★6 星と街道
よろしくお願いします。
・・・夕方になった。
二度目の昼寝の後、ゴブリンを2匹殺し、「夜目」のスキルを得たよ。
だけど、5匹以上の反応が2度あり少し逃げたりしたので、あまり進めなかった。
今日も街どころか街道や、家すら見つけることができなかった。
食べ物も見つけることができなかった。
朝、昼に引き続き、魚とリンゴだ。もうしばらくは大丈夫だろうが・・・
「すぐにヒロトと会ったから、クラスのみんなとも会えるのかなって思っていたけど・・・」
「それどころか、現地の人とも会えないとはな。」
「そうだ、現地の人と会ったらどうしよう?言葉、通じるかな?」
「言葉は通じるでしょ、結菜は通訳のスキルもあるし。
嘘を見抜く魔法もあるかもしれないからな。嘘はつかないでおきたいな。」
「じゃあ、お前たち、どこから来たんだ?何者だ?」
芝居っけたっぷりに追及してくる結菜が可愛い!
「授業中、魔法で飛ばされたんです、刑事さん!」
「だれが刑事よ!他に何を聞かれるかな?」
「そうだな、・・・神様についてだな。」
こんな場所に来てしまったが、結菜と色々話ができ俺は幸せだった。
夜空には満点の星が光っている。
まだ月はでていない。
昨日の明け方、三日月が出てきたけど、違和感はなかった。だけど・・・
「結菜、知っている星座とか、星とかあるかな?」
「あんまり知らないけど。
西にオリオン座、北には北斗七星があるはずだよね?」
「そうだけど、なさそうだな・・・」
結菜が眠り見張りをしている間に、色々とスキルを試してみる。
そうだ、ゴブリンから奪った長剣をもう一度使ってみよう。
長剣を振ってみたが、片手剣と違いしっくりこない。
やっぱり剣技が作用していないようだ。
泥棒は長剣が使えないのかとがっかりした。
4月11日
この世界に来て3日目だ。今日も北へ歩いていく。
昼過ぎに大きな道に出た。
幅が5mほどあり、草があまり生えておらず、轍がある!
馬車とか定期的に走っているのかな。
近くに街や家などはなく、ただ道が概ね東西に続いている。
それでもうれしかった。
「やったよ、ヒロト、どっちに行く?」
結菜の笑顔が弾けて眩しい。
「ようやくだな、東に行ってみよう。」
街道を東に進んでいくと、索敵で30ほどの反応に気が付いた。
「多いね、魔物かな?逃げた方がいい?どこにいるの?」
「街道の左手の森の中だ。全然動かないな。
なんだろう?見つからないよう、森の中から近づいてみよう。」
慎重に近づいてみる。あと200mほどか、武装した人が何人かと馬が何頭か見えた。
ぴったり30いる。
少し離れて相談する。
「盗賊かな?誰かを待っているのかな?」
声をひそめて結菜が俺の耳にささやいた。
「待ち伏せだろう。小汚いし盗賊じゃない?」
くすぐったさを我慢して答えた。
「いい人の可能性もあるよね?」
「そうだな、しばらく様子を見ようか。」
しばらく待っていると、東側の街道から20くらいの反応があった。
武装した人たちが、態勢を整えている。襲う気だ!
街道をくるのは2頭に引かせた2台の馬車だ。どうする?
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