★51 練習試合②
よろしくお願いします。
「始め!」
ようやく始めがかかった。
俺は片手剣を中段に構えたが、対馬は長剣を右手に持ちだらりと下げている。
「かかって来いよ、万引き野郎!先手を取らせてやるよ!」
余裕を見せて対馬が左手を俺に向け、おいでおいでをした。
いちいち芝居がかっているな・・・
さてどうするか・・・
相手は俺に一番嫌がらせをしてくれた対馬だ。
出来ればぶちのめしたいけど・・・
ジュエリーアイテムはないし、奴は魔法剣士か・・・
負けるのはまあいいけど、冷や汗をかかせることが出来るかな?
この練習場は本来、だだっ広い運動場なのだが、今回は足下に障害物が置かれてある。
だけど、最初から1対1なら奇襲もかけられないし・・・
まあいい、スキルは剣技だけにして、正面からいくぞ!
するすると近づくと、対馬のぶらりと下がった右手が跳ね上がった!
体を半身にして長剣をよけることができたけど、殺すつもりじゃね?
ツバメ返しで振り下ろされた長剣を、今度は片手剣でなんとか流して、後ろに下がった。
あー怖かった!
冷や汗がドバッとでたよ!
回避のスキル使っちゃったよ!
「へー、思ったよりやるじゃないか、雑魚のくせに。
次はこちらから行くぞ!」
長剣を片手で自由自在に操り、俺にせまってくる対馬。
俺は少しずつ下がりながらなんとか受け流していたが、
障害物にぶつかりバランスを崩したところに、対馬の剣が降ってきた!
それを間一髪躱し、振り下ろされた剣を右足で踏みつけ、
対馬の右腕を切り落とそうと横殴りに剣を振った。
やった!
って思ったけど、対馬は低くしゃがんでかわし、
剣を手放して右のハイキックを撃ってきた。
左腕でガードって思ったら、左足を蹴られ俺は倒れた。
後はひたすら蹴りまくられた。
「くそっ、ビックリしたじゃねーか、雑魚のくせに!」
対馬のヒステリックな声が聞こえた・・・
「起きた?大丈夫?」
上下逆の結菜が心配そうに俺を見ていた。
「うん、って何があったんだっけ?」
俺が尋ねると、今度は俺の右手を両手で握りしめ、涙をためている愛海が答えた。
「対馬くんと戦ったのよ。最後に滅茶苦茶蹴られたの。顔や頭まで。覚えている?」
「あー、倒れてから3発蹴られたところまでかな。」
「10発以上、蹴っていたわよ、アイツ!止められたのに、まだ蹴っていたから!」
結菜がプンプン怒っていた。
俺は起き上がったら、さっきまで結菜の膝枕だったって気づいた。
どうりで、良い匂い、良い感触だったはずだ。
もう一度、寝よう!
「ちょっと、大丈夫?痛いの?気分が悪い?」
心配してくれる結菜が絶品でキレイだな!
「いや、ここで寝たいだけ。」
「こらっ、次の試合を見ないといけないでしょ!」
気を失っていた時間は短かったらしい、残念。
「第4試合は、花角黄二(魔物使)対 網中鷹志(忍者)、始め!」
俺も忍者が良かった・・・
網中は片手剣を持っていたが、花角は大きな長剣を持っていた。
魔物使いって魔術師系じゃないの?
剣を使えるのか?っていうか、魔物はどこに?
花角はポケットから野球サイズのボールを取り出し、前に軽く投げた。
ボールが割れ、オークナイトが現れた!
すごい、ポケだ!
オークナイトはきょろきょろし、女の子を見て舌なめずりしている。
おいおい、大丈夫か?
花角が大きな長剣をオークナイトに渡し、網中と戦うように命令した。
小柄な花角がなんであんな大きな剣をって思っていたら、こういうことだったのね。
オークナイトは咆哮を上げ、ちゃんと網中に向かって行った。
網中はすーっと後ろに下がって行き、花角とオークナイトが充分に離れたところで、
花角に向かって行った。速い!オークナイトは置き去りだ!
花角は戦闘力がなかったらしく、早々に負けを認めた。
オークナイトはちゃんとボールの中に戻っていったよ・・・
「第5試合は、佐々与次郎(格闘家)対 浅枝鈴也(泳者)、始め!」
佐々は空手を習っていたっけ。
そんなゴツい体じゃなかったし、あんまり強くなかったと思うが、
今は筋骨隆々となっていて、どっしりとした構えも様になっていた。
佐々が全く届かない間合いから浅枝にパンチを放った。
佐々の拳から光っているモノが伸び、浅枝が短剣でそれを斬ろうとするとその短剣にくっついた!
しばらく力比べをしていたが、浅枝が短剣を手放すとぐーんと縮んで佐々は短剣を掴んだ。
こ、これは、あのゴムとガムの両方の性質を持つ奴か!
浅枝は結菜と同じく水泳部だったが、泳者ってどこを泳ぐのよって思っていたら、
服を着たまま、しなやかな体が地面に吸い込まれていった。
土の中を泳いでいるようだ、すごい!
上がって来たらどうなっているんだ?
佐々は動揺しているようで、辺りをキョロキョロ見回すが、全く分からないようだ。
俺は浅枝がどこにいるかわかるけどな!
浅枝はたくさん剣が置いてある所に浮かび上がり短剣を掴み、また沈んだ・・・
佐々は、辺りをキョロキョロ見回すが、やはりどこにいるか全く解っていない。
木箱を背にして周辺を警戒している。
しばらくして、泥が全くついていない浅枝が佐々の後ろに静かに上がってきて、
佐々の首筋に短剣を突きつけた。
木箱の中から全く音を立てず、浮いてきたよ!
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