表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/190

★9 この世界

よろしくお願いします。

ブックマークありがとうございます。

俺たちのことはここまで歩く途中で話したので、色々と教えてもらった。


カスパーたちは、カラカスで色んな商売をしている。

しかし、ダンジョン!のないこの町では物資が不足するため、

グループを作り、みんなで護衛を雇い、西にあるスプートっていう都市から

魔石をアイテムボックスに入れて運んでくる。


魔石は種類があるようだが、魔術師(今のところ結菜には無理だが)によって、

繊維、香辛料、金属、食べ物など、あらゆる物に変えられる!!


ここクラウス王国は、アラジンのランプのような形の国で、このあたりはその細い注ぎ口あたり、辺境らしい。


カラカスは対立している西方の国マレーバとの境にあるスプートっていう城塞都市とこの王国の商都で東にあるプレドナとの間にある中継都市だそうだ。

対立しているっていうが、魔物を退治するのが忙しくって、仲が悪いだけで戦争とかはこれまではなかった。

よかった!

カラカスの人口は6000人ほどで、そのうち兵士が100人ほどらしい。

兵士は警察の役割と時々魔物の退治、街道の整備を行っている。


スプートとカラカスはラウダシオン辺境伯が治めていて、カラカスはなんとかっていう

男爵が預かっているらしい。領主としては上等だとルイは言っていた。


カラカスからスプートやプレドナへは5日以上かかり、その途中に町がなく、

さらに最近魔物や盗賊の危険が高くなっていて、その分護衛の報酬が高いとのことだ。

しかも今回最も危険な盗賊団だったので、その報酬はかなりのものだ。


スプートやプレドナなどのダンジョンがあるところはもちろん冒険者ギルドは各都市にあり、

そこには大勢の冒険者がいて、ダンジョンから魔石を持ち帰っている。


その魔石は、必ず冒険者ギルドに買い取ってもらわねばならず、

直接使用したのがばれると脱税として厳しく裁かれる。

魔石の買い取り賃には、税が含まれているからだ。


カラカスでは、城壁の北側にあるブドウ畑、北以外の周辺にある麦畑を魔物から守るため、

ダンジョンはないが冒険者は少しいる。

ブドウ畑からはワインを作っているそうだ。


ダンジョンに比べ魔物はかなり少ないが、カラカスの人たちを守るため、

魔物の買い取り賃は税もあるが、カラカスでは逆に補助があり高く買ってくれるそうだ。



魔法は、魔物には絶大な効果を発揮するが、人間相手には効果が半減するらしい。

確かに、結菜の雷魔法はゴブリンを余裕で瞬殺してたけど、盗賊は余裕で生き残っていたな・・・


「魔物を人間が育てたら魔物と仲良くなったりとかってあるの?」

「そんなことあるわけないだろ!」

ルイに叱られたけど、ルパートが教えてくれた。

「魔物の子どもを育ててみた奴がいたけど、全くダメだったらしいぞ。」


「魔物ってどうやって生まれるんだ?」

「お前、何にも知らないんだな?」

ルパートがそう言いながら、丁寧に教えてくれた。

「ダンジョンみたいな魔力が濃い地点では、魔物が湧いてくるよ。

たくさんの人が見ている。湧いてくるのは成体だ。

幼体もいるけど、これは生殖で生まれたものらしい。」


スキルについても教えてもらった。

例えば剣技にレベルはない。いや、表示はない。剣技の上のクラスのスキルもない。

たくさんの人が剣技を持っており、名人からアマチュアまでいるそうだ。

ただ、極めて稀に、特殊なスキルを持っている人がいるそうだ。

また突然スキルを得る時があり、スキルを得ると一気に強くなる。

それ以降は練習したり、使用すると少しずつ上手になるらしい。


「なんか、アウグストが突然こっちに吹っ飛んできたんだけど・・・」

「ああ、あれは俺の秘技だ!」

ルイが得意げに答えた。


「へー、凄いな。秘技ってどういうものなの?」

「俺の秘技は、遠くの敵を剣の圧で吹っ飛ばすんだ。」

「人によって違うってこと?みんな持っているのか?」

「いいや、選ばれた奴だけだ。そいつらが自分にあった、お気に入りの技にするんだ。」

・・・アウグストは剣が伸びるとかそういった秘技だったのだろう。


回復魔法は、病気には効かない。

病気には、薬が必要だ。

薬は、魔法で薬草を変化させたものだが、薬草は常に不足していて、

ギルドでは年中、依頼を出している。

城外へ日帰りで、スラムの子供たちが採取にいくらしいが、近くにはあまりないらしい。

採取しておいた薬草を見せたら高く売れるぞって言われた。


グレイスは俺に回復魔法をかけてくれた僧侶だ。

信じている神は豊穣神フレイで主神はオーディンだそうだ。北欧神話だな。

「貴方たちは神を信じていますか?」

柔らかくグレイスが尋ねてきた。

これも打ち合わせ済みだったので、スラスラ答えた。


「俺たちは八百万の神を信じている。主神は太陽だ。

ん?太陽神の名前?太陽は太陽だろ?」

「私たちみたいな異教徒はどんな扱いになるのかな?」

結菜が心配そうに尋ねた。

「どういう意味?ああ、改宗を勧められたり、生活する上での不利益なんてないわよ。」

おおー、すばらしい国じゃないか!


「俺たちのパーティはカップル限定なんだ。

斥候と魔術師は、このパーティにかけているモンだ。大歓迎だぜ!来いよ!」

ルイとルパートが誘ってくれた。


グレイスが結菜に話しかけていた。

「あなたたち、恋人どうしなの?彼、普通っぽいけど・・・」

「違います!」

結菜が即座に否定した!

今宵の悪夢はコレに決まりだね、また泣きそうだ!


「あなたはすっごくキレイだから、たくさんの男が寄ってくるわよ、うふふ。」

なんてことを言うんですか、グレイスさん!


「見た目は普通だけど、アウグストを倒した凄い斥候だから、ヒロトもモテモテだぜ!」

「えっ、そうなの?」

ロロランの言葉に反応してしまった。

「ああ、ギルドの受付なんて、凄い冒険者を常に狙っているからな!」

どんな娘がいるんだろって思っていたら、結菜がジロリと俺を睨んでいた。


・・・楽しいキャンプだった。

読んでくれてありがとうございます。

毎日18時に更新します。


評価いただければ幸いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 少しずつ世界の事が、わかってきたね。 [気になる点] クラスメートはもう数人脱落してるやろな
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ