第4音 ベートーヴェンとは
昔々、遥か昔のことだった。ドイツのボンにルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンという男が生まれた。彼は音楽家としての才能に恵まれ、若くして多くの人々を魅了した。
しかし、やがて彼の耳には難病が発症し、次第に聴力を失っていった。それでも彼は音楽に打ち込み、独自の作風を追求した。彼の作品は、時には情熱的で荒々しく、時には優美で美しいものであった。
彼の人生は、音楽によって彩られ、苦悩や挫折にも苦しめられた。しかし、彼はいつも前を向き、自分自身を追い込んでいった。そして、彼の作品は時代を超え、今なお世界中で愛され続けている。
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンは、人生の中で多くの試練に直面したが、彼の才能と信念は決して揺るがなかった。彼の音楽は、その情熱や生き様を色濃く表現しており、誰もが彼の音楽に魅了されたのである。
「ベートーヴェン、それが旦那の名前なんだな」
「そうだ、私はベートーヴェン。それにしても喋るリスに出会ったのは初めてなのだが、君にも名前はあるのだろうか」
何一つ状況は呑み込めていないが、差し当たって彼の名前から聞くことにしよう、そう私は思った。
なに、あの神に出会ったから難聴にもなっていないし体も軽い。ピアノの音が聞こえるそれだけでなんと素晴らしいことなのか
っと、また一人の世界に入ってしまったな。
「おいらは・・・名前はないんだ。良ければあんたが付けてくれよ!その代わりと言っちゃなんだがおいらにこれからもあんたの音を聞かせてくれ!」
随分と図々しい生き物だな。
名前も付けさせておいてこれからも演奏を聞かせ続けろとな。だが不思議と悪い気はしない、随分と久しぶりな感覚だ。
こう、胸の中をこみあげてくるものがあるな。たとえリスであってもうれしいものだ。
「そうか、いいだろう。これから私の近くにいる限り聞かせ続けようとも!
それと君の名だな、そうだな。アルペジオとかはどうだろうか」
アルペジオは演奏技法のひとつだ。まあ、詳しい話をしたところで意味は伝わらないだろうがね
私は名前を付けたことがないが、語感はきっと悪くないだろう
「アルペジオ、分かった!今日からおいらはアルペジオだ!よろしくな、ベートーヴェン」
「ああ、よろしく頼むよ、アルペジオ」
ここに奇妙な関係が生まれた。
それからベートーヴェンとアルペジオは過ごしていた。アルペジオは食べ物をベートーヴェンは演奏を提供して二人はさながら親友のような関係になっていた。
ベートーヴェンは生前の性格は非常に毎日のルーティンを大切にしていたが、どうやら今は初めておもちゃをもらった子供のようにはしゃぎ、没頭していた。しかも、限りなく理想に近い環境で、道具でできていた。
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