★57 呪禁師①
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深夜0時頃、10個の何かが北へ移動し始めた。
「北ってなにがあるんだ?」
「荒れ地ですね、人はほとんどいません。」
俺の質問に小隊長が答えた。
「よし、追跡するぞ。」
2名の兵士が桐生を呼びに行った。
1時間後、1個だけ反応がある所に合流すると到着したのか動かなくなった。
不気味な雰囲気で、そちらには行きたくないって強く思う。
桐生たちと合流し、ゆっくりと接近していく。
嫌な臭い、不気味な雰囲気が濃くなっていく。
犬だろうか何かの悲鳴が響き渡り、反応が次々と消えていった。
「行くぞ!」
桐生が力強く声を掛けると走り出した。
廃墟があった。
廃墟の手前でぐちゃぐちゃと何かを食べる音が聞こえる。
顔を見合わせ、何人かが照明の魔法を唱えた。
同級生の卯月将がいた。
前と同じ小太りで、陰険な目をした卯月は薄汚い冒険者の格好をしていた。
これまで見たことのある狼よりさらに一回り以上大きい、血にまみれた犬を愛おしそうになでていた。
土佐犬を限りなく凶悪にした感じだ。
もう一匹の犬がいるが、そいつは倒れている犬の腹に顔を突っ込み、ぐちゃぐちゃと音を立てて、
その肉を食べていた。
コイツは、シェパードを限りなく凶悪にした感じだな。
鑑定をした愛海が注意を促した。
「彼は呪禁師よ。呪いのスペシャリストね。」
俺たちの緊張感が増した。
呪いってこちらの世界では聞いたことがなかったからな。
卯月は不気味な笑顔を浮かべ、かっかっかっと笑い出した。
「コイツらが犬しか喰わないから、犬を調達に行ったのが失敗だったかな?
見つかっちゃったな。
まあ、いいさ。ちょうどこのカリギュラが目を覚ましたんだ。」
なでている土佐犬に似た方のようだ。
シェパードに似た犬をあごで指した。
「そっちはルドルフだ。
100匹の犬から生き残った奴だけどちょっと物足りなかったから、
666匹の犬を集めてみたんだ。それがカリギュラだ。
分かるか、コイツの力が!」
凄いが、不気味過ぎる!
「俺は人を越え、魔王を越え、大魔王になったんだ!」
卯月が芝居っけたっぷりに宣言したのに、みんなノーリアクションだった。
少し白けた卯月の視線が1点に集中した。
「あれ、友道じゃないか。お前を探そうかと思っていたんだよ。」
おう、卯月も結菜が好きだったのか!ダ・イ・メ・イ・ワ・ク!
「お前がこれまで犬をたくさん盗んでいたのか?犬を返せ!」
舟見が卯月に向かって叫んだ。
「へー、お前の犬がいたのか?その辺にいるから探せよ。」
卯月の左手が何もいない空き地を指さした。
「・・・どういう意味だ?」
「コイツに喰われて、もう糞になっているから探せって言ってるんだよ!
ぎゃはははは!」
卯月は右手でカリギュラの頭をなでながら、剣を抜いた。
卯月は剣を一閃させ、愛おしそうになでていたカリギュラの首を落とした。
驚愕して動けない俺たちを尻目に、カリギュラの頭を抱え、切り口に右手を突っ込んだ。
ぐちゃっといやな音が響き渡ったあと、カリギュラの頭と右手が融合した。
卯月からのプレッシャーが倍増した。
「お前もクソになれ!」
右に移動していた船見が両手を突き出した。
「ショット!」
指先から放たれた10個の光る弾が四方八方から曲線を描き卯月に襲いかかる。
卯月は防御魔法で防いだ。
普通の防御魔法は正方形の板だが、卯月の防御魔法は自分の周りをすべてカバーしているようだ!
手強いか?
「キャノン!」
船見が今度は右のパンチを放つと50センチほどの光る弾が卯月に向かう!
卯月は笑いながら右手を舟見に向けるとカリギュラの口が開いた。
「ブラックホール!」
卯月が叫ぶと、野球ボールくらいの黒い炎が放たれ、それと光る球がぶつかってなくなった。
渾身の魔弾が軽く相殺され、呆然とする船見に卯月が襲いかかった。
卯月がカリギュラの頭で殴ろうとすると逃げ遅れた船見は両腕で頭を守った。
しかし卯月は殴らなかった。
「轟!」
カリギュラが至近距離で吠えると船見は体が黒くなり、体中から血を吹き出し倒れた!
これが呪いなのか?
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