るから時間は、たっぷりあるけど」

「少し外を歩かない?」

「俺、今来たばかりだぜ」

「じゃ、電話番号と名前を教えてくれない」

「いいよ」

由紀の手帳に電話番号と名前を書いて貰った。



牙朗から可乃子に電話が来た。

「もしもし、可乃子、相談に乗ってくれない?」

「何?いったいどうしたの?」

「実は、2人の女性に言い寄られたんだけどさ、決断力の無さでふられたんだ」

「決断力って、どう鍛えれば良いか教えてくれない」

「決断力ねぇ」

「詳しく話してみなさいよ」

「実は、理理と言う女性と美可と言う人に、同時に言い寄られて、どちらかひとりを選ばないといけないと思ったんだ、どちらも魅力的で、甲乙付けがたいわけ、で、悩んでいたら、理理から決断力の無い人とは、付き合えないと言われ、直ぐ美可の方からも時間切れだと言われたわけ」

「ふ~ん」

「私なら、どちらとも付き合ってから自分の心が動く方にするわ」

「二股をしろと言う訳だな」

「そうよ、決断力の問題も確かにあるけど、結局は、付き合ってみないと、その人のひととなりって解らないじゃない」

「・・・・・」

「ありがとう可乃子」



その3


「可乃子、ねぇ、銀座にショッピングに行かない?」

「いいわね、それ」

「じゃ、着替えて5時に駅前で」

「遅いよカミラ」

「ごめん、お父さんから、小遣いを貰うのに手間取っの、男を買うと言ったら怒る事、怒ること」

銀座に出る。

色々とお店を見て回る。

「可乃子、1分後にスリが私達を狙ってくるわ」

「そんな事が分かるの、それって予知能力じゃない」

「そう言えば、そうよね」

「何時から予知が出来る様になったの」

「8歳のころかな、なんとなく未来が分かるの」

「来たわよ」

「カミラ警察に電話して」

スリの腕をねじ上げて可乃子が捕まえた。


警察にスリを引き渡して、2人は、またショッピングを続けた。



朝、起きたら可乃子の枕元に綺麗な鉢植えの花が置いてあった。

部屋の中に良い香りが、漂っている。

いったいどう言う事かしら?

お母さんかも知れないな。

夜、そろそろ眠ろうとベッドに入ったら、聞き慣れない言葉が聞こえて来た。

花が’喋っている。

心を静かに聞いていると意味が分かる様になって来た。

「君たち可乃子のさんとカミラさんの2人を我々の星に招待したいのだけど、受けて貰えないかな」

「我々の星って、何処にあるの?」

「ここから137光年先、静かで平和な星だよ」

「どうやって行くの?」

「我々の宇宙船まで、テレポートして宇宙船で4ヶ月くらいかな」

「じゃ8ヶ月も地球を離れる訳?」

「行き帰りが、あるからそのくらいの期間」

「宇宙かぁ~」

「何時まで待てるの、私カミラと相談しなきゃ」


「そんなに休んだら退学にならない?」

「大丈夫よ、休学なら」

「他の宇宙かぁ、どんなところかしら」

「可乃子、行ってみたいの?」

「実は、行きたくて行きたくてウズウズしているのよ」

「じゃ、行ってみようよ、こんなチャンス人生で1回有るかないかよ」

「そうね」


7月の星空の日、夜8時過ぎ、2人は、公園で待っていた。

8時24分、身体がふわっと浮いたら’もう宇宙船に乗っていた。

乗組員から、イヤホンと腕時計をわたされた。

早速イヤホンと時計を付ける。

「カミラ、何言っているかが、分かるわね」

「君たち2人は、これから案内する部屋で、待機していてくれるかな」

「分かりました」

乗組員のあとをついて行くと広いドームの様なところを通り過ぎて、部屋に着いた。

「可乃子、物凄い未来に来た様だわね」

「ほんと、ロボットは、居るし異星人も居るし」

「ねぇこの部屋、なんか凄いわよ」

「何が?」

「これを見てよ、これ」

「私達の事が、書いてあるのよ、しかもこれからの事も」

「嘘」

「じゃ、返事をする事も決定しているのね」

「未来の先取りかしら?」

「予知じゃない?」

「そうよね、今は、今だものね、未来から彼らが来ているなんて信じられないもの」

「ともかく言われる様にしてみましょうよ」

「そうね、地球に帰ってもたいした刺激もないし」

「考えるとワクワクしない、これから未来を救うのよ」

「そうね、私達が、未来を救うと書いてあるものね」

1時間が経った。

ドアがノックされた。

「2人とも来てください」

廊下を歩きエレベーターに乗る。

横にGを感じる。

エレベーターの扉が開くと、豪華な装飾品に囲まれた応接室が有った。

「さあ座って」

「遠いところを来て貰ったのは、我々の組織に入って貰いたいからなんだ」

「受けてくれるかな?」

「どんな組織なのか説明していただけますか?」

長い説明が始まった。

ところどころ理解に苦しむ話しも有ったが、概要は理解した。

「じゃ、特別訓練を受ければ良いのですね」

「返事は?」

2人は、アイコンタクで頷き。

「よろしくお願いします」



その4


特別訓練が始まった。

訓練は、宇宙船から何も無い星で、まず岩を砕く事から。


カミラは、宇宙船から地球より少し進んだ星に居た。

予知の基本は、まず心の安定からだ。


3ヶ月が過ぎた。

久しぶりに会う2人。

「カミラ、元気にしてた?」

「勿論元気よ、美味しいごはんは有ったし」

「私もよ」

「で、どんな訓練を受けたの?可乃子」

「それが貴女にも言ってはいけないと言われたの」

「ふ~ん、まあいいわ」

「ねぇ、久しぶりに地球に帰らない?」

「帰って良いの?」

「聞いてないの?」

「3ヶ月が過ぎたら、一時帰宅しても良いんだって」

「本当、じゃ聞いてみるわ」


「お母さん、ただいま」

「何処行ってたのよ」

「言えない」

「言っちゃいけないと言われているの」

「誰に?」

「上司に」

「貴女,働いているの?」

「詳しくは言えないけど、あるところで働いているの」

久しぶりの家族団らんで心が癒やされる。


「カミラ、ねぇ、映画見に行かない?」

「映画?う~ん、どうしようかな?」

「どうしたの?」

「実は、友達とデートの約束が」

「そう、ならいいわ」

ひとりで、映画アバターを見た。


休暇が終わった。

そして新たな任務が。


「隊長、それで良いのですか?」

「良いんだ、まだ最終的な解決方法が見つからないから」


可乃子とカミラは、射程距離を保ちながら、カミラの予知から先手を打つ。

「可乃子あの敵の前にミサイルを運んで爆破」

敵機3機の眼の前でいきなりミサイルが飛んで来て爆発した。

敵機は、一目散に逃げる。

「可乃子、次は、あの敵機の後方にミサイル」

敵機8機が編隊を組んでいた後方でミサイルの爆破が起きる。

「可乃子気づかれたから撤退よ」


「可乃子、カミラ、次の任務は、奴らの相手軍だ」

遠回りして、軍の後方の射程距離を保つ。

「隊長、何機か撃墜しても構いませんか?」

「かまわん、好きなだだけ撃墜しろ、堪忍袋の尾が切れるぜ」

敵機が、終結しているド真ん中にミサイルを打ち込む。

敵機5機が吹き飛ぶ。

「可乃子、撤退よ」

「全くやばいたら、ありゃしない、地上からこちらにミサイルが向かって来わ」


「隊長、休暇願いを出しても構いませんか?」

「ま、良いだろ」


休暇を貰い、地球を目指す。

宇宙船の中で、カミラが泣いている。

「カミラ、どうしたの?」

「だって、敵機の人達も家族が居たり、恋人や愛する妻が、居たかもしれないもの」

「そうね」

「もう私、予知したくないの」

涙が止まらないカミラ、可乃子の目にも涙が溢れている。

地球に帰り、休息の一時を過ごす。

「可乃子、起きている?」

「起きているわよ」

「こんなに寝たのって、本当に久しぶり」

「カミラ、私達は、戦争を終結させる為に雇われたのよ」

「だって、このままじゃ、5万人の人々が亡くなってしまうのよ」

「カミラの予知が有るから、こうして無事に地球の帰れたのよ」

「カミラの予知は、けして戦争の犠牲者を出す為じゃないのよ」

「そうよね」


2人で映画トップガンを観る。

「窓から地上に飛び降りたら、娘が、居るんだもね、うふふ」

映画からの帰り、美香とすれ違う。

「ねぇ、美香の目を見たぁ?」

「随分鋭い目つきをしていたわね、あとをつけてみない」

「そうね、危険な匂いがプンプンするわ」

ビルの角を曲がると、美香が、女子高生をボコンボコンにしている。

「ねぇ可乃子、美香の背中を見て」

「ほんと、黒い霊体みたいな奴が取り憑いているわね」

「カミラ、あの公園を横切って先回りするわよ」

「ねぇ、どうするの?」

「任せて、鞄の革の様に、いじりまくってやる」

「ギャー」

「ギャー」

「ギャー」

霊体もみたいな奴が、一目散に逃げて行った。

美香が、横断歩道の真ん中で、ポカンとしている。

美香に走り寄る2人。

「美香、大丈夫?」

手を引っ張りながら横断歩道を渡る。

「私、どうしてここに居るの?」

「覚えていないの?」

「意識を乗っ取られていたのね、何者かしら」

「家まで送るわ」


休暇が終わった。

宿舎でカミラと話し合う。

「この戦争を終わらせるには、どうしたら良いのかしら?」

「いくらミサイルを爆破しても解決しないわよね」

「ねぇ、可乃子、星を動かせるくらいのバワーってあるの?」

「なに、どう言う事?」

「こう言う事が出来ないかな?重力バランスを崩すの」

「すると星が、ビューインと飛んで行く様になるでしょ」

「その前兆で戦争終結を問いただすの」

「今のままじゃパワーが足りないわよ」

「何か、良い方法は無いのかしら?」

「隊長に相談してみようよ」


「パワーか、う~ん、それしかないか、危険な掛けだな」

「じゃ、パワーを身につける事は、可能なの隊長」

「う~ん、パワーだけならマシンがあるが、一歩間違えれば、2つの星が滅ぶ」

「必ず、最悪に事態にならない様に、元の位置に戻します」

「そうか、交渉かぁ」

星が、揺らぎ、風が、段々と強くなってゆく。

双方の軍隊も星が滅ぶと言う事を理解した。

「可乃子、今よ、元に戻して」

可乃子の額の血管が切れそうなくらい真っ赤な顔をして唸る。


戦争が終わった、星も元の位置に戻り、人々の安心感が伝わってくる。

「ご苦労だった、君達、長い休暇をあげよう」


2人は、また映画を見て笑っている。

そしてまた学校へ行く生活が、始まった。


    END

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ