★5 移動
よろしくお願いします。
結菜の地図を確認した。
俺にも見ることが出来た。
結菜が歩いたところが、森だとか、川だとか、岩場だとか分かる。
歩いていない所は、真っ黒だ。
拡大・縮小が自由自在で一番拡大して10メートルで1マスくらいかな。
ほぼほぼ真っ黒だよ!
日が昇り、また魚とリンゴを食べて、出発した。
俺は、索敵を使いながら進んでいく。
だけど、索敵範囲はほんの10メートルほどの円だ。役に立つのか、コレ?
「索敵範囲が10mの円であまり使えないんだ。」
「形を変えられないのかな?」
「それだ、やってみるよ。天才だな、結菜は!!」
「大げさだよー」
結菜はにこやかに笑った。
1時間ほど歩いた。
気がつくと猿が5匹、後ろからついてきていた。
結菜の魔法の範囲外で、つかず離れずついてきている。
「どういうつもりだろう?」
「鑑定すると魔物だったよ。」
「俺たちが疲れ切るのを待っているのか、気長だな?」
「試してみたいことがあるんだ。」
結菜がノートに小さく簡単な顔を描いて、はさみで人型に切り取った。
「何それ?」「式神の式くんよ。」
式くんは結菜に息を吹きかけられるとすーっと飛んだ!凄い!
俺は片手剣を抜き、猿に向かっていくと、猿は木の上に登った。
俺を見て、馬鹿にしたような表情を浮かべている。
式くんは木の上の猿の後ろに回り込み、雷の範囲魔法を放った。
2匹の猿がしびれ、落ちてきたので瞬殺した。
残りの猿はおびえ、木から飛び降り逃げ去った。
結菜が凄すぎる!
「木登り」のスキルを得たよ。
「少し早いけど、休憩しよう?」
「私は大丈夫だよ?」
「俺が疲れたんだ。それにお昼寝して魔力の回復ぶりを確認しないとな。」
「そうだね、・・・実は私もちょっと疲れていたよ。」
30分ずつ、仮眠を取ることにした。
結菜が仮眠している間に索敵の形を変えようと試してみたら、
意外と簡単に形を変えることができた。
「く」をいくつか繋げた形がいいんだが・・・
よし、大体幅10センチで長さ1キロメートルの棒となった。
これが10秒で1周し、そのままクルクル回し続けることができるか・・・
おお、できたぞ、1匹が2箇所、2匹が1箇所、3匹が1箇所だな。
レーダーに反応はしていないし、こっちに近づいて来ていない。
いいぞ、しばらくは大丈夫だ。
「久しぶりのお昼寝は気持ちいいね~。」
「おはよう、疲れは取れた?」
「うん、ばっちりだよ。
魔力は・・・歩いているときよりは回復しているね!」
休憩が終わり、索敵のことを結菜に伝えた。
「やったね!これで待ち伏せとか大丈夫だね。凄いよ、ヒロト!」
「ありがとう。これからだけど結菜の魔法を色々と試してみよう。
まずは3匹以下がいいと思うけど、どうかな?」
「ヒロトに任せるよ。」
「ありがとう。でもそれじゃダメだと思う。
こんな命がけの状況だから、もっとお互いの考え方を知っておかないと。
肝心なところで、ズレたら命に関わる。」
「わかった。じゃあ、思ったことはバンバン話すよ!」
お手柔らかにね・・・
索敵範囲内に2匹と3匹がいた。
「2匹のところへ行ってみよう。
風下から近づくから少し遠回りになるよ。」
「了解。範囲魔法だね!」
「ゴブリンなら範囲魔法で。それ以外なら1匹に最大の雷魔法でどう?」
「そうだね、命がけだもんね!」
鹿が2匹だった。20メートルまで近づいた。
こっちを警戒しているが、逃げ出したりしない。
「どう、魔法いけそう?」
「大丈夫、届くよ!分かるんだ。」
結菜が1匹に雷魔法を放った。
・・・もっと威力小さくても大丈夫だったね。
もう一匹がこちらへ頭を軽く下げ、角をこちらに向けて突っ込んできた!逃げないのな?
真っ直ぐに来たので、片手剣で突きを放った!
リーチの差で、俺の剣が鹿の頭を貫いた。
とりあえず、心臓付近を触ってみた。
「跳躍」のスキルを得たよ!
鹿の血抜きってどうするんだ、どうやって食べるんだって
考えていたら、鹿の死体も石になってしまった。
次は3匹に近づいて行く。
あと50mぐらいで、3匹が動かなくなった。
慎重に近づいて行く。あの辺りにいるんだが・・・
いた!ゴブリン3匹だ。
1匹は弓を持ってこっちを狙っている!
気配を隠し、上手に隠れていた。ゴブリン凄いな!
索敵がなけりゃ、わからなかったよ!
コソコソと相談する。
「範囲魔法でいってみよう。弓を持っている奴を含んでくれ。」
「アイツだね、じゃあ行くよー」
結菜の範囲魔法一撃で完璧に、完全に死んだけど、一撃で2匹しか攻撃できなかった。
レベルが低いからだろうか?
もう1匹は棍棒を持った腕を切り落としたら、そいつは命乞いしてきた・・・
結菜の前だったので、見逃してあげようかと振り向きかけたら、
もう棍棒をつかんでいたので、殺した・・・
得られたスキルは「鑑定(草)」だけだった。うーん。
「そういえば、昨日ゴブリンに襲われた時ってどんな感じだったの?」
「突然、前に現れたよ。
ビックリして悲鳴をあげたのをニヤニヤ見ていたような・・・」
「きっと、そうだな。ワザと姿を見せて、追いかけて、結菜の恐怖を楽しんでいたんだな!
許さなくて正解だな。」
1匹でじっとしている奴がいる。大きな毒蜘蛛でした。
かなり近づいたのに、待ち伏せ型だから近づいて話をしていても全然動かない。
「じゃあ、今度はホントに無詠唱でやってみよう!」
「・・・やってみるね。」
毒蜘蛛は死んだが、威力が小さかったような・・・
「難しいよ~、練習しないとだね!」
・・・毒蜘蛛を触るとか無理!
結菜が二度目のお昼寝している間、付近の草を鑑定してみたら、薬草があったよ!
わからんが葉っぱだけを刈り取っておいた。
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