お月見day~優しい光~
ボーイズラブです。苦手な方はご注意ください。
「綺麗な月───と、お団子!」
今日はお月見。
ちょうど満月で、まんまるだ。まるで、お団子見たい……なんて思ったのはちょうど幼稚園の頃。いまだに僕は思っていたりして。
「なんか情緒ないな。響は景色より食いっ気か?」
呆れたように、僕に話しかけてくるのは恋人の大翔。堅物なのは確かだけど、嫉妬深い彼。そんなギャップも僕は大好きだ。
「月は確かに美味しそうだけど、食べれないし……」
「月が美味しそうってお前なぁ……」
呆れすぎて、溜息すら出ないのか、頭を抱えた大翔。
そんな顔しなくても……と思いながらも、僕はお団子に手を伸ばしているので、何とも大翔に言い返せない。
「はうっ、ごほごほっ!」
「だいじょうぶか?」
お団子を口に含ませた瞬間、僕はゴホゴホと噎せてしまった。大きな団子を一口で食べようとしたの原因だろう。
大翔に渡された水をゆっくりと飲み干す。
「うぅ……大丈夫っ」
「せっこむなよっ。喉に詰まらせたらどうするんだっ!!」
大翔の怒りを感じて、僕はしゅんとしまい眉を下げた。大翔はばつが悪そうに頭を掻じる。
「あぁ……悪い……」
「ううんっ、僕のほうが悪かった……」
「………」
なんだろう、最近大翔が怒った後、変に黙るようになった。
何か言いたいことがありそうに口を開けるが、思いとどまっていつも口を閉じてしまう。
「何?大翔?」
「あぁ?なんでもないっ」
「そう………」
「………」
はぁ……なんだろっ。
僕は、心の中で大きな溜息をつく。
このモヤモヤとした空気。何か言いたいことがあるならはっきり言ってくれたっていいのに!!
僕は、ちょっとムッとしたものの、そのこと大翔に直接を訊かなかった。
あんまり駄々をこねて、大翔に嫌われるのは嫌だし……。
「なぁ………あれ見てみろよ」
「えっ……あぁ……」
大翔が指差した方を見ると、沢山の星たちが輝いてた。
「わぁー凄い、いっぱい星が……っ」
さっきまで、複雑な気持ちがどっかへ飛んで行ってしまうほど星を見とれた。
「綺麗だな」
「うん、そうだねっ」
そう言って、自然と二人は手を重ねた。そして、ゆっくりと二人は視線を合わせる。
二人の目の光は星や月たちに負けないぐらい輝いていた。
「また、来年もいっしょにお月見しようねっ」
「あぁ」
小さな約束かもしれないけど、それがとても嬉しいのはきっと。
「大翔と一緒」
に居られるだからだろう………。
上手く言葉にすることができなくても、ただ手を重ねるだけで安心できる。
そんな関係でもいいのは思う僕は、
────甘すぎるだろうか?
そんな不安を消し去るように、月達は僕達に眩しすぎるほどの光を浴びせたのであった。
こんにちは、彩瀬姫です。
いつもよりも遅い更新となりました。
あまあまをモットーに書いていますが、最近は似たパターンが多いなと、ちょっと苦戦しています。
来月は忙しいので、更新はありません。
次回は12月になると思います。
読んでくださって、有難うございました。